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紙の市況(2025.9)詳細 9月20日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.特種東海製紙 完全子会社のTTトレーディングの吸収合併を決議

 特種東海製紙は9月11日、同社の完全子会社である株式会社TTトレーディングを吸収合併することを同日開催の取締役会で決議したと発表しました。経営資源を集約し効率的な組織運営を図るとともに、特殊機能分野のさらなる成長・拡大を目的としたものとのことで、合併は2026年4月1日を予定しているとのこと。この吸収合併によりTTトレーディングは消滅会社となりますが、同社の特殊機能専門商社としての機能は特種東海製紙の特殊素材事業本部が引き継ぐと、特種東海製紙は説明しています。
 

【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.レンゴー 「2025日本パッケージングコンテスト」でジャパンスター賞受賞

 レンゴーは9月9日、「2025日本パッケージングコンテスト」で同社関連の5作品が5部門で入賞したと発表しました。そのうち、同コンテストの最高賞である「ジャパンスター賞」を受賞したのは、「巻こう!詰めよう!『フレキシブルシート』」で、

・ミシン刃と罫線で六角形状を連続的に配した段ボール製緩衝シート
・商品を包むと自然に角ばった多面形状になり、クッション効果を発揮
・筒状や円弧状など手で思い通りに変形できるため、様々な用途に使用できる
・エアキャップなどの代替品として使用可能

という特長を持っているとのこと。
 他の4製品も該当部門の包装部門賞を受賞しており、入賞作品は10月3~4日開催の「暮らしの包装商品展2025」にて展示される予定となっています。
 

2.王子HD ボールペン欧州向けパッケージの紙素材に採用

 王子ホールディングスは9月11日、同社の片艶晒クラフト紙がぺんてる株式会社が販売するボールペン「エナージェル」の欧州向けリフィル紙パッケージに採用されたと発表しました。従来のプラスチックパッケージから紙素材100%のパッケージに切り替えることで、全世界で年間約40%のプラスチック使用量を削減できる見込みであり、かつ、今回採用された片艶晒クラフト紙は

・高い平滑性と光沢を持ち、ブランドロゴや製品情報を鮮やかに表現できる
・サステナブルなパッケージと優れたデザイン性の両立で、企業のブランド価値向上に貢献できる

との特長を持つとのこと。今回の対象製品の販売エリアである欧州は包装や包装廃棄物に関する環境規制において先進的な地域であり、脱プラスチックでリサイクル可能な包材へのニーズが高まっているとのことで、王子HDは今後もサステナブルパッケージの開発や木質由来の新素材開発などを進め、持続可能な社会に貢献していくとしています。
 
 
【その他の市況/状況】

1.7月末の古紙在庫が増加

 9月9日付の日本経済新聞紙上にて、7月末の古紙在庫が前月末比で増加したと報じられています。関東製紙原料直納商工組合32社分のまとめによるもので、段ボール・新聞・雑誌3品合計で前月末比9.6%増、最もボリュームの大きい段ボール古紙は同14.5%増となったとのこと。

・国内の段ボール原紙生産の減少
・アジア古紙市況の低迷で輸出減

で出荷が伸び悩んだことが背景と記事では分析しています。
 

2.パルプ 下げ止まりの報道

 9月17日付の日本経済新聞紙上にて、パルプの国際価格が下げ止まってきたと報じられています。8月積みの対日価格は南米産L‐BKPが前月比横ばい、北米産N‐BKPは前月比1%安の微減に留まったとのこと。南米のパルプメーカーが採算改善のため減産と合わせて中国向けの価格を引き上げ、中国の需要家にも一定の需要がみられる状況が日本向け価格にも影響したと記事では分析しています。
 

【ESG、SDGs等関連】

1.四国中央産合成燃料事業が環境省モデル事業に採択

 大王製紙は9月12日、同社を代表事業者、日本政策投資銀行を共同事業者とする四国中央産合成燃料事業が環境省の「令和7年度地域での燃料製造・利活用に関する炭素循環事業モデルの構築に向けたCCUベンチスケール実証等事業」に採択されたと発表しました。四国中央産合成燃料事業は大王製紙や日本政策投資銀行、地元自治体、大学、事業者、金融機関が連携して「紙のまち」四国中央市のカーボンニュートラルに取り組む「四国中央市CN協議会」が策定した、CN達成に向けたロードマップに掲げる取り組みのひとつで、大王製紙が所有するバイオマスボイラー由来のグリーンなCO₂・グリーンな電力を活用し、地元の太陽光・水力等の再エネも利用しつつ、先進的な製造手法を用いて、四国中央産の合成燃料の製造・販売を検討するものとのこと。今回のモデル事業採択を踏まえて、同社は、技術実証を開始し、デモプラントの制作、燃料サンプルの出荷の段階を経て、2030年代中頃を目途に商用プラント建造を目指すとしています。

2.三菱製紙「福島県体験の機会の場」認定更新

 三菱製紙は9月16日、同社が福島県西白河郡西郷村に所有する「村火社有林」と「白河山荘」が福島県から「体験の機会の場」として認定の更新を受けたと発表しました。「村火社有林」と「白河山荘」は同社が体験型森林環境学習の場として2010年に開設したもので、以来、同社新入社員や取引先、近隣住民の皆様や子どもたちなどを対象に自然観察体験や植樹体験などの場として活用されているとのこと。同社は今後も「三菱製紙グループ環境憲章」のもと、生物多様性の維持・保全活動をはじめとし、環境価値を創出し、持続可能な地球環境に貢献していくと表明しています。
 

【印刷、製品、その他関連】

1.日本紙パルプ商事 「SCAJ」に出展

 日本紙パルプ商事は9月17日、世界中のコーヒー関連商品が一堂に会する、アジア最大のスペシャルティコーヒーイベント「SCAJ」に出展すると発表しました。コーヒーやお茶向けの紙製バリア包材や紙製の外装袋などの環境に配慮したオリジナル商材を展示するとともに、企業が環境対応を実現するための選択肢を提案する予定とのこと。イベントは2025年9月24~26日に東京ビッグサイトで開催の予定で、同社は来場を呼び掛けています。
 

※文中敬称略
※文章は2025年9月18日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。