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華陽ニュース

紙の市況(2020.7)詳細 7月20日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.印刷用紙 世界で需要減の報道

 7月16日付の日本経済新聞紙上にて、コロナ禍にある世界中でペーパーレスが加速し、印刷用紙需要が一段と減少していると報道されています。コロナウイルス感染拡大の影響により

・企業活動の停滞
・イベント自粛
・旅行自粛
・在宅勤務や学校の休校などでデジタル化がさらに進展

等で、チラシ向けの印刷用紙やオフィス向けのコピー用紙などの需要が減少、日本製紙連合会やRISIの調べによるものとして、

・米国の4月の印刷用紙の生産量は前年比31.3%減
・米国の5~6月の印刷用紙の消費量は3割減
・ドイツの4月の印刷用紙生産量は前年比18.1%減

と、印刷用紙の需要の急減が世界全体でみられると指摘しています。
 印刷用紙の日本国内需要は2割程度縮小したまま回復しないのではないかとする見方も紹介されており、製紙各社は印刷用紙から段ボールや家庭紙などへ新規投資の対象を移していると、記事では伝えられています。


2.「シールドプラス🄬」入浴剤の包材に採用

 日本製紙は7月14日、同社の紙製バリア素材「シールドプラス🄬」が、株式会社マックスが9月に新発売する入浴剤「天使のバスパウダー」の包材に採用されたと発表しました。コスメ向け軟包材用途としては初の採用となるとのことです。新発売される入浴剤は「地球にも、人にもやさしい入浴剤」がコンセプトとのことで、紙包材は地球に、入浴剤は人の肌にやさしい仕様になっていると、商品の特徴が説明されています。
 株式会社マックスは明治38年創業の化粧品メーカーとのことで、企業活動を通じて環境に配慮した貢献ができないかと考えたのが商品開発の背景だとして、今後もコスメ分野での脱プラ推進に積極的に取り組んでいく方針を示しています。


【その他の市況/状況】

1.6月末パルプ価格が下落

 7月11日付の日本経済新聞紙上にて、パルプの6月積みの日本向け輸出価格が下落したと報じられています。北米産針葉樹パルプが前月比3%、南米産広葉樹パルプが同5%の下落とのこと。

・コロナ禍で一時急増した家庭紙の需要が落ち着き。
・経済活動停滞で印刷用紙需要が落ち込み。

等が背景にあるとのことで、7月以降は需要の低迷とパルプ生産コストのせめぎ合いで価格は横ばいとなるのではないかとの見方が多いと紹介しています。


2.家庭紙店頭価格は横ばい

 7月11日付の日本経済新聞紙上にて、6月の家庭紙の店頭価格は横ばいとなったと報じられています。東京紙商家庭紙同業会の調べによるもので、

・3~4月の買い溜めの動きは落ち着いたが、店頭価格は高値を維持。
・買い溜めの反動で5~6月の販売は例年より低かったものの、7月に入り例年通りに回復。

といった状況にあると記事では伝えられています。


【印刷・製品関連】

1.大日本 フルカラーの皮膚に貼れるディスプレイ

 大日本印刷は東京大学と共同で、フルカラーのスキンディスプレイと表示デバイスの製造に成功したと発表しました。同社の公式サイトの記事によると、

スキンディスプレイ 薄型で伸縮性のあるディスプレイ。皮膚に直接貼り付けて使用できる。
伸び縮みする、皮膚に貼り付けられる薄さ、人の動きに追従する状態でフルカラー動画表示、という点で、今回の製造成功は画期的。
表示デバイス 駆動、通信回路、電源を一体化させた装置。スマホなどから送られる画像メッセージを受け取り、皮膚などに貼ったスキンディスプレイに表示できる。
背景 コロナ禍で人同士の物理的な距離が遠くなり、顔色を見るなどの非言語コミュニケーションが難しくなるなかで、相手を身近に感じる効果を期待して、スキンセンサーやスキンディスプレイの開発が進められている。
使い方 遠く離れた人の応援メッセージを自分の体の一部に灯るように表示する、等の使い方が考えられる。

 同社は、相手と感覚情報を共有したり、全世代でスマホなどより容易に情報に到達できるツールとして、スキンエレクトロニクスが優位であるとして、間もなくスキンエレクトロニクスの実証化実験を開始すると表明しています。


※文中敬称略
※文章は2020年7月20日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。