ジャンル : 洋紙
日本製紙グループ本社の2010年4~6月期連結営業利益は、前年同期比で約1割増の80億円程度になったようだ。紙や段ボール原紙の需要が底打ちしてきた。原油など原料高が負担だが、生産設備の一部を停止するなどしてコストを削減し、増益となったようだ。
売上高は1割増の2800億円前後になったようだ。印刷用紙などの紙や段ボール原紙などの板紙の需要減少が一巡した。08年の金融危機の後はチラシ、カタログ用需要の冷え込みや物流の減少で出荷が落ち込んだが、昨年12月以降は毎月の出荷が前年同月比でプラスに転じている。 日本紙の4~6月期の出荷数量は紙が前年同期比約1%、板紙は同5%程度増えたとみられる。景気回復で化成品事業の販売が改善してきたことも、売り上げ増加につながった。 前年同期比で約1割の営業増益となったのは、数量の底入れに加えて、コストの削減が大きく寄与した。 金融危機の後は国内の紙需要が減少したため、前期に生産設備を見直した。この結果、前期に8割程度だった稼働率は、今期は9割を上回る見通しだ。 生産能力の調整や原価改善は25億円の営業増益要因となったもようだ。在庫の評価損益の影響で発生する「受け払い差」なども、20億円強の利益改善要因になったとみられる。 一方、販売価格が前年同期比で下がったことが数十億円、原油など原料価格の上昇が20億円弱の減益要因になったようだ。 4~9月期の営業利益見通しに対する進ちょく率は約4割。期初に公表した今期の業績見通し(売上高が前期比4%増の1兆1400億円、営業利益が同3%増の420億円)は据え置く可能性が高い。
(2010年7月9日 日本経済新聞朝刊より)
鉄鋼を除く産業素材の在庫圧縮が進んでいる。主要15品目の6月末在庫を日本経済新聞社が聞き取り調査したところ、石油化学製品やセメント、ガソリンなど6品目の在庫が前月より減少したもようだ。増加は鋼材4品目にとどまった。素材メーカー各社が在庫圧縮を進めているのが主因だが、緩やかな内需の回復基調も寄与した。
自動車部品や家電の外装、食品包装、配管などに幅広く使われる合成樹脂ポリプロピレンとポリエチレン、塩化ビニール樹脂は、出荷量が前月より増えたもようだ。 「全体的に悪くない出荷水準」(プライムポリマー)との声が増えてきた。 塩ビ樹脂は今春の値上げ後の買い控えが一巡し、出荷量が増加した。三菱化学や京葉エチレンの大型プラントが定期修理に入った影響で生産が減ったことも在庫減の要因になった。流通業者の間では「今秋の需要期に向けて在庫を積み増す必要が出てきた」との声も聞かれる。 需要低迷が続いているセメントの国内在庫も減ったもよう。メーカー各社は工場の生産能力を削減している。国内販売量の減少率も縮小しており、落ち込んでいた需要に底入れ感が出てきた。 セメント協会は「東南アジア向けなどに輸出も増加しており、セメントの在庫は適正水準に近づいた」と説明している。 製紙原料になる古紙は、国内製紙会社向けの出荷が堅調なため、6月末在庫が3カ月連続で減少した。 石油製品では、石油元売り各社が余剰感の強いガソリンに代えて輸出が容易な軽油やジェット燃料など他の油種に生産を振り向けた。 需要は低迷しているが、過剰だったガソリン在庫は減少傾向にある。 一方で鋼材の在庫は出荷が伸び悩んだことが響いて軒並み増加傾向にある。需給が緩み、H形鋼や棒鋼などはすでに値下がりに転じている。
(注)小形棒鋼、薄鋼板、H形鋼、印刷用紙はメーカー・流通在庫の合計。ステンレス鋼板、古紙は流通在庫。その他はメーカー在庫。▲はマイナス。6月末は日経推定(古紙とガソリンは実績)
(2010年7月15日 日本経済新聞朝刊より)
王子製紙の2010年4~6月期の連結営業利益は前年同期比2割増の150億円強になったようだ。国内の紙や板紙の需要が下げ止まってきたため。コストの削減も進んでおり、原油など原料価格の上昇を吸収した。為替の円高・ドル安傾向も収益にプラスに働いた。
売上高は7%増の3000億円前後となったようだ。印刷用紙の紙や物流用の段ボールの原紙などの数量が底入れしている。洋紙の出荷数量は前年同期比ほぼ横ばい、板紙は数%の伸びを確保したとみられる。 コストの削減も順調に進んでいる。国内の紙の需要の落ち込みに合わせて前期までに生産設備の一部を停止しており、それだけ今期は減価償却費や修繕費の負担が軽くなる。労務費や経費なども減少する。こうしたコスト削減が11年3月期通期では159億円の増益要因となる見通し。4~6月期だけでみると、前年同期比で営業利益を40億円程度押し上げる効果があったようだ。 為替相場が前年同期より円高・ドル安で推移したことも数億円の増益要因。前年同期は高値在庫が利益を圧迫したが、今4~6月期はこうした影響が一巡し30億~40億円のプラス要因になる。 一方、原油や古紙などの原料価格の上昇は40億円程度の減益要因になったようだ。販売価格が前年同期に比べて下がっていることもマイナス要因になる。 4~6月期の収益は会社側の想定線上で推移しているとみられる。4~6月期の決算発表では、売上高が前期比5%増の1兆2000億円、営業利益が5%減の700億円とする通期予想を据え置く公算が大きい。
日本製紙連合会が20日発表した6月の需給速報によると、紙・板紙の国内出荷量は221万1千トンと前年同月比2.2%増加した。前年実績を上回ったのは7カ月連続。包装用紙は化学・合成樹脂向けが伸び、7万1千トンと10.9%増えた。板紙も93万1千トンと4.3%増えた。 一方、印刷・情報用紙は71万5千トンと1.6%減少した。衛生用紙はメーカーの値上げによる買い控えが響き、14万3千トンと1.9%減った。
(2010年7月21日 日本経済新聞朝刊より)
上昇が続いていた洋紙のアジア市場での取引価格が10カ月ぶりに下落に転じた。過剰在庫を背景に中国内の洋紙価格が下がった流れが波及した。高騰していた原料のパルプ価格に天井感が出てきたことも引き金になった。財政不安や景気の減速懸念がくすぶる欧米市場への輸出減で「アジア域内の需給緩和が一段と進む」との見方も出始めた。
アジア市場の指標となる香港の取引価格は現在、ポスターやチラシ、包装用などに使う代表品種の上質コート紙が1トン920~970ドル(運賃・保険料込み)で前月比20~30ドル下げた。値下がりは2009年9月以来10カ月ぶり。 中国をけん引役にしたアジア地域全体の需要拡大と昨年秋以降の原料パルプ高騰で、アジア市場の上質コート紙価格は年初から25%上昇した。7月に入って急速に買い控えムードが強まってきた。 大手商社の調べによると、中国本土での上質コート紙取引価格は6月に1トン7000~7700元(1元=約13円)と5月に比べ200~300元下落した。香港市場の価格にも波及したという。 中国市場では原料パルプの高騰に連動した価格上昇局面で印刷会社や包装材メーカーなどの需要家各社が実需を超えた前倒し調達に動いた。このため「過剰在庫が積み上がり、新規調達は見合わせている。当面は調整局面が続きそうだ」(大手商社)との指摘が多い。 また、4月に米国が中国とインドネシアのコート紙に対する反ダンピング課税を仮決定した影響で、米国向け輸出が急減しているもよう。欧州向けも景気低迷を背景に引き合いが落ち込んでいるという。アジア市場への供給圧力が強まるとの見方が出ている。 中国市場の実需に関しても「やや伸びが鈍化している」(篠田和久・日本製紙連合会会長=王子製紙社長)といい、不透明感が漂ってきた。 日本の大手製紙各社は国内需要の低迷に対応してアジア市場での販売強化の戦略を打ち出している。 だが、アジア市場での需要鈍化や価格下落が進めば、収益面での逆風となるのは必至だ。
(2010年7月22日 日本経済新聞朝刊より)
大王製紙はタイに幼児用の紙おむつ工場を建設する。同社初の海外自社工場となり、2011年にも生産を始める予定だ。現地生産でコスト競争力を高め、人口増が見込まれる東南アジアで高級品市場を開拓する。国内市場の伸び悩みを受け、製紙大手の海外展開が本格化してきた。
新工場はタイのチョンブリ県に建設する。当初の投資額は約30億円で、月間生産能力は1600万~1800万枚程度を想定している。11年初めに着工。同年中にも在庫を確保するための生産を開始し、早ければ12年3月から出荷を始める。 アジアでの生産に踏み切るのは、需要が本格的に拡大するとみているためだ。輸出を通じ、代理店など販売網も整ったと判断した。東南アジアの幼児用紙おむつの販売量は月間4億~5億枚と、日本(同6億枚)に比べるとやや少ないが、日本など先進国に比べて普及率がまだ低い。経済成長で購買力の向上も見込め「需要は年率10%以上で成長する」(大王製紙)とみている。 新工場で生産する紙おむつはタイを中心にベトナム、インドネシア、マレーシアなどで販売する。インドなど南アジアでの市場開拓も進める。 販売状況を見ながら、投資額の積み増しを検討する。投資額は120億~130億円、月間生産能力は9000万~1億枚程度まで拡大する可能性がある。 東南アジア市場には現在、日本からの輸出で高級品を投入しているが、輸送費などがかさみ、採算面では苦戦している。タイで生産すれば、日本から輸出する場合と比べ原料や製造、輸送などのコストを20~25%下げられるという。 大王製紙は紙おむつなど家庭紙事業(ホーム&パーソナルケア事業)の売上高を、13年3月期に今期計画比2割増の1600億円に増やす目標を立てている。同事業の海外売上高比率は現在約5%だが、海外生産の開始で13年3月期には約13%に高める。 大王製紙は国内の幼児用紙おむつで約14%と第4位。しかし国内の幼児用紙おむつの市場規模(10年度見通しで約1460億円)は08年度以降頭打ち。アジア市場には日本や欧米の紙おむつメーカーが多く参入している。大王製紙もアジア市場でシェア獲得を狙う。
典型的な内需型産業だった製紙業界が曲がり角を迎えている。王子製紙は中国に紙パルプ工場を建設中。日本製紙グループ本社も海外メーカーへの出資や買収を相次いで決めた。国内市場が頭打ちとなるなか、アジア・太平洋地域を軸に、各社が海外進出を狙う動きが今後も加速しそうだ。 国内紙市場は少子高齢化や出版不況で2000年をピークに減少傾向。米リーマン・ショック後の景気後退からも立ち直っておらず、「早期回復は見込めない」(王子製紙の篠田和久社長)情勢。各社の海外シフトに拍車がかかっている。 王子は中国の江蘇省南通市に総額20億ドルで印刷用紙などを生産する紙パルプ一貫工場を建設中。10年後半~11年初めの稼動を目指している。 日本紙は09年に約360億円で豪製紙3位のオーストラリンアンペーパーを買収。今年6月には中国の段ボール原紙2位、理文造紙公司(L&M、香港)に約420億円を出資した。ただ、アジア各国では欧米メーカーも先行して進出済み。国内各社は技術力をてこに高付加価値品で違いを打ち出す考えだ。 09年の紙と板紙を合わせた生産量は、日本の場合、前年比14.2%減の2627万トンだった。アジア・太平洋地域は市場が拡大傾向にあり、中でも中国は8.3%増で世界最大の8640万トンとなっている。
(2010年7月23日 日本経済新聞朝刊より)
石油元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーは27日、工場のボイラーや発電に使う燃料用C重油の4~6月期価格を1~3月期比6~7%引き上げることで大口需要家の王子製紙と東京電力と合意した。原油の上昇が理由。JXは7~9月期価格を4~6月期より引き下げることも表明した。
JXが王子製紙と合意した一般産業向けの高硫黄C重油(硫黄分3.0%)の4~6月期価格は1キロリットル5万1750円と前期比2800円(5.7%)高い。5四半期連続で値上げ決着した。 JXが東電と合意した電力向けの低硫黄C重油(硫黄分0.3%)価格は1キロリットル5万7770円と同3910円(7.2%)高い。値上げ決着は2四半期連続。両社の合意価格は他の需要家と交渉する際の指標となる。 値決め指標となる3~5月の原油の平均輸入価格は1バレル81~85ドルと前期比3~5ドル上昇した。為替が前期比約1.5円の円安・ドル高となったのも値上げ要因。一般産業向けでは重油のスポット価格上昇も加味した。 JXは4月下旬に一般産業向けと電力向けで9~11%の値上げを表明したが、交渉は難航していた。値上げ表明時に想定したより原油価格が1バレル3ドル程度安かったため、上げ幅は圧縮された。 JXは7~9月期の高硫黄C重油を1キロリットル4万8100円と4~6月期比3650円(7.1%)引き下げると表明した。低硫黄C重油は5万3900円と3870円(6.7%)下げる。製造業や電力会社にとっては前期に上昇した燃料コストの軽減につながる。 7~9月期価格の算定基準となる6~8月の原油価格が前期より1バレル5~8ドル下がると想定した。為替については前期比3円程度の円高・ドル安を見込んでいる。
