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【紙のソムリエ】シートくんとロール先輩の紙修行 ⑮ 水と油?~一般紙とインクジェット用紙

【今回のお話】
お客様から用紙について相談を受けたシートくん。プリンターの違いで用紙に違いがあることは分かるのですが・・・
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登場人物御紹介

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シートくん
岐阜の印刷会社で働く、若手営業マン。知識と経験の不足を熱意でカバーすべく、今日も元気に紙修行中。たまに空回っていることもあるが、それに気付かないのも、長所の一つ(?)。
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ロール先輩
何かと足りないシートくんを優しく導く、工務の先輩社員。空回っているシートくんに突っ込むべきかどうか悩む日も。
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ブック部長
シートくんやロール先輩の仕事ぶりを温かく見守る営業部長。 130507_palet
パレットちゃん
いつも優しくて可愛い総務の先輩。実は意外に・・・

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「コート紙って、プリンターに通しても大丈夫ですか?」営業から戻ったシートくん、カバンを置くのもそこそこにロール先輩に質問をぶつけます。「いや、えっと、どうしたの、シートくん?」少し面食らいながら、ロール先輩、シートくんに問いかけます。 130610_somu03
130610_somu04 「お客様が商品カタログの試作をしたいんだそうですけど、通るかどうか分からない企画なんで、まず自分のプリンターで刷ってみたいって仰ってるんです。で、少しでも見栄えを良くしたいんでコート紙を使いたいって。でも、普通のコート紙って、家庭用のプリンターに通しちゃダメだったような気がして、その場で返事しないで持ち帰ったんですけど。」シートくんの言葉に納得がいったロール先輩、肯いて更に問いかけます。「それで?お客様のプリンターってレーザープリンター?それともインクジェット?」

「あー、やっぱりそれ要りますよね・・・実は聞き忘れちゃって。」「電話して聞いた方が良いよ。非塗工紙ならまだしも、塗工紙の場合、専用紙を使って頂くにしても、レーザープリンター用とインクジェット用じゃ、全然違うからね。」「少しでも安く上げたいんで、専用紙じゃなくて、一般のコート紙を分けてもらえないかって仰ってるんです。でも、それはダメですよね?」「うーん・・・水と油だからね・・・・・・」「え?そこまで相性悪いってことですか?」「いや、そうじゃなくて、印刷機の問題。」

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130610_somu01 「シートくん、うちの印刷機の殆どはどんな形式?」
「オフセット印刷機です。」
「じゃあ、オフセット印刷機の特徴は?」
「えっと・・・あ、そうか、まさしく『水と油』ですね。湿し水と油性のインキの反発を利用して印刷する仕組みです。」
「水なし平版もあるけど、うちのは湿し水を使うタイプだからね。だとすると、紙に要求される品質は?」
「えっと・・・」

「色々あるよ。水を使うんだから、耐水性は重要。あとは適度に吸水性があることとか、寸法安定性が高いこととか・・・でも、単純に言っちゃうと、油性のインキと相性が良い事が必要だよね。」
「あ、そうか」
「普通、塗工紙の表面は、油性の印刷インキを吸収して、水は弾くように作られているの。」

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「オフセット印刷ならそれで良いけど、インクジェットプリンターの場合はそれが裏目に出る。」「どうしてですか?」「インクジェットプリンターって、ノズルからインクが飛び出して、紙に吸収されることで印刷ができる仕組みでしょ?油性を使うとノズルが目詰まりする危険があるから、インクジェット用のインクは、特に家庭用だと水性が多い。」「じゃあ、一般のコート紙だとインクを弾いちゃうってことですね。」「そういうこと。非塗工紙は良いとして、塗工紙だと、印刷が上手くのらない可能性が高いんだよね。」
130610_somu02「だから、専用紙を使う、と。」「専用紙のコート紙タイプの場合、ベースの紙の上にインクジェットインクを吸収できる受理層がコーティングされてるの。発色度合を高める効果も付与されているから、綺麗な仕上がりも期待できる。あ、でも、注意点が一つ。インクジェット用紙をレーザープリンターやコピー機に使っちゃだめだよ。」「どうしてですか?」「機械の方が壊れるから。レーザープリンターって熱でトナーを定着させるでしょ?その熱でインクジェット紙のコート層が溶けて、ドラムに張り付いたりする。ドラムごと交換になったりしたら、結構おおごとだよ?」「・・・・・」

