1. HOME
  2. KAYO NEWS
  3. 【紙のソムリエ】番外編 シート先輩とコマキさんの紙に関する四方山話65 表面加工

KAYO NEWS

華陽ニュース

【紙のソムリエ】番外編 シート先輩とコマキさんの紙に関する四方山話65 表面加工

「お疲れ様、コマキさん。何をみてるの?」
「お帰りなさい、シート先輩。こちらです。」
「お菓子の箱?」
「はい。形も工夫されていますけど、こんなに小さいのに箔押しもされていて、美しいなあってみていました。」
「確かに。全体はニス引きされているうえに、賞味期限のところはちゃんとニス窓加工もされているみたいだ。表面加工の見本みたいなパッケージだね。」
「表面加工?箔押しのことですか?」
「ニス引きもだし、ほかにも光沢コートとか、エンボス加工とか。印刷後に紙表面に施される加工全般のことだね。」

「そもそも印刷後の表面加工って、どういう目的で施すものなのですか?」
「デザイン性の向上と保護のための場合が多いよ。」
「印刷効果を上げたり、箔押しで高級感を演出したり?」
「それは『デザイン性の向上』の側面だね。印刷した面がこすれてインキが落ちたり、紙が破れたりするのを防ぐために施すというのが『保護』の側面。ニス引きやPP加工だと両方の効果が得られたりするよ。」
「ニス引きとPP加工というのは違うものなのですね。見ただけだと、同じように印刷効果が上がってるなあ、としか思わなかったのですが。」
「同じ効果を得るのでもいろいろな加工方法があるからね。よく聞く加工だと

ニス引き 印刷後に同じ印刷機でコーティング剤を塗布し表面をコーティングする技法。光沢剤を使用して艶を出すのが『グロスニス』、マット剤を塗って艶消し効果を得るのが『マットニス』。印刷効果の向上、高級感の演出、すり傷の防止などの効果のほか、コーティング剤を変えることで、耐磨、耐熱、耐水、耐油などの機能を与えることもできる。
UVラミコート 印刷物に紫外線で硬化する樹脂をコーティングし、フィルムを貼ってから紫外線を照射、樹脂が硬化した後にフィルムを剥がすことで表面加工する技法。模様のついたフィルムを使って樹脂に模様を転写し、光が当たるときらきら光るような効果を与えるのが『ホログラム』。
プレスコート 印刷物に熱で硬化する樹脂を塗布し、加熱・加圧後に冷却して光沢を与える技法。鏡面のように輝く艶が得られる。
ラミネート フィルムに接着剤をつけて印刷物と貼り合わせる技法。他の技法より丈夫なため、強度が必要な印刷物などの加工に用いられる。PPフィルムを使う『PP貼(PP加工)』、PETフィルムを使う『PET貼』、両面にフィルムを貼る『硬質貼り』やPETフィルムのなかに内容物を包んでしまう『パウチ加工』等がある。
箔押し 印刷物の上に箔を置き、金型を熱と圧力で押し付けて模様を転写する技法。同じ技法で白を使わないのが『空押し』。印刷物全面よりもスポット的に使うことで美しい模様が得られる。
エンボス加工
デボス加工
紙を表裏両側から金型で挟み、圧力を加えることで型柄をつける技法。浮き上がって見えるのが『エンボス』、へこんで見えるのが『デボス』。

表面に繊維を植えこむ『フロッキー加工』とか、樹脂やニスを使って印刷の一部を立体化する『盛り上げ印刷』なんかも面白いよね。」

「この小さな、こういっては失礼かもしれませんがそれほど高価ではないお菓子の箱にも、そんな技術が複数使われているのですね。ここまでパッケージに気を配っているのだから、味もきっと、と、期待させる効果もありそうです。」
「こういう表面加工ができて、紙としてだけじゃなく、包む内容物や伝える情報の付加価値を上げるお手伝いができるのも、紙の良いところだなあと思うよね。」
「だからでしょうか。最近新発売される紙には、こういった箔押しやエンボスといった加工に向いていますというのを特長にしている紙が増えているように思います。」
「うーん。紙は視覚だけじゃなく他の感覚でも情報や思いを伝えることができるメディアなんだ、っていうことにみんなが気づいて紙に回帰している部分があって、その流れを加速させるような紙を新発売しているっていう好循環・・・だったら良いなあ。」
「そうですね。」
「ところでコマキさん、僕、外から帰ってきたばかりで、ちょっとお腹空いてて・・・」
「はい」
「できればそれ、分けてもらえるとなあ、なんて」
「あ・・・実は、お昼と3時の休憩の時に自分で食べて、たまたま在社だった営業部の人たちにもおすそ分けして・・・なので、この箱・・・・・・」
「・・・カラっとも言わないね。なるほど・・・・・・」
「・・・・・・泣かないで下さいね。その箱、耐水じゃないので」
「・・・・・・」