(2010年7月28日 日本経済新聞朝刊より)
高騰していた製紙用パルプの国際価格が約1年半ぶりに下落に転じた。世界最大の需要国である中国で引き合いが鈍ってきたことが響き、北米や中国市場で先行して下げが目立つ。日本向けは横ばいを維持しているが、8月積みは下落観測も出始めた。国内製紙各社の中国向けなどのパルプ輸出も減少に転じている。
大手商社によると、北米大手パルプメーカー各社が北米内の取引の提示価格を引き下げた。指標となる北米産針葉樹さらしクラフトパルプ(N-BKP)は8月分が1トン990ドルと7月分より30ドル安い。約1年半ぶりの引き下げとなる。 日本向けは、7月積みが6月積みと比べ横ばいの920ドルでおおむね決着した。直近安値をつけた昨年4月から今年6月までに70%上昇していたが、高等に歯止めが掛かった。8月積みは下がるとの観測が台頭している。 中国市場で紙、パルプともに買い控えが広がっていることが影響し、パルプメーカーが売り急いでいる。2月の大地震で被害を受けた主産国チリの生産設備が、おおむね復旧したとみられることも背景にある。 中国市場にはこれまでの価格上昇局面での投機的な買いの反動が広がっている。6月以降、業者の間で売り急ぐ動きが広がり、100ドル程度下がるケースが出ているとされる。また、ロシアのパルプメーカーが中国向けで150ドル程度引き下げたとの指摘もある。 仮需の反動に加え、景気悪化懸念の出ている北米のクリスマス商戦向けの製紙輸出が減少するとの警戒感も強い。例年この時期からクリスマス商戦向けのチラシやポスター、出版物向けの需要が高まるが、「需要が出てきたとの声をほとんど聞かない」(国内商社)。 国内の大手製紙各社は中国や韓国などへのパルプ輸出を積極化していたが、減少に転じている。日本製紙連合会のまとめによると、6月のパルプ輸出量(速報)は2万1346トンと直近ピークの3月に比べ36%減少した。「取引が成約しにくくなっている」(大手製紙)といい、7月以降もさらに減少しているもよう。 家庭紙メーカー各社はパルプ高騰を理由に春に値上げを打ち出していた。5月ごろまでに一部浸透したものの、パルプが値下がりに転じたことで今後の完全な浸透は難しくなりそうだ。
(2010年7月29日 日本経済新聞朝刊より)
王子製紙と日本製紙グループ本社の製紙大手2社が30日発表した2010年4~6月期連結決算は、純利益が王子紙で前年同期比44%増の83億円、日本紙が2倍の37億円と大幅に増えた。輸出拡大などで売り上げが伸びたほかコスト削減も進展し、原燃料価格の上昇を補った。 売上高は王子紙が1%増の2836億円、日本紙が7%増の2730億円。国内の紙需要は横ばいだが海外出荷が増えた。国内の物流需要の回復で板紙の販売も伸びた。 営業利益は王子紙が25%増の160億円、日本紙が23%増の88億円。生産設備の停止による固定費削減や、生産効率の向上が寄与した。コスト改善が王子紙で59億円、日本紙で27億円の増益要因となった。
(2010年7月31日 日本経済新聞朝刊より)
「コピー用紙の1日当たり出荷トン数が上向いている」と安堵の表情を浮かべるのは大塚商会の大塚裕司社長。景気低迷化で企業が注文を絞り前期は落ち込んでいたが、この6月は前年同月比で1割以上出荷が増えたという。 30日発表した2010年1~6月期の連結決算は純利益が70億円と前年同期比11%増えた。カラーコピー機やパソコンの販売回復が業績を押し上げた。「ビジネスの現場は確かに活性化してきた」と手応えを感じていた。
大王製紙の2010年4~6月期の連結営業利益は前年同期比3割減の35億円程度になったようだ。ティッシュなどは順調だったが、チラシ用など印刷用紙の需要が伸び悩んだ。前年同期に比べた販売単価の下落や、原燃料価格の上昇も収益を圧迫した。 売上高は前年同期(1046億円)を下回り、1000億円に届かなかったようだ。ティッシュ、オムツなどの家庭紙の需要は安定しているが、広告向け需要の落ち込みで印刷用紙の出荷は戻りが鈍かった。販売価格が下落したことも売り上げの減少につながった。 原油や古紙など原燃料価格の上昇も重荷だ。業績予想の前提となる原油価格の見通しは、前期より19ドル高い1バレル83ドル。省エネルギー投資などによるコスト削減を進めているが、悪化要因を補いきれなかった。 4~6月期営業利益の4~9月期見通しに対する進ちょく率は4割程度。4~6月期は工場の定期修繕が入るため、進ちょく率が低くなりやすい。 上期と通期の業績予想は据え置く公算が大きい。
(2010年8月3日 日本経済新聞朝刊より)
素材と燃料の在庫に再び過剰感が出てきた。鋼材や合成樹脂など主要15品目の7月末在庫は6品目が前月比増加し、8品目が横ばいとなる見通し。減少見通しはガソリンのみだった。国内生産が増えたうえ輸出の伸びが鈍ったためで、一部に減産の動きが出てきた。 鋼材は5月中旬から内需が鈍っている。「輸出の伸びも鈍化し、メーカーの国内出荷が早まっている」(加工業者)。ステンレス鋼板では新日鉄住金ステンレスが減産の検討に入った。セメントは長雨で出荷が低迷。「7月の国内出荷は前年比1割程度少ない」(セメント協会)とみられる。 印刷用紙も出版や広告の不振で在庫が増加に転じそうだ。日本製紙連合会がまとめた6月の印刷・情報用紙の国内出荷量は3カ月連続の前年割れ。中国の買い控えで輸出減少観測も強い。樹脂の低密度ポリエチレンとポリプロピレンは国内設備の定期修理が終わり、供給増が予想される。 自動車や電子部品に使う素材の需要は堅調だ。自動車部材などに使う化学繊維の「在庫水準は適正」(日本化学繊維協会)という。アルミニウム圧延品は7月以降の猛暑で缶材用の需要増が見込まれる。 ガソリンは減産で在庫が減る見通しだ。元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーは7月の原油処理量を前年同月比3%削減。出光興産と昭和シェル石油は7~9月の国内向け処理量を前年同期比4~5%削減する。一方、7月のガソリン輸出は前年同時期の4倍以上に増えるとみられる。 素材と燃料の外需をけん引してきた中国景気には不透明感が強い。輸出の伸びが鈍れば原料高を理由とした値上げ交渉に影響する可能性もある。
(▲はマイナス、%。カッコ内は前年同月比)
6月末の
在庫水準
(注)小形棒鋼、薄鋼板、H形鋼、印刷用紙はメーカー・流通在庫の合計。ステンレス鋼板、古紙は流通在庫。その他はメーカー在庫。7月末は日経推定。
(2010年8月5日 日本経済新聞朝刊より)
大王製紙と三菱製紙が4日発表した2010年4~6月期連結決算は、最終損益がそろって赤字となった。紙の需要減少は一巡したが、依然として低水準。資産除去債務会計適用に伴う特別損失の計上もあり、コスト削減で補いきれなかった。 大王紙の売上高は前年同期比8%減の966億円、三菱紙は同2%減の533億円だった。前年同期に比べて販売価格が低下していることも、減収の一因となった。 大王紙の経常利益は52%減の16億円。三菱紙の経常損益は2億5400万円の黒字に転換した。前年同期は6億5500万円の赤字。固定費削減などが奏効した。 11年3月期の予想経常利益に対する4~6月期の進ちょく率は大王紙が15%、三菱紙は6%にとどまる。生産設備の定期修繕が集中したのが原因だ。通期の業績予想は両社とも期初に公表した予想を据え置いた。
ジャンル : 板紙
丸紅は30日、王子製紙がマレーシアで展開している段ボール・板紙事業に参画すると発表した。王子製紙が全額出資する現地の段ボール生産会社の持ち株会社について、その株式の25%を8月にも買い取り、資本参加。素材の調達や販売面を支援する。 マレーシアを含め、東南アジアでは段ボールの需要が急拡大しており、商機があるとして事業に参画する。 王子製紙が今春に買収したマレーシアの段ボール・板紙最大手、GSペーパー・アンド・パッケージング(GSPP)の持ち株会社の株式を取得する。取得金額は公表していない。 GSPPの段ボールの生産規模は年間約2億平方メートルで、2009年12月期の売上高は約150億円。生産分の大半はマレーシア国内向けだが、今後は輸出も検討しており、丸紅は輸出の際の販路開拓も支援する。
レンゴーが3日に発表した2010年4~6月期の連結純利益は前年同期比15%増の48億円だった。家電製品向けの段ボールが好調だったほか、昨年5月に買収した日本マタイが連結対象になったことも9億円の利益かさ上げ要因になった。資産除去債務会計の適用などに伴う特別損失を吸収、増益を確保した。 売上高は12%増の1201億円、営業利益は19%増の95億円。段ボール箱は飲料や青果物など食品向けは微減だったが、エコポイント制度を追い風に家電向けの需要が拡大した。段ボール原紙も販売数量ベースで5%増えた。 11年3月期通期の連結純利益は前期比12%減の150億円を見込む。「古紙や原油など原燃料価格に先高観がある」(橋本研取締役)として、従来予想を変えなかった。
(2010年8月4日 日本経済新聞朝刊より)
ジャンル : その他 ≪再生資源≫
製紙原料になる古紙の輸出価格が反落した。指標となる関東製紙原料直納商工組合(東京・台東)の8月積み価格は前月積みと比べ3~4%安い。円相場が対ドルで2~3円上昇したため。一部品目については、中国の製紙会社が調達を抑制したとの見方もある。 8月積みの段ボール古紙は1キロ15.641円と前月比3%安い。新聞古紙は15.83円と4%下落した。製紙用パルプの国際価格が約1年半ぶりに下落に転じたことが、古紙の輸出価格の反落につながったとの見方もある。ただ、両古紙とも需要は堅調で、ドルベースの価格は下がっていない。 雑誌古紙は1キロ13.14円と前月比3%下落した。中国の白板紙の主産地で、廃水規制を目的に中小生産者の操業を一時的に止める措置が実施されたもよう。「8月も同様の規制が実施される」(都内の古紙問屋)との観測が強く、白板紙の原料になる雑誌古紙の輸入が鈍ったとみられる。
(2010年7月30日 日本経済新聞朝刊より)
2012-1-10更新
紙の市況 (2012.1)
平成23年11月 品種別販売実績表 [全国版]
平成23年11月 品種別販売実績表 [中部版]
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洋紙
板紙
その他 ≪再生資源≫
ジャンル : 洋紙
1.日本紙、営業益1割増 4~6月 印刷用紙など需要底打ち コスト削減も寄与
日本製紙グループ本社の2010年4~6月期連結営業利益は、前年同期比で約1割増の80億円程度になったようだ。紙や段ボール原紙の需要が底打ちしてきた。原油など原料高が負担だが、生産設備の一部を停止するなどしてコストを削減し、増益となったようだ。
売上高は1割増の2800億円前後になったようだ。印刷用紙などの紙や段ボール原紙などの板紙の需要減少が一巡した。08年の金融危機の後はチラシ、カタログ用需要の冷え込みや物流の減少で出荷が落ち込んだが、昨年12月以降は毎月の出荷が前年同月比でプラスに転じている。
日本紙の4~6月期の出荷数量は紙が前年同期比約1%、板紙は同5%程度増えたとみられる。景気回復で化成品事業の販売が改善してきたことも、売り上げ増加につながった。
前年同期比で約1割の営業増益となったのは、数量の底入れに加えて、コストの削減が大きく寄与した。
金融危機の後は国内の紙需要が減少したため、前期に生産設備を見直した。この結果、前期に8割程度だった稼働率は、今期は9割を上回る見通しだ。
生産能力の調整や原価改善は25億円の営業増益要因となったもようだ。在庫の評価損益の影響で発生する「受け払い差」なども、20億円強の利益改善要因になったとみられる。
一方、販売価格が前年同期比で下がったことが数十億円、原油など原料価格の上昇が20億円弱の減益要因になったようだ。
4~9月期の営業利益見通しに対する進ちょく率は約4割。期初に公表した今期の業績見通し(売上高が前期比4%増の1兆1400億円、営業利益が同3%増の420億円)は据え置く可能性が高い。
(2010年7月9日 日本経済新聞朝刊より)

