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華陽ニュース

不定期配信 江戸ネタ 26

今年の大河ドラマ「べらぼう」の舞台、江戸。文化の担い手が特権階級から町民へと広がり、政治に与える経済の影響が拡大するこの時代には、様々な文化や風習が新しく生まれ、現代へとつながっているものもあります。
江戸時代の出版や紙、風習や様々な出来事などについて、小ネタをご紹介致します。

26 「金魚養玩草(きんぎょそだてぐさ)」

 最初は富裕層の鑑賞用として楽しまれていた金魚が、江戸中期、養殖が行われるようになり、町人の趣味として浸透して文化・文政期にブームのピークを迎えます。金魚売りや金魚すくいも現れて夏の風物詩として定着し、歌川国芳の「金魚づくし」のように錦絵にもしばしば登場する画材となっていきました。
 『金魚養玩草』は1748年、大阪堺の安達喜之という人によって著された版本です。人気があったのか追加で摺られたようで版元が異なるものも残されており、金魚の歴史や種類、育て方などについて書かれています。大きさは小本、今の文庫本程度の大きさですので、現代風に言うなら『ポケット図鑑 金魚の飼い方』といったところなのかもしれません。