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華陽ニュース
不定期配信 江戸ネタ 21
今年の大河ドラマ「べらぼう」の舞台、江戸。文化の担い手が特権階級から町民へと広がり、政治に与える経済の影響が拡大するこの時代には、様々な文化や風習が新しく生まれ、現代へとつながっているものもあります。
江戸時代の出版や紙、風習や様々な出来事などについて、小ネタをご紹介致します。
21 「地図」
庶民の読み物やガイドブックといった用途の名所図会に対し、地図は地理学者や幕府の役人によって作成され、幕末には安保のため国外への持ち出しが禁じられたものでもありました。地理学者である長久保赤水の名を取って「赤水図」とも呼ばれる「改正日本余地路程全図」は赤水が20年の歳月をかけて完成させた日本地図で、経緯線が入り、木版多色摺りでカラフルに仕上げられています。伊能忠敬の全国測量を基に、北海道を含んだ日本地図となったのが「大日本沿海輿地全図」、その伊能忠敬をバックアップして「大日本沿海輿地全図」を完成させた幕府の天文方役人・高橋景保が1810年に完成させたのが、日本を中心として全世界を描いた「新訂万国全図」でした。イギリスの原図や洋書、間宮林蔵の測量図などを参考に高橋景保は3年をかけて「新訂万国全図」を完成させたと伝わっています。