ジャンル : 洋紙
2.素材、在庫圧縮が進む 6月末推定 石化製品など6品目減 鋼材4品目は増加
鉄鋼を除く産業素材の在庫圧縮が進んでいる。主要15品目の6月末在庫を日本経済新聞社が聞き取り調査したところ、石油化学製品やセメント、ガソリンなど6品目の在庫が前月より減少したもようだ。増加は鋼材4品目にとどまった。素材メーカー各社が在庫圧縮を進めているのが主因だが、緩やかな内需の回復基調も寄与した。
自動車部品や家電の外装、食品包装、配管などに幅広く使われる合成樹脂ポリプロピレンとポリエチレン、塩化ビニール樹脂は、出荷量が前月より増えたもようだ。
「全体的に悪くない出荷水準」(プライムポリマー)との声が増えてきた。
塩ビ樹脂は今春の値上げ後の買い控えが一巡し、出荷量が増加した。三菱化学や京葉エチレンの大型プラントが定期修理に入った影響で生産が減ったことも在庫減の要因になった。流通業者の間では「今秋の需要期に向けて在庫を積み増す必要が出てきた」との声も聞かれる。
需要低迷が続いているセメントの国内在庫も減ったもよう。メーカー各社は工場の生産能力を削減している。国内販売量の減少率も縮小しており、落ち込んでいた需要に底入れ感が出てきた。
セメント協会は「東南アジア向けなどに輸出も増加しており、セメントの在庫は適正水準に近づいた」と説明している。
製紙原料になる古紙は、国内製紙会社向けの出荷が堅調なため、6月末在庫が3カ月連続で減少した。
石油製品では、石油元売り各社が余剰感の強いガソリンに代えて輸出が容易な軽油やジェット燃料など他の油種に生産を振り向けた。
需要は低迷しているが、過剰だったガソリン在庫は減少傾向にある。
一方で鋼材の在庫は出荷が伸び悩んだことが響いて軒並み増加傾向にある。需給が緩み、H形鋼や棒鋼などはすでに値下がりに転じている。
主要素材の在庫状況
5月末比見込み
(注)小形棒鋼、薄鋼板、H形鋼、印刷用紙はメーカー・流通在庫の合計。ステンレス鋼板、古紙は流通在庫。その他はメーカー在庫。▲はマイナス。6月末は日経推定(古紙とガソリンは実績)
(2010年7月15日 日本経済新聞朝刊より)

