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紙の市況 (2015.9)詳細  9月20日更新分

【洋紙 国内紙の市況/状況】

1.王子・日本・三菱各社 2015年版年次報告書を発表

 9月に入り、王子HD、日本製紙、三菱製紙の各社が年次報告書を公式サイトに掲載しています。業績ハイライトや事業概況、CSR活動の報告などで構成される年次報告書ですが、社長や社員へのインタビューなども盛り込まれ、財務諸表などでは分からない各社の個性や社風などが見える報告書として注目を集めています。
 3社の報告書に共通して、『特集』という項目が設けられていますが、この項目では、各社が今重点的に取り組んでいて、ステークホルダーの関心も高いと思われる事柄が説明されています。

 

王子HD 『価値創造のための重点的な取組み』と題し、イノベーション推進本部の研究開発事業と、働き方の改革を紹介。
研究開発事業では、
 ①水処理技術を応用した、国内外での水インフラ事業の展開
 ②パルプ化技術を応用した、フルフラールと溶解パルプの製造実証を推進
  ※フルラール:セルロース抽出後の残材から得られる有機化合物。
   有機溶剤として使用されるほか、化成品原料・次世代プラスチック原料として
   期待されている。
  ※溶解パルプ:レーヨンや各種化成品の原料となるパルプ。衣料、衛生材料、
   食品添加物などに使用され、需要の増大が期待されている。
 ③セルロースナノファイバーの用途の拡大
 ④炭素繊維と樹脂繊維を混ぜ合わせた不織布複合素材を開発。自動車や家電など用途に合わせた製品開発を実施中。
 ⑤自動車の内装・外装や家電の装飾に用いる加飾フィルムの粘着剤や表面保護材料の研究開発
について説明。
 働き方改革では、業務改革に取組み、女性や外国籍従業員、高齢者、障がい者など、多様な人材の多様な働き方をサポートしてそれぞれの能力が最大限に発揮できる人材運用の取組みについて説明。
日本製紙 『新たな価値の創造』を掲げる第5次中期経営計画(2015~2017年度)を特集。2017年度に営業利益500億円を達成することを目標に
 ①国内洋紙・板紙事業・・・価格とシェアの維持、輸出拡大、産業用紙・段ボール原紙の強化
 ②エネルギー事業・・・現在推進中の事業の確実な遂行、検討中案件の早期具体化、バイオマス燃料の開発
 ③家庭紙事業・・・工場増産や人員強化、商品開発強化などでヘルスケア事業売上高200億円を目指す
 ④ケミカル事業・・・溶解パルプ・機能性化成品の増産、高付加価値商品の拡大、等
 ⑤紙パック事業・・・汎用品のコスト競争力強化や拡販、新商品開発など
 ⑥海外事業・・・合理化やコストダウン、品種転換などを実施
 ⑦現有資産の精査、事業構造転換のためのM&Aなどで資産全体を効率化
 ⑧セルロースナノファイバー関連の人材を補強し、事業化、新市場の創出
と、事業ごとの重点課題への取組みと成長のための投資を行うことを改めて説明。
三菱製紙 特集は「グローバル市場での成長に向けて」と「未来へ飛躍する八戸工場」。
 2015年3月期現在31.1%の海外売上高比率を35%とする目標を設定。機能材事業やイメージング事業、産業用インクジェット印刷機対応商品などで事業拡大と新市場開拓を行い、グローバルマーケットでの成長を目指す。
 また、八戸工場を核として昨年4月に設立された新会社、エム・ピーエム・オペレーション株式会社を担い手として、産業用インクジェット印刷機対応用紙の輸出拡大、薄物板紙の開発や焼却灰等の有効利用、アグリビジネスの検討など、新商品開発・新規事業探索を行うことを八戸のトピックスとして紹介。

 セルロースナノファイバーや産業用インクジェット印刷機、ダイバーシティ推進など、各社今注目のキーワードを駆使した特集ページとなっており、どの分野を成長分野と見て資源を集中しようとしているかが分かりやすい内容となっています。
 
