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紙の市況 (2015.5)詳細  5月20日更新分

【洋紙 国内紙の市況/状況】

1.製紙各社 2015年3月期決算発表

 5月も半ばを過ぎ、製紙各社の2015年3月期決算の発表が行われています。各社の発表によれば、

メーカー 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
王子HD 1,347,281
+1.1%
46,694
▲24.7%
52,970
▲24.7%
17,344
▲48.7%
日本製紙 1,052,491
▲2.7%
23,656
▲17.1%
23,204
▲17.7%
23,183
+1.8%
大王製紙 450,239
+4.7%
21,796
+35.8%
21,783
+93.5%
13,208
+109.9%
三菱製紙 214,944
+3.6%
1,038
+119.2%
135
+117.4%
▲4,272
(前期は
280百万円の黒字)

(上段:金額。単位は百万円。下段:対前期増減率。▲はマイナス。)

と、大王製紙は増益、王子HD・日本製紙は減益、三菱製紙は営業利益率が低く当期純利益は42億円の損失との結果となっています。
 それぞれの数字について、各社の決算短信では、

王子HD 国内 ・消費増税に伴う前倒し需要反動減の長期化、夏場の天候不順、構造的要因による需要減などが影響。
・段ボール(飲料向け)、感熱紙は堅調。
・輸出向けレーヨン用途パルプの販売を開始、パルプ事業の売上高が増加。
海外 ・段ボール事業(東南アジア)は堅調。
・感熱紙販売は北米・欧州で減少、アジア・南米で増加。
・製紙用パルプは、販売量は前年並み。価格下落により外貨建売上高は減少、円安により円換算売上高は増加。
日本製紙 ・消費増税後の需要減の回復遅れや、円安進行による原燃料価格の上昇が全般に影響。
・新聞用紙は消費税率引き上げ後発行部数落ち込み。
・印刷用紙は国内でチラシ向け・雑誌向けなどが減少。
・情報用紙はPPC・フォーム用紙などで販売数量が減少。
・円安により輸出の販売数量は増加。
・加工食品向け・飲料向け段ボール原紙は堅調。
・家庭紙はトイレットペーパーやヘルスケアなどは堅調も、消費増税前需要の反動減で販売数量は減少。
・夏場の天候不順や牛乳消費の低迷などにより、液体用紙容器事業は販売数量減。
・新設住宅着工数の低迷などにより、木材・建材事業は販売数量減。
大王製紙 ・消費増税後の内需低調、円安の影響による原燃料価格の上昇が影響。
・全社を挙げたコストダウン活動で収益改善。
・ホーム&パーソナルケア事業が成長分野として機能。国内ではベビー及び大人用紙おむつの拡販、アジア市場では、タイ工場の設備増強、中国(南通)工場の立ち上げ、インドネシア生産会社設立など、ベビー用紙おむつを中心とした事業展開を推進。平成26年7月までに新株式発行により資金調達を行い、福島県いわき市の新工場建設、可児工場のティシュー設備拡充、中国での生産能力拡大に充当予定。
・印刷用紙の国内需要は縮小も、高付加価値商品の拡販、品種構成改善等により、販売数量は前年並み。価格修正等により販売金額は増加。
・板紙・段ボールは夏場の天候不順の影響があるも、通販等の需要増や新マシンの稼働により、販売数量は前年並み。価格修正等により販売金額は増加。
三菱製紙 ・消費増税の影響などによる個人消費の低迷、電子媒体への移行など国内紙需要の構造的減少、円安による原材料価格の高騰など、事業環境は厳しい。
・今期は八戸工場分社化、希望退職の実施、コストダウンの徹底等を強力に推進。
・洋紙事業では減産継続や価格修正、イメージング事業や機能材事業では海外販売強化実施。
・固定費削減等により経常利益は前年比増も、希望退職関連や高砂工場生産設備一部休止、繰延税金資産の取り崩しなどで連結当期純利益は4期ぶりの赤字。

と分析しており、消費増税後の需要低迷、構造的要因による紙需要減少、円安による原材料価格の上昇といったマイナス要因に、王子HDは海外、日本製紙は紙関連、大王製紙は生活消費財、三菱製紙は情報用紙関連、などといった、各社の得意分野で対抗策を講じている様子が窺われます。
 合わせて発表されている今期(2016年3月期)の連結決算予想では、