ジャンル : 洋紙
3.王子紙、営業益2割増 4~6月 国内需要下げ止まり 円高傾向もプラスに
王子製紙の2010年4~6月期の連結営業利益は前年同期比2割増の150億円強になったようだ。国内の紙や板紙の需要が下げ止まってきたため。コストの削減も進んでおり、原油など原料価格の上昇を吸収した。為替の円高・ドル安傾向も収益にプラスに働いた。
売上高は7%増の3000億円前後となったようだ。印刷用紙の紙や物流用の段ボールの原紙などの数量が底入れしている。洋紙の出荷数量は前年同期比ほぼ横ばい、板紙は数%の伸びを確保したとみられる。
コストの削減も順調に進んでいる。国内の紙の需要の落ち込みに合わせて前期までに生産設備の一部を停止しており、それだけ今期は減価償却費や修繕費の負担が軽くなる。労務費や経費なども減少する。こうしたコスト削減が11年3月期通期では159億円の増益要因となる見通し。4~6月期だけでみると、前年同期比で営業利益を40億円程度押し上げる効果があったようだ。
為替相場が前年同期より円高・ドル安で推移したことも数億円の増益要因。前年同期は高値在庫が利益を圧迫したが、今4~6月期はこうした影響が一巡し30億~40億円のプラス要因になる。
一方、原油や古紙などの原料価格の上昇は40億円程度の減益要因になったようだ。販売価格が前年同期に比べて下がっていることもマイナス要因になる。
4~6月期の収益は会社側の想定線上で推移しているとみられる。4~6月期の決算発表では、売上高が前期比5%増の1兆2000億円、営業利益が5%減の700億円とする通期予想を据え置く公算が大きい。
(2010年7月15日 日本経済新聞朝刊より)

