1. HOME
  2. KAYO NEWS
  3. 不定期配信 江戸ネタ 28

KAYO NEWS

華陽ニュース

不定期配信 江戸ネタ 28

今年の大河ドラマ「べらぼう」の舞台、江戸。文化の担い手が特権階級から町民へと広がり、政治に与える経済の影響が拡大するこの時代には、様々な文化や風習が新しく生まれ、現代へとつながっているものもあります。
江戸時代の出版や紙、風習や様々な出来事などについて、小ネタをご紹介致します。

28 「美濃判が半紙より大きいのは」

 半紙が「半」分の「紙」なのは、手漉きした全紙を半分にしたことからだと言われています。寸法は1尺1寸X8寸、約333ミリX約242ミリの大きさです。
 それに対し、美濃判は1尺3寸X9寸、約393ミリX約272ミリで、通常の半紙より一回り大きいサイズとなります。いったい何故、美濃判は通常の半紙より大きなサイズとなったのでしょう?
 その理由として、「殿様が大きめにつくらせたから」、という説があるそうです。江戸時代、大名は庶民が使う半紙よりやや大きめな半紙をつくらせたそうですが、その大きさ争いは大名同士でも行われていたのだとか。なかでもその争いに力を入れていたのが水戸・尾張・紀伊の御三家だそうで、そのうち尾張家が美濃で漉かせたものが美濃判の始まりとなりました。
 やがて美濃和紙は江戸幕府の公用紙に、美濃判は標準寸法となって現在の四六判の原寸法のひとつとなりますので、この勝負、尾張の勝ち?いえいえ、水戸には「西ノ内和紙」、紀伊には「高野紙」や「保田紙」がありますので、全体的に「紙」の勝利、と言いたいところです。