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華陽ニュース

紙の市況(2020.1)詳細 1月20日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.2019年商品価格騰落率ランキング 洋紙は上昇上位 古紙は下落上位に

 日本経済新聞は12月27日、2019年主要商品100品目の価格騰落率ランキングを掲載しました。産業素材を中心とする100品目全体では米中貿易摩擦の長期化などを背景にした世界的な景気減速が影響し、上昇品目は26、下落品目は42と、市況が停滞している様子がうかがわれますが、紙関連では、洋紙と古紙が上昇・下落それぞれのランキング上位に位置するなど、明暗が分かれた結果となりました。

洋紙 上昇率上位品目として『コート紙』が7位、『上質紙』が8位にランクイン。
・製紙各社の停機などによる供給能力削減や自然災害、事故などによる供給減で需給が締まった
・紙部門の深刻な営業赤字などにより、製紙・流通ともに市況維持の必要性が浸透
等が市況が維持された要因と紙面では分析。
古紙 下落率上位品目として『段ボール古紙』がトップ、『新聞古紙』は4位にランクイン。段ボール古紙は年間で半値以下に下落。
・中国が環境規制強化と景気減速の影響で古紙輸入を大幅に削減
・世界的な景気減速や日本国内の天候不順などにより、梱包用段ボールの需要が鈍化
等により国内の古紙在庫が増加している。
古紙価格低迷が製品である段ボール製品の価格に波及することや、国内古紙リサイクルシステムの停滞などが懸念されている。

 古紙の下落が下押し要因となるとの見方がある一方、製紙各社が古紙リサイクルシステムの維持のため買値を維持することを表明していたり、足元で原油が高騰し今後の製紙各社のコストに影響を与える可能性があることなど市況に影響を与えそうな複数の要因があり、2020年の紙価格も引き続き視線を集めそうです。


2.王子2社 「新機能性材料展2020」出展

 王子ホールディングスは12月29日、グループ会社の王子エフテックスと王子タックが「新機能性材料展2020」に出展することを発表しました。

名称 新機能性材料展2020(「コンバーティングテクノロジー総合展2020」内)
開催日時 2020年1月29日(水)~1月31日(金) 10:00~17:00
会場 東京ビッグサイト 西3、4ホール
王子エフテックス プラスチック代替紙素材の「シルビオ バリア」やヒートシール紙、耐熱ガラスペーパーなどを出展。
王子タック バイオマス材料使用の環境対応フィルムタック「エコマリンタック」や電子レンジ使用OKの「メタルトーンタック」などを出展。

 三菱製紙や大王製紙、北越、特種東海製紙なども同展に出展を予定しており(日本製紙は「JFlex2020」に出展予定)、各種機能紙やフィルムなど、各社の最新の技術や製品などが披露される予定となっています。


【板紙 国内の紙の市況/状況】

1.紙製災害対策用品に注目

 台風や豪雨など天候不順による災害が続くなか、紙製の災害対策用品に注目が集まっています。日本経済新聞などの記事によると、

カワハラ技研 材料のほとんどが紙製の「ほぼ紙トイレ」を発売。個室と便器、タンクなどから成る仮設トイレで、平時はコンパクトに備蓄し、災害時は工具を使わず簡単に組み立てられる。軽い、耐水耐風、屋外設置可能、水道・電気が無くても設置・使用可能、内側から鍵がかかりLEDライトもあって安心 等様々な特長がある。用紙は日本製紙の超耐水板紙とのこと。
梅花堂紙業 ビニール加工された段ボールと発泡シートでできた「養生シート」を発売。クッション性や保護性に優れ、避難所で床に敷く用途を想定している。
段ボール製の簡易トイレも自社サイトで販売。

 気候変動に伴う災害リスクへの関心が高まるなか、各種災害対策用品に今年も注目が集まりそうです。


【印刷・製品関連】

1.紙ストローなど 消費者の7割が「賛成」の調査結果

 プラスチック製ストローの代替として使用される紙ストローなどの導入に「賛成」と考える消費者が7割に上るという調査結果が発表されています。日本経済新聞等によると、

日本製紙連合会 2019年11月1~6日に「紙製品の環境配慮に関する意識調査」を実施。
買い物袋のプラスチック製から紙製への切り替えに関し「賛成」「どちらかというと賛成」が66.6%、そのうちの79.6%が「環境に良さそうだから」を理由に選択。
ストローに関しては「賛成」「どちらかというと賛成」合計が71.8%。反対理由の上位は「飲みづらい」「溶ける」等。
紙が環境に良い素材であると「知っている」「どちらかというと知っている」は74.5%。
ネオマーケティング 2019年12月9~10日に「紙ストローの導入に関する調査」を実施。
紙ストローの導入に関し70%が「賛成」と回答。但し、年代別では70代以上が89%であるのに対し20代では51.3%と、若い層ほど紙ストローの導入に抵抗があるとの結果に。
また、海洋プラスチック問題に関する知識や紙ストローを導入する企業・団体への印象についても、年齢が高いほど知識があり良いイメージを持っているとの回答が多くなり、年代別で差がある結果となっている。

 他の質問からも、海洋プラスチック問題に関心のある層は企業のプラスチック削減の動きに理解を示しており、自分でもごみの分別やエコバッグ・マイボトルの使用などで、生活の中で気軽にできるプラスチック削減への行動を行っていることが示されています。


※文中敬称略
※文章は2020年1月16日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。