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4.紙・板紙出荷6月2.2%増
日本製紙連合会が20日発表した6月の需給速報によると、紙・板紙の国内出荷量は221万1千トンと前年同月比2.2%増加した。前年実績を上回ったのは7カ月連続。包装用紙は化学・合成樹脂向けが伸び、7万1千トンと10.9%増えた。板紙も93万1千トンと4.3%増えた。
一方、印刷・情報用紙は71万5千トンと1.6%減少した。衛生用紙はメーカーの値上げによる買い控えが響き、14万3千トンと1.9%減った。
(2010年7月21日 日本経済新聞朝刊より)

ジャンル : 洋紙
5.洋紙、アジア地域で10カ月ぶり下落 中国の過剰在庫波及 原料パルプに天井感も
上昇が続いていた洋紙のアジア市場での取引価格が10カ月ぶりに下落に転じた。過剰在庫を背景に中国内の洋紙価格が下がった流れが波及した。高騰していた原料のパルプ価格に天井感が出てきたことも引き金になった。財政不安や景気の減速懸念がくすぶる欧米市場への輸出減で「アジア域内の需給緩和が一段と進む」との見方も出始めた。
アジア市場の指標となる香港の取引価格は現在、ポスターやチラシ、包装用などに使う代表品種の上質コート紙が1トン920~970ドル(運賃・保険料込み)で前月比20~30ドル下げた。値下がりは2009年9月以来10カ月ぶり。
中国をけん引役にしたアジア地域全体の需要拡大と昨年秋以降の原料パルプ高騰で、アジア市場の上質コート紙価格は年初から25%上昇した。7月に入って急速に買い控えムードが強まってきた。
大手商社の調べによると、中国本土での上質コート紙取引価格は6月に1トン7000~7700元(1元=約13円)と5月に比べ200~300元下落した。香港市場の価格にも波及したという。
中国市場では原料パルプの高騰に連動した価格上昇局面で印刷会社や包装材メーカーなどの需要家各社が実需を超えた前倒し調達に動いた。このため「過剰在庫が積み上がり、新規調達は見合わせている。当面は調整局面が続きそうだ」(大手商社)との指摘が多い。
また、4月に米国が中国とインドネシアのコート紙に対する反ダンピング課税を仮決定した影響で、米国向け輸出が急減しているもよう。欧州向けも景気低迷を背景に引き合いが落ち込んでいるという。アジア市場への供給圧力が強まるとの見方が出ている。
中国市場の実需に関しても「やや伸びが鈍化している」(篠田和久・日本製紙連合会会長=王子製紙社長)といい、不透明感が漂ってきた。
日本の大手製紙各社は国内需要の低迷に対応してアジア市場での販売強化の戦略を打ち出している。
だが、アジア市場での需要鈍化や価格下落が進めば、収益面での逆風となるのは必至だ。
(2010年7月22日 日本経済新聞朝刊より)

