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ニューノーマルにこの一品46 APPグループの環境に関する取り組み

【ニューノーマルにこの一品】

 「ニューノーマル」という言葉は新型コロナウイルス下での生活や仕事の新しい様式を表す言葉として使われていますが、近年、私たちの生活や考え方に影響を与え、変えてきたものには、海洋汚染の深刻化による脱プラの動きや、SDGs、ESG、ダイバーシティ等、さまざまなものがあります。
 その、様々なもので形作られる「ニューノーマル」に、紙で貢献できる製品とは、の観点からの取組みをご紹介いたします。

46 APPグループの環境に関する取り組み

 アジアを拠点に紙パルプ、金融、不動産、食料、通信、電力の6事業を基幹としてグローバルな活動を行うシナルマス・グループ。祖業である紙パルプ事業はAPP(アジア・パルプ・アンド・ペーパー)グループが担っており、中国とインドネシアの十数か所の生産拠点で約2,000万トンの紙製品を生産しています。日本での事業活動を受け持つのはAPPジャパン。情報用紙、印刷用紙、産業用紙、特殊紙・紙製品の販売を行うほか、APPグループの環境や社会への取り組みを広く紹介しています。
 同社グループの幅広い取り組みのうち、環境に関する部分をご紹介致します。

社長メッセージ  生産・販売で既にアジア最大級の製紙メーカーであるAPPグループを、社会・環境的側面にも配慮した世界最高峰の製紙メーカーにすることをビジョンとして掲げていると明言。事業・環境・社会面を鼎立した製紙業界のパイオニアになるべく進化していくとしている。
持続可能性ロードマップ
ビジョン2030
 APPは2012年に「持続可能性ロードマップ ビジョン2020」を発表。インドネシア政府の方針に合わせて行ってきた植林地開発優先の方針から、持続可能性優先の方針に軸足を移すことを宣言し2020年までに達成する目標を公開した。「原料調達」、「温室効果ガスの削減」、「生物多様性の保全」、「人権と先住民権利の保護」など、11項目のうち10項目は目標を達成。その後、2020年にはその内容を進化させた「持続可能性ロードマップ ビジョン2030」を発表し、「生産」、「森林」、「人々」という3要素に集約して2030年に向けた持続可能性の目標を掲げている。
森林保護方針  APPは「持続可能性ロードマップ ビジョン2020」をベースとして2013年に「森林保護方針」を発表し、自然林伐採ゼロを誓約。これ以降、同社は自然林を切らずに植林木だけを調達して紙の生産を行い、現在も継続している。品種改良した木を5年周期で収穫するという「紙の畑」を、東京都5個分以上に匹敵する広大な植林地において運営することで自然林伐採ゼロを実現している。
森林火災対策と
地域コミュニティ支援
 APPはインドネシアで毎年乾期に発生する森林火災に対応するために、2,000名を超す消防隊員、10台以上の消防ヘリ、24時間稼働の森林火災モニタールームを設置するなど、大規模な消防体制を整備して2016年以降の管理地域における森林火災の被害を最小限に抑制。さらに、インドネシアにおける森林火災の主因となっている貧しい地域住民による焼き畑をなくすために、焼き畑に頼らない持続可能な農業を支援するDMPA(森林火災防止のための地域活性化)プログラムを440以上の村落に対して実施することで、森林火災の発生件数を大きく減らしている。
「森の再生プロジェクト
 ~いっしょにSDGsに取り組もう!~」
 APPは、自社で管理する森林だけでなく、その周囲の森林も守る「景観レベルの森林保護」を推進するためにベランターラ環境保護基金を2015年に設立。
 日本法人のAPPジャパンは、2020年に「森の再生プロジェクト ~いっしょにSDGsに取り組もう!~」を立ち上げ、用紙の売上の一部をベランターラ環境保護基金に寄付し、ユネスコに指定された「ギアム・シアク・クチル=ブキット・バトゥ人間と生物圏保護区(インドネシア・リアウ州)」周辺の荒廃した自然林に苗を植える活動を推進し、既に5万本以上を植樹している。

 違法伐採や森林火災から森を守るための見守り活動や、コピー用紙の売上の一部をジャワサイなど絶滅危惧種の保護のために寄付する活動(現在は「森の再生プロジェクト ~いっしょにSDGsに取り組もう!~」に進化)など、「温暖化ガス削減」、「生物多様性保護」、「SDGs」といった言葉が一般に周知される以前から、それに当たる活動を同社は地道に続けています。
 日本だけでなく世界中の製紙各社が温暖化ガス削減や循環型経済の実現に長年努力し続けてきている側面をご確認頂ければと存じます。

※上記は2024年11月11日時点で確認できた情報等を参考に華陽紙業にて抜粋・編集しており、その後新たに発表・実施された対策を含んでいない場合があります。

※文章中、敬称略