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「え?あれ?じゃあ、普通の印刷用コート紙も、レーザープリンターには使っちゃダメってことですか?」「それは大丈夫。コート紙って言っても、印刷用コート紙とインクジェット用コート紙は全く別物だからね。でも、まあ、問題が無いわけじゃない。」「何ですか?」「さっきも言ったけど、レーザープリンターは熱が発生するでしょ?その熱のせいで紙の中の水分が気化して水蒸気になる。体積も大きくなる。でも表面はコート層があるから、水蒸気の逃げ場がない。で、膨らんだ水蒸気がコート層を押し上げて、火ぶくれを起こしたみたいな状態になる、と。」「紙がぼこぼこになっちゃう危険性があるってことですね。・・・レーザープリンターの専用コート紙ってあるんですか?」「王子製紙さんのPODグロスコートとか、かな。」

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「やっぱり一般のコート紙を使うのは諦めて頂いた方が良いでしょうか・・・」「まあ、お勧めはしないけど。でも、ちゃんと御説明して、それでも使いたいって仰るなら、自己責任で試して頂いたら?」「自己責任・・・」「給紙しない!くらいのトラブルで済めば良いけど、ひどい時には、ドラムに紙が巻き付いちゃったり、ノズルに傷がついちゃったりして、機械自体が壊れることがあるからね。でも・・・」「でも?」「うちのオンデマンド機、あれ、原理はレーザープリンターだからね。専用紙もあるけど、普通のコート紙だって、ちゃんと印刷出来てるでしょ?それから、簡易校正機の方はインクジェット。こっちはうちは専用紙使ってるけど、普通のコート紙を使う会社もあるって聞いたことあるよ。まあ、家庭用のプリンターで同じことができるかどうかは分からないけどね。」「そうなんだ・・・」「あとは、三菱製紙さんから、オフセット用紙とインクジェット用紙の融合!って銘打った商品が出てるけど、個人のお客様には向いてないかな。」

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二人が話しているところに、肩をもみもみ通りがかったのはパレットちゃん。ロール先輩が声を掛けます。
「どうしたの、パレットちゃん、なんか疲れてるね。」
「今、会社で『印刷マニュアル』作ろうとしてるでしょう?工場の人の手書きの原稿を打ち直してるんだけど、とにかく量が多くてぇ・・・」
ふう、と息を吐きながら、それでも勉強になるよ、と、パレットちゃん、にっこり笑います。
「あ、じゃあ、シートくん、問題ね?お客様に校正を渡す時、気をつけなきゃいけないこと何でしょう?」
「・・・色が合わないこと?」
「・・・正解でーす。なんだ、知ってたんだ。」
つまらなそうなパレットちゃんに苦笑して、ロール先輩が補足します。
「さっきも話してたんだけど、うちの簡易校正はインクジェット。どうしても本機とは色が違うからね。カラーマッチングはするけど、最後は職人さんの勘頼みのところがあるし。」
肯くシートくんの傍らで、パレットちゃん、次の問題を思いついた様子。
「じゃあ、次の問題。使う印刷機によって印圧の調整が必要になりますが、フレキソ印刷の場合の印圧のことを何て言うでしょう?」
「・・・それは知らないです。」
「えへへ、あのね・・・」
・・・って言うんだよ。囁くように言われた言葉に、シートくん、ぽっと赤くなります。
「あらら、意外に乙女な反応。」
「パレットちゃん・・・後輩で遊ぶようになったら、年食った証拠だよ・・・・・・」
「え~ひどい~」
言い争いを始めた二人の傍らで、なかなか赤みの引かない頬をさすりながら、赤くなった本当の理由は絶対二人には知られないようにしよう、と心に誓うシートくんなのでした。

140610_yazirusi_left 【前回のお話】
シートくんとロール先輩の紙修行 14 選挙が得意な紙?~合成紙~ はこちらから
【次回のお話】
シートくんとロール先輩の紙修行 16 『和紙』には『和紙』と『洋紙』がある?~和紙~ はこちらから
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