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紙の市況 (2015.6)詳細  6月10日更新分

【洋紙 国内紙の市況/状況】

1.フォーム・ノーカーボン 値上げ決着の報道

 6月6日付の日本経済新聞紙上にて、大手印刷会社などが、メーカーからのフォーム用紙・ノーカーボン紙の値上げを受け入れたと報じられています。

製紙メーカー 150318_yazirushi02 大手印刷会社など
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・10%以上の値上げを打ち出し
・円安進行による原材料高が理由
・印刷用紙の値上げが決着し、情報用紙に注力
・「値上げが浸透しないと赤字になる品種も」
・需要が伸び悩んでいる
・「コスト高は分かるが、需給は改善していない」

との交渉から、5~7%程度に圧縮した上げ幅でほぼ決着し、6月以降の出荷分から実施されるとのこと。
 ただ、フォーム用紙やノーカーボン紙の需要は、消費増税後の反動減といった直近の環境による要因に加え、出力用紙の単票化・非複写化、ペーパーレス化等の構造的要因からも減少を続けており、この値上げが需給にどういった影響を与えるか注視が必要です。

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2.王子HD 他、決算説明会資料を公開

 6月末に株主総会を控え各社とも決算説明会資料をサイト上で公開していますが、王子ホールディングスも2014年度決算の概要と、2015年度業績予想、トピックスとして、海外事業や電力事業など、注力する事業分野の今後の展開等を説明会資料にて公表しています。王子HDの資料より抜粋すると、

2014年度決算概要
全容 増収減益。原燃料のコスト増、需要後退などの減益要因をコストダウンと価格修正でカバーするも、2013年度の利益は達成できず。
生活産業資材
(家庭紙、包装紙、板紙、段ボール等)
増収減益。原燃料のコスト増が大きな減益要因。国内では消費増税後の反動減等により販売量が若干減少するも価格修正が増益要因に。海外では段ボール事業が堅調。
機能材
(感熱紙、特殊紙等)
減収減益。国内では2014年9月までに製造所の閉鎖や停機などで生産体制の再編を実施。海外では感熱紙販売がアジア・南米で好調も、北米・欧州で減少。
資源環境ビジネス
(パルプ、木材、電力等)
増収減益。国内ではレーヨン用途パルプの販売を開始、輸出を中心にパルプ販売増。海外ではパルプ価格下落も円安効果により売上高は増加。
印刷情報メディア
(印刷情報用紙等)
減収、営業利益はマイナス。国内で需要低迷により販売減少、原燃料コスト増が減収要因に。
2015年度業績予想
全容 増収増益予想。原燃料のコスト増は引き続き減収要因も、コストダウン、海外事業、販売・市況上昇により増益となるとの見方。
生活産業資材
(家庭紙、包装紙、板紙、段ボール等)
増収増益予想。ミャンマー・インド・ベトナムで段ボール新工場が稼働、或いは稼働予定。子供用紙おむつのリニューアルや家庭紙の新商品が寄与するとの見方。
機能材
(感熱紙、特殊紙等)
増収増益予想。液晶パネル等に使用するフィルムの分野ではUV粘着コーターを新設、販売増やコスト競争力強化に寄与。EV等の自動車のコンデンサ向けフィルムの分野では、2014年12月に販売された世界最薄の2.3μ品を武器に中国・欧州を中心に拡販の予定。
資源環境ビジネス
(パルプ、木材、電力等)
増収増益予想。水力発電所のリフレッシュ工事完了、バイオマスボイラーの本格稼働を受け、2015年度の電力売上高は150億円を見込む。木材分野でも、東南アジアやオセアニアを中心に販促を展開。
印刷情報メディア
(印刷情報用紙等)
増収、営業利益黒字化を予想。2015年9月に富岡工場のキャストコートマシンを1機停機し、生産体制を最適化。中国・南通工場の紙・パルプ一貫工場の稼働が本格的にコスト改善を見せるとの見方。
トピックス
海外事業 ・オーストラリア・Carter Holt Harvey社のパルプ・板紙・パッケージ部門を買収。製袋工場に新ラインを増設し、中国・東南アジアで伸びている粉ミルクなどの需要増に対応。
・中国・南通工場の紙・パルプの一貫生産開始により印刷用紙コスト競争力の向上とパルプ拡販効果が期待。
・パルプ製品の品ぞろえを拡充し、需要拡大地域へ拡販。
・海外パッケージング事業拠点の増加で、需要が伸びるアジア市場等で総合パッケージング事業を目指す。
・紙おむつ事業で中国、インド、未進出の東南アジア諸国などへの販売拡大を図る。
・粘着事業を中心に海外への機能材の販売増を計画。
・感熱事業で中南米やメキシコ等の需要増に対応。
・木材加工事業で、アジア・オセアニアを中心に事業拡大・生産能力増強。
・木材チップよりも燃焼効率の高いパーム椰子殻の調達を推進。 等
電力事業 ・発電事業の拡大。
・電力小売事業への参入。 等
研究開発 ・経営資源(資金・人材)を積極的に投入し体制強化。
・水処理事業の国内強化と海外展開。
・グレーダンや超耐水段ボールの活用による新ビジネス・新用途の開発。
・紙おむつのマーケティングと商品開発。
・王子エフテックス滋賀工場内にアドバンストフィルム研究所新棟が竣工。最新鋭設備で極薄フィルムや新機能性フィルムの開発を促進。
・高機能な粘着関連製品の開発。
・セルロースナノファイバーの連続透明シートの開発、展開。 等
その他 財務戦略、環境経営 等

