TOB開始後に想定される主な動き(8月2日現在)

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日本製紙 北越株を取得(8月5日現在)
製紙業界中堅の北越製紙の株式争奪戦に業界二位の日本製紙グループ本社が加わったことで、首位の王子製紙は敵対的株式公開買い付け(TOB)成立へのハードルが高くなったとして危機感を強め、戦略見直しを迫られている。現在一株当たり800円の買い付け価格の引き上げなどTOBの条件変更に踏み切る可能性もある。 今後の展開を探った。
■過半数は微妙
王子による北越の経営総合案は、TOBで北越株の過半数を握った後、株式交換で完全子会社化を目指すものだ。
しかし、三菱商事が七日、北越から第三者割当増資を引き受ければ保有比率が約24%となる。さらに、日本製紙が10%未満まで取得すれば、三菱商事と日本製紙の合計は約34%。北越の取引先など安定株主がいるところを考慮すると、王子が過半数を取得できるかどうかは微妙な情勢だ。TOBが成立したとしても三菱商事と日本製紙が手を組んで、株主総会の特別決議で拒否権を行使し、経営統合が阻止される可能性もある。ある証券アナリストは「王子は今回のTOBの成立はあきらめて、市場で北越株を買い進め、次の大量保有の機会をうかがうのも手だ」と仕切り直しの展開を予想する。
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