【洋紙 国内紙の市況】
各製紙メーカーの3月決算処理が終了し、それぞれの数字が次々と発表されています。各社のホームページの数字を比較すると
(金額の単位は百万円。%は、対前期増減率)
となっており、大王製紙を除く3社が減益となっています。いずれも、印刷用紙における国内需要の低迷、輸入紙との競争激化による販売単価の下落、欧州債務問題や中国等新興国の成長鈍化といった海外経済の減速などを、厳しい経済環境の裏付けとして挙げており、円高是正といった明るい兆しはあるものの、紙の国内需要に関しては今後も厳しい状況が続くものと分析しています。 一方、2014年3月期の見通しに関しては
として、王子・日本は増収増益を見込んでおり、増益の要因の一つとして、国内における価格修正の浸透を上げています。
紙・板紙の輸出量が増加していると新聞紙上にて報じられています。円高・ドル安を背景にした輸出の増加は7ヶ月連続で、国内の需給の引き締めに一役買っているとのこと。国内需要の低迷は今後も続くと製紙各社は見ており、輸出を始めとする、海外戦略の拡大が今後も盛んに行われるものと思われます。
王子ホールディングスが、北海道江別市でバイオマス発電を始めると、記事にて報道されています。設備投資額は90億円で、2015年7月の稼働を目指すとのこと。 既に今年2月、宮崎県日南市において同様のバイオマス発電の2015年3月の稼働を目指すと、王子ホールディングスでは発表しており、環境資源を活用した発電事業に力を入れていると記事では伝えています。
3月から4月にかけ、アジア各国で値上げの動きがあり、2月末から動いてきた韓国では値上げが浸透してきたと紙上で伝えられています。原燃料コストの上昇により各製紙メーカーが値上げに動いていると記事では伝えていますが、需要の盛り上がりなどの確固とした背景は無く、今後価格が維持できるかはなお不透明なようです。
レンゴーは5月8日、ハワイで段ボール新工場の建設に着手したことを発表しました。レンゴーのホームページによると、現在ハワイ州には段ボール工場がなく、全量をアメリカ西海岸から海路輸送されているとのことで、新工場の建設が
に寄与するとのこと。地元のみならずアメリカ本土への進出も見据えたこの新工場は2014年半ばの開業を予定しているとのことです。
古紙のアジアでの取引価格が一段と下落していると紙上で報じられています。指標となる米国の中国向け段ボール古紙の輸出価格は、5月現在、3月と比較して10%程度下落しているとのこと。中国が輸入品の選別や検査を徹底して輸入を手控えているとのことですが、中国経済の減速で、板紙など減産が進んでいるとの見方もあるようです。 また、上昇が続いていた製紙用パルプの取引価格でも、成約価格が2ヶ月連続で横ばいになるなど、価格上昇が一段落した感があると伝えられています。こちらも中国の輸入価格が横ばいとなっていることが影響していると見られ、中国国内の景気減速でパルプ需要も減速すると見られていると、記事では伝えています。
トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの店頭価格に下げ止まり感が出ていると報じられています。春先からの値上げ交渉が継続中で、卸値の下落に一服感が出てきているとのこと。安値の家庭紙を利用した特売も、集客効果が薄れてきているとの声もあり、安売りを控える動きも出て来ているようです。
大王製紙は4月25日、かねてより準備中だった、中国におけるベビー用紙おむつの工場建設に着手したと発表しました。生産開始は今年11月を予定しており、現在は日本生産品の輸入で賄っている販売を、来年年初からはコスト競争力のある現地生産品に順次切り替えていくとのことで、将来的には市場拡大が見込まれる大人用紙おむつ事業や、生産拠点の複数化も視野に入れているとのこと。 一方、レンゴーは5月20日、同社の子会社の不織布事業で初の海外展開として、中国江蘇省に不織布の販売会社を設立するとともに現地生産を開始すると発表しました。同子会社の製造している不織布は紙おむつ等衛生用品に使用されるもので、衛生用品分野においても、日本メーカーの海外進出が、今後加速していくのかもしれません。
※文中敬称略 ※文章は新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。
2019-02-08
紙の市況 (2019.2)
紙の市況 (2019.2)詳細 2月10日更新分
バックナンバー
【洋紙 国内紙の市況】