 王子HDは5月29日、公取委の審査結果通知を受け中越パルプに第三者割当引受を実行、同社への出資比率を20.62%に引き上げ同社を持ち分法適用会社にしたと発表しました。これを機に両社は3分野で共同出資会社を立ち上げ、

O&Cファイバートレーディング株式会社 輸入チップの共同調達会社
O&Cアイボリーボード株式会社 高級白板紙の共同生産会社
O&Cペーパーバッグホールディングス
株式会社
両社の国内外の製袋各社を集約する共同持株会社

と、競争力を高め、成長分野の拡販を行える業務提携を実施すると発表しています。
 国内のみならず世界的に印刷・情報用紙分野の需要が縮小するなか、海外事業や新規分野で着々と収益拡大を狙う王子HDの戦略に、今後も注目が集まりそうです。

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3.印刷用紙・段ボール原紙 在庫状況変化なく

 日本経済新聞調べによる在庫動向が6月3日、同紙上に掲載されています。産業資材全体として『過剰感弱まる』との見出しを同社はつけていますが、印刷用紙・段ボール原紙の在庫状況は横ばいが続いているようです。

流通 品種 1月末 2月末 3月末 4月末
前月比 判定 前月比 判定 前月比 判定 前月比 判定
メーカー在庫 印刷用紙 ▲1% 適正 ▲7% 適正 ▲1% 適正 +2% 適正
段ボール原紙 +7% やや過剰 +2% やや過剰 +4% 過剰 ▲4% 過剰
流通在庫 印刷用紙 +5% 適正 ▲3% 適正 ▲8% 適正 ▲1% 適正
段ボール原紙 0% 適正 +2% 適正 +8% 過剰 ±0% 過剰

 印刷用紙で、定期修理を前にメーカーの在庫積み増しがあったものの、輸入紙の流入減で需給は引き締まっているとメーカーは判断していると報じられています。同時に、印刷・情報用紙の需要が低迷を続けていることも報じられており、「メーカーは在庫調整のため供給を控えているが、需要も落ち込んでいるためそれほど逼迫した状況にはならない」という状態が続いているものと思われます。

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4.日本製紙 「洋紙Planet」構築を発表

 日本製紙は6月2日、同社サイトにて、新システム「洋紙Planet」を構築すると発表しました。

名称 「洋紙Planet」
目的 紙事業の販売強化
対象 印刷・情報・産業用紙
内容 既存システムと連携し、受注した商品の生産の進捗度合いが分かると同時に、製品トレーサビリティを向上させる。
時期 2016年度より導入開始、2017年度までに北海道工場白老事業所、秋田工場、石巻工場、岩国工場、八代工場で運用開始予定