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2.日本製紙 高品質フライアッシュ利用の研究会を発足

 日本製紙は9月15日、同社サイトにて、同社の高品質フライアッシュ「CfFA®」の供給開始に先立ち、利用に関する研究会の設立総会を開催すると発表しました。

フライアッシュ ボイラーなどで石炭を燃焼させた時に生じる灰で電気集塵機で捕集されたもの。JIS規格の品質に合うよう管理されたものだけがコンクリートに混ぜる石炭灰として使用される。
フライアッシュをコンクリートに混ぜることで、温度によるひび割れの抑制、耐久性の向上、長期強度の増進、アルカリ骨材反応の抑制など、コンクリートの品質向上効果が期待できるが、フライアッシュの中に残る未燃カーボンがコンクリートの品質安定剤(AE剤など)を吸着してしまうことや、石炭の種類などにより未燃カーボンの残存具合にばらつきがあることなどが、利用量増大の阻害要因となっていた。
高品質フライアッシュ「CfFA®」 株式会社ゼロテクノの技術により、フライアッシュを加熱して残存する未燃カーボンを一定以下に除去したもの。フライアッシュの品質の均質化も実現。「CfFA®」は「Carbon‐free Fly Ash」の略。
これまでの動き 日本製紙は昨年7月、株式会社ゼロテクノとともに「日本製紙ゼロテクノ東北有限責任事業組合」を設立、石巻工場内で「CfFA®」の生産・販売に向け実証事業を開始。
11月には震災復興事業の一つである国道45号釜石山田道路のトンネル用のコンクリートの混和剤として、「CfFA®」を提供。
研究会の設立 2016年1月予定の本格販売開始を前に、「高品質フライアッシュCfFA®(Carbon‐free Fly Ash)のPCa製品への利用に関する研究会」設立総会を開催。
被災地のコンクリート製品製造企業と連携し、技術データの蓄積、ビジネスモデルの構築の検討を行うことが目的。
(PCa製品=建設現場ではなく、予め専用工場内で製造されるコンクリート製品。プレキャストコンクリート。)
既に8月31日に設立準備会を開催済みで、その際の意見を元に正式な研究会を発足。設立準備会に参加したメンバーの他、セメントメーカー、化学混和剤メーカー、ゼネコンなどの参加を検討。

 設立総会は10月6日、仙台市内で開催予定で、参加希望の場合は9月30日までに申し込みが必要とのこと。この製品はコンクリート製品に長期耐久性や遮塩性の向上といった利点を与え、我が国のインフラの長寿命化に貢献するものであるとして、同社は研究会への多くの方の参加を希望するものとしています。

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3.日本製紙 CNF実用化商品を発売

 日本製紙は9月16日、自社のサイトにて、セルロースナノファイバー(CNF)を用いた大人用紙おむつを10月1日より全国で発売開始すると発表しました。商品は同社グループの日本製紙クレシアが発売する大人用紙おむつの新ブランド『肌ケア アクティ』シリーズで、

・特殊処理により、抗菌・消臭効果のある金属イオンをCNFに大量に保有させた状態でのシート化に成功
・従来品の3倍以上という、超強力消臭機能

との特徴で、使用する人に気持ち良く過ごしてもらえることを念頭に置いた商品となっているとのことです。
 同社は今後もさらにCNFの研究開発に注力し、より広い分野により多くのCNFを供給できるよう取り組んでいくものとしています。

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【洋紙の国外の市況/状況】

1.日本、アメリカ、EUの重袋用クラフトが中国でダンピング嫌疑

 中国において、日本、アメリカ、EUからの未晒重袋用クラフトにダンピングの嫌疑がかけられており、9月15日に聴聞会が行われる予定と伝えられています。中国メーカーが年初に政府に陳情し、既に調査が行われていたとのこと。今回の聴聞会には海外企業、国内企業、川下の製品メーカーに加え、各国の代表も出席する予定とのことで、実際に国産品が損害を受けているかに焦点を当て調査する予定と記事では伝えています。

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【板紙の国内の市況/状況】

1.レンゴーの報告書特集は「レンゴーがもたらす流通革命」

 レンゴーは9月16日、「環境・社会報告書2015」を自社サイトに掲載しました。同社の年次報告書の特集は『レンゴーがもたらす流通革命』となっており、小売店の抱える課題を同社の『RSDP』がいかに解決しているかという内容になっています。