メーカー 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
王子HD 1,530,000
+13.6%
70,000
+49.9%
65,000
+22.7%
34,000
+96.6%
日本製紙 1,060,000
+0.7%
32,000
+35.3%
30,000
+29.3%
15,000
▲35.3%
大王製紙 470,000
+4.4%
23,000
+5.5%
20,000
▲8.2%
10,000
▲24.3%
三菱製紙 223,000
+3.7%
3,500
+237.0%
1,500
約11倍
500

(上段:金額。単位は百万円。下段:対前期増減率。▲はマイナス。)

と、各社、営業利益に関しては増益の予想を発表しています。値上げやコストダウンが本業の収益に寄与するとの見方で、各社とも今期も価格修正、価格維持には強い姿勢で臨んでくるものと思われます。

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2.印刷用紙在庫 漸減傾向

 産業資材・燃料の3月末在庫状況が報じられました。紙に関する部分を抜粋すると、

流通 品種 1月末 2月末 3月末
前月比 判定 前月比 判定 前月比 判定
メーカー在庫 印刷用紙 ▲1% 適正 ▲7% 適正 ▲1% 適正
段ボール原紙 +7% やや過剰 +2% やや過剰 +4% 過剰
流通在庫 印刷用紙 +5% 適正 ▲3% 適正 ▲8% 適正
段ボール原紙 0% 適正 +2% 適正 +8% 過剰

と、印刷用紙は減産や値上げ前需要の関係もあり漸減傾向、対して、段ボール原紙は在庫増が進み、『過剰』判定となっていることが窺われます。印刷用紙の在庫減には、円安で輸入紙が減り国産紙回帰が一部見られること、メーカーの輸出が旺盛であったことなども寄与しているものと思われますが、国内需要が一段落した4月・5月は在庫が増える時期でもあり、需給調整と価格維持の観点からなお減産が行われるかどうか、注視が必要であると思われます。

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3.大王製紙 東京本社を移転

 大王製紙は5月13日、東京本社の移転を発表しました。

・東京本社
・洋紙事業部
・板紙・段ボール事業部
(中央区八重洲)
150318_yazirushi 東京都千代田区のビルへ統合
・ホーム&パーソナルケア事業部
(新宿区早稲田)
実施:2015年9月移転予定

 同社が成長部門と位置付けるホーム&パーソナルケア事業部を本社や主要事業部と同じビルに移転・集約することで、更なる意思統一や意思決定のスピードアップなどを図る狙いがあるものと思われます。
 また、同社は、5月12日には、6月26日付での同社専務取締役・井川英高氏の退任を発表しています。英高氏は同社の経営陣に残っていた唯一の創業家出身者ですが、高齢のため本人から辞退の申し出があったとのことで、今後は顧問に就任することが予定されています。

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4.三菱製紙 現時点での他社との統合を否定

 三菱製紙の板倉取締役専務執行役員が、5月14日の決算会見において、現時点での他社との経営統合について「話はない」と述べたと報じられています。4月1日に同社は北越紀州製紙との販売会社統合の撤回を発表しましたが、厳しい事業環境が続く中、北越との販社統合に代わる一手が必要とされています。今後の方策について同氏は「当面は自社で出来る戦略を粛々と進める」と語ったとのことですが、王子・日本に次ぐ第三極の結成は喫緊の課題として、同社を含めた製紙各社の動向に今後も注目が集まりそうです。

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【洋紙の国外の市況/状況】

1.国際紙パルプ商事 シンガポールに新子会社

 国際紙パルプ商事は5月14日、シンガポールに東南アジア地域事業を統括する子会社を設立することを決定したと発表しました。

商号 KPP ASIA-PACIFIC PRIVATE LIMITED
事業内容 東南アジア地域所在の同社グループ法人の統括業務
設立年月日 2015年6月

 同社は前日の5月13日に、中国・アメリカ・シンガポール・インドの子会社において、取引先の経営破綻や業績悪化などにより取立不能や取立遅延に陥る可能性のある売掛債権が、4社総額・日本円換算で16億2千万円分存在すると発表しています。今回のシンガポールにおける子会社の新設は、東南アジアに点在する現地法人や支店を統括管理し、海外進出のリスクを軽減する狙いがあるものと思われます。

