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華陽ニュース

不定期配信 江戸ネタ 17

今年の大河ドラマ「べらぼう」の舞台、江戸。文化の担い手が特権階級から町民へと広がり、政治に与える経済の影響が拡大するこの時代には、様々な文化や風習が新しく生まれ、現代へとつながっているものもあります。
江戸時代の出版や紙、風習や様々な出来事などについて、小ネタをご紹介致します。

17 「合羽摺と雲母摺」

 美濃紙などの薄紙を数枚貼り合わせ柿渋を塗って耐水性を持たせたものを「合羽」と言いますが、この合羽を型紙に、絵具を載せたい部分を切り抜き、紙の上に置いて上から絵具を摺り込むことで下に絵を転写する方法を「合羽摺」と呼んでいました。木版とは別の表情を色に与えることができるとして、合羽摺りにこだわった画撰なども出版されたとか。これとは逆に、人物の形に型紙を置いて、型紙がない背景を塗りつぶす技法が大首絵(人物の顔からバストショットをクローズアップして描いた絵)で使われました。雲母を使って背景を塗りつぶす「雲母摺」で、この工夫が江戸っ子たちの注目を集めることになります。