ジャンル : 洋紙
6.大王製紙、初の海外工場 紙おむつ生産、タイで来年稼動 東南アジア市場開拓
大王製紙はタイに幼児用の紙おむつ工場を建設する。同社初の海外自社工場となり、2011年にも生産を始める予定だ。現地生産でコスト競争力を高め、人口増が見込まれる東南アジアで高級品市場を開拓する。国内市場の伸び悩みを受け、製紙大手の海外展開が本格化してきた。
新工場はタイのチョンブリ県に建設する。当初の投資額は約30億円で、月間生産能力は1600万~1800万枚程度を想定している。11年初めに着工。同年中にも在庫を確保するための生産を開始し、早ければ12年3月から出荷を始める。
アジアでの生産に踏み切るのは、需要が本格的に拡大するとみているためだ。輸出を通じ、代理店など販売網も整ったと判断した。東南アジアの幼児用紙おむつの販売量は月間4億~5億枚と、日本(同6億枚)に比べるとやや少ないが、日本など先進国に比べて普及率がまだ低い。経済成長で購買力の向上も見込め「需要は年率10%以上で成長する」(大王製紙)とみている。
新工場で生産する紙おむつはタイを中心にベトナム、インドネシア、マレーシアなどで販売する。インドなど南アジアでの市場開拓も進める。
販売状況を見ながら、投資額の積み増しを検討する。投資額は120億~130億円、月間生産能力は9000万~1億枚程度まで拡大する可能性がある。
東南アジア市場には現在、日本からの輸出で高級品を投入しているが、輸送費などがかさみ、採算面では苦戦している。タイで生産すれば、日本から輸出する場合と比べ原料や製造、輸送などのコストを20~25%下げられるという。
大王製紙は紙おむつなど家庭紙事業(ホーム&パーソナルケア事業)の売上高を、13年3月期に今期計画比2割増の1600億円に増やす目標を立てている。同事業の海外売上高比率は現在約5%だが、海外生産の開始で13年3月期には約13%に高める。
大王製紙は国内の幼児用紙おむつで約14%と第4位。しかし国内の幼児用紙おむつの市場規模(10年度見通しで約1460億円)は08年度以降頭打ち。アジア市場には日本や欧米の紙おむつメーカーが多く参入している。大王製紙もアジア市場でシェア獲得を狙う。
製紙各社、海外に活路 国内は頭打ち
典型的な内需型産業だった製紙業界が曲がり角を迎えている。王子製紙は中国に紙パルプ工場を建設中。日本製紙グループ本社も海外メーカーへの出資や買収を相次いで決めた。国内市場が頭打ちとなるなか、アジア・太平洋地域を軸に、各社が海外進出を狙う動きが今後も加速しそうだ。
国内紙市場は少子高齢化や出版不況で2000年をピークに減少傾向。米リーマン・ショック後の景気後退からも立ち直っておらず、「早期回復は見込めない」(王子製紙の篠田和久社長)情勢。各社の海外シフトに拍車がかかっている。
王子は中国の江蘇省南通市に総額20億ドルで印刷用紙などを生産する紙パルプ一貫工場を建設中。10年後半~11年初めの稼動を目指している。
日本紙は09年に約360億円で豪製紙3位のオーストラリンアンペーパーを買収。今年6月には中国の段ボール原紙2位、理文造紙公司(L&M、香港)に約420億円を出資した。ただ、アジア各国では欧米メーカーも先行して進出済み。国内各社は技術力をてこに高付加価値品で違いを打ち出す考えだ。
09年の紙と板紙を合わせた生産量は、日本の場合、前年比14.2%減の2627万トンだった。アジア・太平洋地域は市場が拡大傾向にあり、中でも中国は8.3%増で世界最大の8640万トンとなっている。
(2010年7月23日 日本経済新聞朝刊より)