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【板紙の国内の市況/状況】

1.レンゴー 2015年3月期決算を発表

 レンゴーは5月14日、2015年3月期の連結業績を発表しました。

売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
552,671
▲0.1%
5,567
▲60.9%
7,138
▲53.5%
5,718
+54.5%

(上段:金額。単位は百万円。下段:対前期増減率。▲はマイナス。)

との内容で、消費増税や原燃料価格の上昇、夏場の天候不順などで減収減益、価格修正の貢献も限定的でしたが、固定資産譲渡の売却益で当期純利益は増加となったと発表しています。
 2016年3月期の見通しについては、原油安や段ボール事業の採算改善がプラス要因となるものとして、売上高3.7%増、営業利益187.4%増などの増収増益になるものと予想しています。

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【その他の市況】

1.再生トイレットペーパー 値上げが浸透

 再生トイレットペーパーの値上げが浸透したと報じられました。原料である古紙の仕入れコスト上昇を転嫁するもので、5月までに10~15%程度の値上げが大手小売店に受け入れられ、店頭価格にも反映され始めているとのこと。一方、大手の家庭紙メーカーが製造する古紙を使用しないパルプのトイレットペーパーでは値上げが浸透しておらず、古紙物とパルプ物の値段が接近すれば需要がパルプ物にシフト、或いはより割安な輸入品に流れる可能性もあるとのことで、今後のトイレットペーパーの需要動向に注目が集まりそうです。

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2.4月末の古紙在庫が減少

 4月末の古紙在庫が減少したと報じられています。関東製紙原料直納商工組合32社の4月末在庫が前月末比18.3%減、前年同月末比で2.6%減となっているとのこと。例年3月は年度末で発生が増え、4月は発生が抑えられることから在庫は減少する傾向にありますが、紙需要の減少が古紙の発生減につながり価格上昇を呼ぶ、との関係もあり、今後の在庫動向にも注視が必要です。

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3.古紙から水素を作る技術が開発

 大阪市立大学と富山県の富士化学工業が、古紙を分解して発生する糖分を利用して水素を作る技術を開発したと報じられています。糖分+クロロフィル+白金に太陽光を当てることで、光合成と似た反応が起き水素が発生するというもので、従来の方法より安価で出来る可能性が高いと見られているとのこと。まだエネルギー変換効率が低く、集光効率を改善して5年以内に実証実験を始める計画とのことですが、水素は新たなクリーンエネルギーとしてCO2発生率の削減やエネルギー自給率の向上などの観点から国内で注目を集めており、紙の新たな可能性に期待と注目が集まりそうです。
 

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【印刷・製品関連】

1.紙製電池で尿漏れセンサー

 東京理科大の四反田講師らが開発した、尿に含まれる糖分で発電する紙製電池が、日本経済新聞紙上にて紹介されました。同大の板垣・四反田研究室で開発されている、紙を基盤とするバイオデバイス作製の一環で、紙に浸み込ませた酵素が尿を分解、その時発生する電子を紙に印刷した配線で集め、電気として使用できるというもの。大部分が紙に印刷で作れるため作製コストが安価で、尿漏れ検知のセンサーとしての利用から介護側での負担軽減にもつながるとのことで、5~10年以内が目標の実用化に期待が集まりそうです。

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2.大日本印刷 「バイオマテック®」シリーズの電子レンジ用を発売

 大日本印刷は5月14日、植物由来原料のバイオマスプラスチック「バイオマテック®」シリーズの電子レンジ用包装材、「DNP電子レンジ包材」を5月より発売開始すると発表しました。

名称 「DNP電子レンジ包材」
特徴 袋のまま電子レンジで加熱できる食品の包装材に、植物由来原料の「バイオマテック®」を使用した新商品。
従来品比で最大14%のCO2排出量を削減。

 同社は食品や飲料、日用品に使用する包装材を可能な限り「バイオマテック®」シリーズに変えていくとのことで、海外でも注目度の高い同シリーズを普及することで地球温暖化防止に貢献していくことを目指すものとしています。

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※文中敬称略
※文章は2015年5月18日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。

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