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華陽ニュース
不定期配信 江戸ネタ 13
今年の大河ドラマ「べらぼう」の舞台、江戸。文化の担い手が特権階級から町民へと広がり、政治に与える経済の影響が拡大するこの時代には、様々な文化や風習が新しく生まれ、現代へとつながっているものもあります。
江戸時代の出版や紙、風習や様々な出来事などについて、小ネタをご紹介致します。
13 「人情本」
「洒落本」は遊里を舞台とする恋の駆け引きを描いたものですが、これに対し、町人の恋愛を描いた本は「人情本」と呼ばれました。主人公を不遇の立場に置いて読者の涙を誘う展開のものもあったそうで、「泣本」とも呼ばれたそう。イケメンの主人公と彼を巡る女性たちの恋の駆け引きが描かれる為永春水作の『春色梅児誉美』は人情本の代表的な作品のひとつで、ベストセラーとなったことから、続編がつくられたり、キャラクターが錦絵として楽しまれたりしたと伝えられています。