現状 ・ネット店舗との競合で、小売店の実店舗には、広告宣伝、丁寧な接客とともに、購買意欲を促す陳列、タイムリーな商品補充などの面で変革が必要となっている
・店舗のバックヤードには毎日大量の商品が届く。陳列作業には1日の約25%を費やしていると言われるが、人員の拡充は難しい現状
課題 いかに少ない人数で効率的に商品を並べ、手間と時間を掛けずに商品を売っていくか
レンゴーの『RSDP』 RSDP=レンゴー・スマート・ディスプレイ・パッケージング。「運ぶ」「守る」機能に「並べる」「売れる」機能を追加。
「並べる」=多色刷りで識別しやすい見映え、従来の約7分の1の時間で済む開梱のしやすさ
「売れる」=訴求力の高いパッケージ印刷の実現
『RSDP』を支える技術 レンゴー独自規格の「デルタフルート」で、軽くて薄いのに強度があるパッケージを実現。多色印刷ができ、省スペース、環境負荷低減にも役立つ。

 同社仁木開発本部長はインタビュー記事において、小売業で深刻な人手不足という課題解決に貢献し、商品に店舗で作業しやすく売りやすいという付加価値を付ける『RSDP』を社会のスタンダードにしたいと、その抱負を語っています。

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【その他の市況】

1.パルプ物家庭紙価格 値上げ進まず

 家庭紙の8月の店頭価格が前月比横ばいとなったと報じられています。大手メーカー製のパルプのトイレットペーパー、ティッシュペーパーの東京地区の店頭価格が、8月はいずれも前月と同値となったとのこと。

再生紙物 主原料は古紙。メーカーは主に中小。昨年末~年初に15%程度で発表した値上げが5月頃より浸透し始め、現在でも店頭価格は維持。
パルプ物 主原料は木材パルプ。メーカーは主に大手。再生紙物より早く昨年末に値上げを提示するも浸透せず。再生紙物の値上げ浸透を受け、7~8月より10%程度で再度値上げを発表したが、現在のところ浸透していない。

 原燃料価格に関して年初と今では様相が変わってきていますが、それが交渉に影響を及ぼしているのかどうか、今後も価格動向に注目が集まりそうです。

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2.8月の古紙在庫が減少

 8月末の古紙在庫が減少し、低い状態となっていると報じられています。関東製紙原料直納商工組合の8月末在庫は、段ボール・新聞・雑誌古紙合計で前年同月末比4.3%減、前月末比2.7%減、段ボール古紙のみだと前年同月末比11.9%減となっているとのこと。

・8月はお盆の影響で例年古紙の集荷が減る
・今年は8月後半から雨の日が続き、集荷が減少した
・天候不順で青果物の段ボールが減り、段ボール古紙の発生減につながった

などの影響が考えられると記事では伝えています。

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【印刷・製品関連】

1.「an」の紙の情報誌が一部休刊

 無料アルバイト情報誌『an』が一部休刊になると発表されました。全国14地域の発行のうち、

『梅田~なんば 大阪市内版』
『京都・滋賀版』           の関西2誌
9月14日発行号を持って休刊
『東京・銀座・上野~城東・千葉版』
『池袋~さいたま全域版』
『渋谷・港・新宿区~武蔵野・多摩版』
『かながわ全域~新橋・品川・町田・横浜版』 の首都圏4誌
11月23日発行号を持って休刊

とのことで、紙の情報誌を休刊する地域に関してはWeb版に一本化して情報提供するとしています。
 関西3地域・東海3地域・北海道・九州の8地域に関しては今後もフリーペーパーの提供を継続するとのことですが、今回の休刊の理由に関して、9月10日付・12日付の日本経済新聞紙上では、

・印刷や配送のコストを削減し、利用者が増えているネットに投資を集中
・ネットでの情報提供に集約することで、内容を頻繁に更新できる

と説明しており、当面発行を続ける地域でも、紙媒体・ネット媒体の利用状況に応じて今後の存廃を検討するものとしています。

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2.息を吹きかけると絵柄が浮かぶフィルム開発

 凸版印刷は9月11日、湿度に反応して絵柄を表示するフィルムを開発したと発表しました。日本初の湿度応答性カラーフィルムとのことで、

構成 屈折率が異なる膜の組み合わせと、湿度によるフィルムの体積変化(膨らんだり縮んだりする)を制御することで、カラーの絵柄を浮かび上がらせる。
特徴 人間の呼気や周囲の湿度変化に対応して絵柄が浮かび上がる。湿度が下がれば元に戻る。
期待される用途 偽造防止用途、広告宣伝用途 等

 同社は今後も実証実験を進め、2017年3月の実用化を目指すものとしています。

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※文中敬称略
※文章は2015年9月17日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。

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