各製紙メーカーの3月決算処理が終了し、それぞれの数字が次々と発表されています。各社のホームページの数字を比較すると
(金額の単位は百万円。%は、対前期増減率)
となっており、大王製紙を除く3社が減益となっています。いずれも、印刷用紙における国内需要の低迷、輸入紙との競争激化による販売単価の下落、欧州債務問題や中国等新興国の成長鈍化といった海外経済の減速などを、厳しい経済環境の裏付けとして挙げており、円高是正といった明るい兆しはあるものの、紙の国内需要に関しては今後も厳しい状況が続くものと分析しています。
一方、2014年3月期の見通しに関しては
として、王子・日本は増収増益を見込んでおり、増益の要因の一つとして、国内における価格修正の浸透を上げています。
紙・板紙の輸出量が増加していると新聞紙上にて報じられています。円高・ドル安を背景にした輸出の増加は7ヶ月連続で、国内の需給の引き締めに一役買っているとのこと。国内需要の低迷は今後も続くと製紙各社は見ており、輸出を始めとする、海外戦略の拡大が今後も盛んに行われるものと思われます。
王子ホールディングスが、北海道江別市でバイオマス発電を始めると、記事にて報道されています。設備投資額は90億円で、2015年7月の稼働を目指すとのこと。
既に今年2月、宮崎県日南市において同様のバイオマス発電の2015年3月の稼働を目指すと、王子ホールディングスでは発表しており、環境資源を活用した発電事業に力を入れていると記事では伝えています。
【輸入紙の市況/状況】
3月から4月にかけ、アジア各国で値上げの動きがあり、2月末から動いてきた韓国では値上げが浸透してきたと紙上で伝えられています。原燃料コストの上昇により各製紙メーカーが値上げに動いていると記事では伝えていますが、需要の盛り上がりなどの確固とした背景は無く、今後価格が維持できるかはなお不透明なようです。
【板紙の状況】
レンゴーは5月8日、ハワイで段ボール新工場の建設に着手したことを発表しました。レンゴーのホームページによると、現在ハワイ州には段ボール工場がなく、全量をアメリカ西海岸から海路輸送されているとのことで、新工場の建設が
・ニーズに沿ったサービスの提供と品質の改善
・TPP締結により期待される物量の増大に対応
に寄与するとのこと。地元のみならずアメリカ本土への進出も見据えたこの新工場は2014年半ばの開業を予定しているとのことです。
【その他の市況】
古紙のアジアでの取引価格が一段と下落していると紙上で報じられています。指標となる米国の中国向け段ボール古紙の輸出価格は、5月現在、3月と比較して10%程度下落しているとのこと。中国が輸入品の選別や検査を徹底して輸入を手控えているとのことですが、中国経済の減速で、板紙など減産が進んでいるとの見方もあるようです。
また、上昇が続いていた製紙用パルプの取引価格でも、成約価格が2ヶ月連続で横ばいになるなど、価格上昇が一段落した感があると伝えられています。こちらも中国の輸入価格が横ばいとなっていることが影響していると見られ、中国国内の景気減速でパルプ需要も減速すると見られていると、記事では伝えています。
トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの店頭価格に下げ止まり感が出ていると報じられています。春先からの値上げ交渉が継続中で、卸値の下落に一服感が出てきているとのこと。安値の家庭紙を利用した特売も、集客効果が薄れてきているとの声もあり、安売りを控える動きも出て来ているようです。
大王製紙は4月25日、かねてより準備中だった、中国におけるベビー用紙おむつの工場建設に着手したと発表しました。生産開始は今年11月を予定しており、現在は日本生産品の輸入で賄っている販売を、来年年初からはコスト競争力のある現地生産品に順次切り替えていくとのことで、将来的には市場拡大が見込まれる大人用紙おむつ事業や、生産拠点の複数化も視野に入れているとのこと。
一方、レンゴーは5月20日、同社の子会社の不織布事業で初の海外展開として、中国江蘇省に不織布の販売会社を設立するとともに現地生産を開始すると発表しました。同子会社の製造している不織布は紙おむつ等衛生用品に使用されるもので、衛生用品分野においても、日本メーカーの海外進出が、今後加速していくのかもしれません。
※文中敬称略
※文章は新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。