 このシステムにより、顧客にとっては、①顧客が抄造発注した商品の仕上がり具合、入荷時期 ②クレーム発生時の工程チェック 等の回答のスピードアップが、メーカーにとっては顧客満足度向上と業務効率化の効果が期待できるものと思われ、導入の進行状況に注目が集まりそうです。

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【洋紙の国外の市況/状況】

1.日本製紙 理文造紙の株式を追加で売却

 日本製紙は4月24日、理文造紙との業務提携を解消し株式の一部を理文造紙の創業家一族に売却したと発表しましたが、6月1日、創業家一族である同社の会長及びCEOの追加取得の要望に応じ、更に保有株式の一部を売却すると発表しました。

売却株数 200百万株
売却金額 800百万香港ドル
譲渡期日 2015年6月12日

 この売却と4月24日付の売却を合わせて、日本製紙は約106億円を平成28年3月期第1四半期の特別利益に計上するとしており、これにより通期の業績予想に修正が必要となる場合は速やかに開示すると発表しています。

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2.ストラ・エンソ社 イノベーション・センターを新設

 フィンランドのストラ・エンソ社がヘルシンキにイノベーション・センターを新設すると報じられています。革新的なパッケージ・ソリューション開発促進のためとのことで、最初の商品化はミクロフィブリル化セルロース(セルロースナノファイバーの1種)事業が対象とのこと。セルロースナノファイバーは王子HD、日本製紙などの製紙メーカーのみならず、日本国自体が注目の新素材として研究開発促進の対象の一つに挙げている分野であり、年内開設の予定という同社イノベーション・センターの動きに、今後も高い関心が寄せられそうです。

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【板紙の国内の市況/状況】

1.4月の段ボール生産がプラスに

 4月の段ボール生産が速報値で前年同月比2.9%増となったと報じられています。全国段ボール工業組合連合会のまとめによるもので、前年同月を上回るのは半年ぶりになるとのこと。
 ただ、前年同月である2014年4月は消費増税前の駆け込み需要の反動減が見られた時期であり、段ボール生産が本来の意味でプラスに転じたと言えるかどうかは5月以降の実績発表を待たなければならないようです。

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【その他の市況】

1.輸入パルプ 3%高を提示

 6月積みの北米産パルプの対日価格が前月比3%高で提示されていると報じられています。

・機械整備のための休転の影響で供給が減少する
・中国向け販売が好調

と、需給の引き締まりを予想し値上げ姿勢を強めているとのこと。
 一方、国内の製紙メーカーでは、

・円安が進行しており、輸入コストが提示価格以上に上昇している
・輸入パルプを使用する家庭紙などで、最終単価の値上げが進んでいない

等の事情があり、厳しい交渉が展開されるものと思われます。

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2.古紙からバイオエタノール

 関西大学や大阪大学で、古紙や間伐材などからバイオエタノールを効率よく製造する技術が開発されたと報じられています。いずれも特殊な酵母を用いる方法で、製造工程をまとめ、コストを抑えられるものとのこと。

関西大学 古紙などを細かく砕き、酵素と酵母を混ぜることで、従来の半分の日数、従来の3分の2のコストでバイオエタノールを製造することができる。
大阪大学 従来より高温に強い酵母を開発。酵素と酵母を同時に酸で処理した木片と混ぜることができ、セルロースから効率良くエタノールを製造することができる。

 古紙から水素を生成したり、セルロースナノファイバーの高い可能性に注目が集まっていたりと、今後も古紙や木材の新たな可能性に着目した研究が続けられていくものと思われます。

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【印刷・製品関連】

1.凸版印刷 梱包業務の最適化を提案

 凸版印刷は6月1日、梱包業務の最適化を提案するソリューションの提供を開始したと発表しました。

①業務用包装材のデザインや構造を改善、分かりやすく扱いやすい包材を提供する
②現場の作業員の視線や作業動線などを「UD診断士」が診断、ピッキングミスなどのヒューマンエラーを防止し、最適化につなげる

などの内容で、流通業界や物流業界を主な提案先の想定しているとのこと。
 同社はこのサービスを基本料金250万円から提供するとのことで、2017年には10億円の受注を目指すとしています。

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※文中敬称略
※文章は2015年6月9日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。

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