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7.C重油、6~7%上げ JX、王子・東電と合意 4~6月 7~9月は引き下げ
石油元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーは27日、工場のボイラーや発電に使う燃料用C重油の4~6月期価格を1~3月期比6~7%引き上げることで大口需要家の王子製紙と東京電力と合意した。原油の上昇が理由。JXは7~9月期価格を4~6月期より引き下げることも表明した。
JXが王子製紙と合意した一般産業向けの高硫黄C重油(硫黄分3.0%)の4~6月期価格は1キロリットル5万1750円と前期比2800円(5.7%)高い。5四半期連続で値上げ決着した。
JXが東電と合意した電力向けの低硫黄C重油(硫黄分0.3%)価格は1キロリットル5万7770円と同3910円(7.2%)高い。値上げ決着は2四半期連続。両社の合意価格は他の需要家と交渉する際の指標となる。
値決め指標となる3~5月の原油の平均輸入価格は1バレル81~85ドルと前期比3~5ドル上昇した。為替が前期比約1.5円の円安・ドル高となったのも値上げ要因。一般産業向けでは重油のスポット価格上昇も加味した。
JXは4月下旬に一般産業向けと電力向けで9~11%の値上げを表明したが、交渉は難航していた。値上げ表明時に想定したより原油価格が1バレル3ドル程度安かったため、上げ幅は圧縮された。
JXは7~9月期の高硫黄C重油を1キロリットル4万8100円と4~6月期比3650円(7.1%)引き下げると表明した。低硫黄C重油は5万3900円と3870円(6.7%)下げる。製造業や電力会社にとっては前期に上昇した燃料コストの軽減につながる。
7~9月期価格の算定基準となる6~8月の原油価格が前期より1バレル5~8ドル下がると想定した。為替については前期比3円程度の円高・ドル安を見込んでいる。
(2010年7月28日 日本経済新聞朝刊より)

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8.パルプ、国際価格下落 1年半ぶり 中国・北米の引き合い鈍る 国内各社の輸出も減少
高騰していた製紙用パルプの国際価格が約1年半ぶりに下落に転じた。世界最大の需要国である中国で引き合いが鈍ってきたことが響き、北米や中国市場で先行して下げが目立つ。日本向けは横ばいを維持しているが、8月積みは下落観測も出始めた。国内製紙各社の中国向けなどのパルプ輸出も減少に転じている。
大手商社によると、北米大手パルプメーカー各社が北米内の取引の提示価格を引き下げた。指標となる北米産針葉樹さらしクラフトパルプ(N-BKP)は8月分が1トン990ドルと7月分より30ドル安い。約1年半ぶりの引き下げとなる。
日本向けは、7月積みが6月積みと比べ横ばいの920ドルでおおむね決着した。直近安値をつけた昨年4月から今年6月までに70%上昇していたが、高等に歯止めが掛かった。8月積みは下がるとの観測が台頭している。
中国市場で紙、パルプともに買い控えが広がっていることが影響し、パルプメーカーが売り急いでいる。2月の大地震で被害を受けた主産国チリの生産設備が、おおむね復旧したとみられることも背景にある。
中国市場にはこれまでの価格上昇局面での投機的な買いの反動が広がっている。6月以降、業者の間で売り急ぐ動きが広がり、100ドル程度下がるケースが出ているとされる。また、ロシアのパルプメーカーが中国向けで150ドル程度引き下げたとの指摘もある。
仮需の反動に加え、景気悪化懸念の出ている北米のクリスマス商戦向けの製紙輸出が減少するとの警戒感も強い。例年この時期からクリスマス商戦向けのチラシやポスター、出版物向けの需要が高まるが、「需要が出てきたとの声をほとんど聞かない」(国内商社)。
国内の大手製紙各社は中国や韓国などへのパルプ輸出を積極化していたが、減少に転じている。日本製紙連合会のまとめによると、6月のパルプ輸出量(速報)は2万1346トンと直近ピークの3月に比べ36%減少した。「取引が成約しにくくなっている」(大手製紙)といい、7月以降もさらに減少しているもよう。
家庭紙メーカー各社はパルプ高騰を理由に春に値上げを打ち出していた。5月ごろまでに一部浸透したものの、パルプが値下がりに転じたことで今後の完全な浸透は難しくなりそうだ。
(2010年7月29日 日本経済新聞朝刊より)

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9.王子紙は44%増 日本紙は2倍 4~6月純利益
王子製紙と日本製紙グループ本社の製紙大手2社が30日発表した2010年4~6月期連結決算は、純利益が王子紙で前年同期比44%増の83億円、日本紙が2倍の37億円と大幅に増えた。輸出拡大などで売り上げが伸びたほかコスト削減も進展し、原燃料価格の上昇を補った。
売上高は王子紙が1%増の2836億円、日本紙が7%増の2730億円。国内の紙需要は横ばいだが海外出荷が増えた。国内の物流需要の回復で板紙の販売も伸びた。
営業利益は王子紙が25%増の160億円、日本紙が23%増の88億円。生産設備の停止による固定費削減や、生産効率の向上が寄与した。コスト改善が王子紙で59億円、日本紙で27億円の増益要因となった。
(2010年7月31日 日本経済新聞朝刊より)

ジャンル : 洋紙
10.コピー用紙の出荷回復
「コピー用紙の1日当たり出荷トン数が上向いている」と安堵の表情を浮かべるのは大塚商会の大塚裕司社長。景気低迷化で企業が注文を絞り前期は落ち込んでいたが、この6月は前年同月比で1割以上出荷が増えたという。
30日発表した2010年1~6月期の連結決算は純利益が70億円と前年同期比11%増えた。カラーコピー機やパソコンの販売回復が業績を押し上げた。「ビジネスの現場は確かに活性化してきた」と手応えを感じていた。
(2010年7月31日 日本経済新聞朝刊より)

ジャンル : 洋紙
11.大王紙、営業益3割減 4~6月35億円 印刷用紙が低迷
大王製紙の2010年4~6月期の連結営業利益は前年同期比3割減の35億円程度になったようだ。ティッシュなどは順調だったが、チラシ用など印刷用紙の需要が伸び悩んだ。前年同期に比べた販売単価の下落や、原燃料価格の上昇も収益を圧迫した。
売上高は前年同期(1046億円)を下回り、1000億円に届かなかったようだ。ティッシュ、オムツなどの家庭紙の需要は安定しているが、広告向け需要の落ち込みで印刷用紙の出荷は戻りが鈍かった。販売価格が下落したことも売り上げの減少につながった。
原油や古紙など原燃料価格の上昇も重荷だ。業績予想の前提となる原油価格の見通しは、前期より19ドル高い1バレル83ドル。省エネルギー投資などによるコスト削減を進めているが、悪化要因を補いきれなかった。
4~6月期営業利益の4~9月期見通しに対する進ちょく率は4割程度。4~6月期は工場の定期修繕が入るため、進ちょく率が低くなりやすい。
上期と通期の業績予想は据え置く公算が大きい。
(2010年8月3日 日本経済新聞朝刊より)

