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華陽ニュース
紙の市況(2025.11)詳細 11月10日更新分
【洋紙 国内の紙の市況/状況】
| 1.日本製紙 2026年3月期第2四半期業績発表 |
日本製紙は11月6日、2026年3月期第2四半期(2025年4月1日~2025年9月30日)の連結業績を発表しました。

同日公開した「2025年度第2四半期決算・戦略説明資料」にて同社は、生活関連事業の売上高拡大、Opalの収益改善、日本ダイナウエーブパッケージングの前期の大規模メンテナンスの影響の解消などがプラスに働いたものの、紙・板紙事業の販売数量・売上高は減少と説明しています。
同日発表した2026年度3月期通期の業績予想において同社は、前回発表予想より売上高・営業利益・経常利益・当期純利益を下方修正しており、豪州経済停滞によるパッケージ製品の販売数量の伸び悩みや段ボール原紙の輸出市況の低迷等を勘案したとしています。
| 2.王子HD 2026年3月期第2四半期業績予想を下方修正 |
王子ホールディングスは10月30日、2026年3月期第2四半期の業績予想を前回発表予想より売上高・営業利益・経常利益・純利益すべて下方修正とする新たな予想を発表しました。国内事業は概ね予想並みに推移したものの、海外事業がパルプ等の市況悪化により減益となり、前回予想を下回る見通しとのこと。2026年3月期通期についても精査中ですが、年間配当予想については変更はないとしています。
| 3.王子グループ3社、「第5回サステナブル・マテリアル展‐SASUMA-【東京展】」に出展 |
王子ホールディングスは10月30日、王子ホールディングス、王子マネジメントオフィス、王子エフテックスのグループ3社が共同で、「第5回サステナブル・マテリアル展‐SASUMA-【東京展】」に出展すると発表しました。
同展はサステナブル材料(環境配慮型材料)及びその製造・リサイクル技術に特化した専門展で、王子グループでは「サステナブルパッケージ」「木質由来の新素材」「リサイクルソリューション」をテーマに、
・これまでリサイクルが難しかった素材を再生可能にする企業連携型リサイクルシステム「Renewa(リニューワ)」
・セルロースナノファイバー関連素材
・紙の緩衝材「もぐらっぷ」
・植物由来のポリ乳酸を原料としたフィルム
・紙素材のパッケージ材「シルビオシリーズ」
・森林由来のパルプモールド容器
・アルミ不使用で紙素材ながら高いバリア性・印刷適性を備える蓋材
等、多様な製品・技術開発を紹介するとのこと。
同展は11月12日から3日間、幕張メッセで開催の予定で、同社はぜひブースに立ち寄って、森林資源を活用したサステナブルな製品・技術を体感してほしいと呼びかけています。
【板紙・パッケージに関する市況/状況】
| 1.大王・三菱・北越も包装用紙を値上げ |
大王製紙、三菱製紙は10月30日、北越コーポレーションは11月5日に包装用紙の値上げを発表しました。
| 対象品種 | 包装用紙全般 |
| 改定幅 | 現行価格より+10%以上 |
| 実施時期 | 2026年1月1日納入分より |
| 対象品種 | 包装用紙全般(晒クラフト、晒クラフトコート、両更晒クラフト、ダイヤクラフト等) |
| 改定幅 | 現行価格より+10%以上 |
| 実施時期 | 2026年1月1日出荷分より |
| 対象品種 | 包装用紙(純白ロール紙、片艶晒クラフト、晒クラフト) |
| 改定幅 | 現行製品価格の10%以上 |
| 実施時期 | 2026年1月1日出荷分より |
王子マテリア、中越パルプ、日本東海IPに続く、大手製紙の包装関連値上げの発表となり、各社とも同様の背景で値上げに理解を求めています。
| 2.レンゴー 2026年3月期第2四半期業績発表 |
レンゴーは11月6日、2026年3月期第2四半期(2025年4月1日~2025年9月30日)の連結業績を発表しました。

前年度に実施した製品価格の改定が寄与し売上高・営業利益は増加した一方、為替差損益、持分法投資損益の悪化、前年度の負ののれん発生益の反動等で経常利益、純利益は減少となったとしています。
同社は2026年3月期通期の業績予想を前回発表から据え置いていますが、中期ビジョン「Vision120」で掲げた配当水準に向けた見直しとして、年間配当金を前期実績より10円上回る増配を発表しています。
【その他の市況/状況】
| 1.ENEOS 高硫黄C重油値上げ表明 |
10月31日付の日本経済新聞紙上にて、ENEOSが10~12月期の高硫黄C重油価格を7~9月期比1%引き上げると表明したと報じられています。円安進行が要因とのこと。高硫黄C重油は製紙産業でボイラーの燃料として使用されています。
※文中敬称略
※文章は2025年11月7日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。