ジャンル : 洋紙
12.素材・燃料在庫に過剰感 7月末 6品目が増加見通し
素材と燃料の在庫に再び過剰感が出てきた。鋼材や合成樹脂など主要15品目の7月末在庫は6品目が前月比増加し、8品目が横ばいとなる見通し。減少見通しはガソリンのみだった。国内生産が増えたうえ輸出の伸びが鈍ったためで、一部に減産の動きが出てきた。
鋼材は5月中旬から内需が鈍っている。「輸出の伸びも鈍化し、メーカーの国内出荷が早まっている」(加工業者)。ステンレス鋼板では新日鉄住金ステンレスが減産の検討に入った。セメントは長雨で出荷が低迷。「7月の国内出荷は前年比1割程度少ない」(セメント協会)とみられる。
印刷用紙も出版や広告の不振で在庫が増加に転じそうだ。日本製紙連合会がまとめた6月の印刷・情報用紙の国内出荷量は3カ月連続の前年割れ。中国の買い控えで輸出減少観測も強い。樹脂の低密度ポリエチレンとポリプロピレンは国内設備の定期修理が終わり、供給増が予想される。
自動車や電子部品に使う素材の需要は堅調だ。自動車部材などに使う化学繊維の「在庫水準は適正」(日本化学繊維協会)という。アルミニウム圧延品は7月以降の猛暑で缶材用の需要増が見込まれる。
ガソリンは減産で在庫が減る見通しだ。元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーは7月の原油処理量を前年同月比3%削減。出光興産と昭和シェル石油は7~9月の国内向け処理量を前年同期比4~5%削減する。一方、7月のガソリン輸出は前年同時期の4倍以上に増えるとみられる。
素材と燃料の外需をけん引してきた中国景気には不透明感が強い。輸出の伸びが鈍れば原料高を理由とした値上げ交渉に影響する可能性もある。
主要素材・燃料の在庫状況
(▲はマイナス、%。カッコ内は前年同月比)
6月末の
在庫水準
(注)小形棒鋼、薄鋼板、H形鋼、印刷用紙はメーカー・流通在庫の合計。ステンレス鋼板、古紙は流通在庫。その他はメーカー在庫。7月末は日経推定。
(2010年8月5日 日本経済新聞朝刊より)

ジャンル : 洋紙
13.大王紙・三菱紙4~6月 そろって最終赤字 特別損失、重荷に
大王製紙と三菱製紙が4日発表した2010年4~6月期連結決算は、最終損益がそろって赤字となった。紙の需要減少は一巡したが、依然として低水準。資産除去債務会計適用に伴う特別損失の計上もあり、コスト削減で補いきれなかった。
大王紙の売上高は前年同期比8%減の966億円、三菱紙は同2%減の533億円だった。前年同期に比べて販売価格が低下していることも、減収の一因となった。
大王紙の経常利益は52%減の16億円。三菱紙の経常損益は2億5400万円の黒字に転換した。前年同期は6億5500万円の赤字。固定費削減などが奏効した。
11年3月期の予想経常利益に対する4~6月期の進ちょく率は大王紙が15%、三菱紙は6%にとどまる。生産設備の定期修繕が集中したのが原因だ。通期の業績予想は両社とも期初に公表した予想を据え置いた。
(2010年8月5日 日本経済新聞朝刊より)

ジャンル : 板紙
1.マレーシアで王子の事業参画 丸紅、段ボール関連
丸紅は30日、王子製紙がマレーシアで展開している段ボール・板紙事業に参画すると発表した。王子製紙が全額出資する現地の段ボール生産会社の持ち株会社について、その株式の25%を8月にも買い取り、資本参加。素材の調達や販売面を支援する。
マレーシアを含め、東南アジアでは段ボールの需要が急拡大しており、商機があるとして事業に参画する。
王子製紙が今春に買収したマレーシアの段ボール・板紙最大手、GSペーパー・アンド・パッケージング(GSPP)の持ち株会社の株式を取得する。取得金額は公表していない。
GSPPの段ボールの生産規模は年間約2億平方メートルで、2009年12月期の売上高は約150億円。生産分の大半はマレーシア国内向けだが、今後は輸出も検討しており、丸紅は輸出の際の販路開拓も支援する。
(2010年7月31日 日本経済新聞朝刊より)

ジャンル : 板紙
2.レンゴー4~6月 純利益15%増 家電向けが好調
レンゴーが3日に発表した2010年4~6月期の連結純利益は前年同期比15%増の48億円だった。家電製品向けの段ボールが好調だったほか、昨年5月に買収した日本マタイが連結対象になったことも9億円の利益かさ上げ要因になった。資産除去債務会計の適用などに伴う特別損失を吸収、増益を確保した。
売上高は12%増の1201億円、営業利益は19%増の95億円。段ボール箱は飲料や青果物など食品向けは微減だったが、エコポイント制度を追い風に家電向けの需要が拡大した。段ボール原紙も販売数量ベースで5%増えた。
11年3月期通期の連結純利益は前期比12%減の150億円を見込む。「古紙や原油など原燃料価格に先高観がある」(橋本研取締役)として、従来予想を変えなかった。
(2010年8月4日 日本経済新聞朝刊より)

ジャンル : その他 ≪再生資源≫
1.古紙輸出価格、8月積み反落 中国の需要鈍る
製紙原料になる古紙の輸出価格が反落した。指標となる関東製紙原料直納商工組合(東京・台東)の8月積み価格は前月積みと比べ3~4%安い。円相場が対ドルで2~3円上昇したため。一部品目については、中国の製紙会社が調達を抑制したとの見方もある。
8月積みの段ボール古紙は1キロ15.641円と前月比3%安い。新聞古紙は15.83円と4%下落した。製紙用パルプの国際価格が約1年半ぶりに下落に転じたことが、古紙の輸出価格の反落につながったとの見方もある。ただ、両古紙とも需要は堅調で、ドルベースの価格は下がっていない。
雑誌古紙は1キロ13.14円と前月比3%下落した。中国の白板紙の主産地で、廃水規制を目的に中小生産者の操業を一時的に止める措置が実施されたもよう。「8月も同様の規制が実施される」(都内の古紙問屋)との観測が強く、白板紙の原料になる雑誌古紙の輸入が鈍ったとみられる。
(2010年7月30日 日本経済新聞朝刊より)
