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華陽ニュース
紙の市況(2020.9)詳細 9月20日更新分
【洋紙 国内の紙の市況/状況】
1.日本製紙 抗ウイルス印刷用紙を発売 |
日本製紙は9月10日、抗ウイルス性を持たせた上質紙を新発売しました。同社サイトの発表によると、
商品名 | 『npi抗ウイルス上質』 |
特長 | 金属イオンを付着させたパルプを配合することにより、「抗ウイルス性」「抗菌・消臭」性能を持たせた。 |
注意点 | ①通常の印刷用紙と同様に印刷・加工が可能だが、全ての印刷・加工で抗ウイルス性が維持されるわけではない。 ②医療用途ではなく、あくまでも一般印刷用途の製品。 |
9月10日付の日本経済新聞によれば、飲食店の紙製メニューなどの用途を想定しているとのことで、塗料や薬剤によるものではなく印刷用紙そのものに抗ウイルス性を持たせた製品は珍しいと紹介されています。
【板紙 国内の紙の市況/状況】
1.三菱製紙 抗菌紙の品揃えを拡充 |
三菱製紙は9月11日、抗菌紙の品揃えを拡充すると発表しました。公式サイトに掲載された発表によると、
商品名 | 『三菱抗菌板紙』(白板紙ベース) |
『抗菌クラフト紙FSC🄬認証‐MX』(晒クラフト紙ベース) | |
特長 | ・大腸菌、黄色ぶどう球菌に対する抗菌効果を有する。 ・各種印刷適性、製函加工適性あるいは製袋加工適性を有する。 ・クラフト紙ベースの製品はFSC🄬森林認証紙。 |
時期 | 10月より生産販売開始予定 |
同社は従来より抗菌性を付与した商品の開発を行っており、白板紙ベースの抗菌紙については長年販売を行ってきたと、同社発表で実績が紹介されています。
2.三菱製紙 撥水耐油板紙を発売 |
三菱製紙は9月11日、従来品より耐水・耐油効果を向上させた白板紙を新発売すると発表しました。公式サイトに掲載された発表によると、
商品名 | 『撥水耐油板紙』 |
特長 | 従来販売していた耐水耐油紙の耐水性を大幅に向上、耐油性も向上させ、「撥水耐油板紙」として発売。 |
規格 | 310g/㎡、350g/㎡のL判T目とK判(65X95)T目。巻取品などは別途相談。 |
時期 | 10月より生産販売開始予定 |
同社は開発の意図として、海洋プラスチック問題を背景とするプラスチック削減ニーズへの貢献を挙げています。
3.日本製紙 「SPOPS🄬」を消毒剤用途へ展開 |
日本製紙は9月10日、差し替え式紙パック「SPOPS🄬」の新開発品について発表しました。公式サイトに掲載された発表によると、
製品名 | 『SPOPS Hygiene』 |
特長 | 差し替え式紙パック「SPOPS🄬」の消毒剤特別仕様製品。 ①アルコールや界面活性剤など、非常に浸透性の高い内容液に対応する性能。(個別の内容液への耐性は品質試験が必要) ②詰め替えの手間がない、使いやすさ ③プラスチック使用量を削減 |
時期 | 2020年10月以降の販売を目指す。 |
コロナ禍でニーズが高まる消毒・除菌製品において、今後はその容器の脱プラへの要請が高まると、同社は今回の開発の意図を説明しています。
【その他の市況/状況】
1.家庭紙 8月も店頭価格横ばい |
9月18日付の日本経済新聞紙上にて、トイレットペーパーなどの店頭価格が8月も横ばいだったと報じられています。東京紙商家庭紙同業会の調べによるもので、特売の手控えが続くことが価格が維持されていると、記事では要因を分析しています。
2.タオル用紙の統合準備期間延長を発表 |
特種東海製紙は9月7日、同社子会社である株式会社トライフと、日本製紙子会社の日本製紙クレシアのタオル用紙事業の営業統合について、当初本年10月1日としていた期限を本年11月1日とすると発表しました。商流の変更について準備期間を1か月延長することがお取引先にとって望ましいと判断したためとのことで、従業員の出向については予定通り10月1日に実施するとしています。
【印刷・製品関連】
1.凸版印刷の「地域Pay🄬」が長野県岡谷商工会議所で採用 |
凸版印刷は9月15日、同社が提供する「地域Pay🄬」が長野県岡谷市、岡谷商工会議所の「Okaya Pay」で採用され今年4月より提供を開始したと発表しました。同社公式サイトのニュースリリースによると、
「地域Pay🄬」 | 凸版印刷が2019年5月より提供する、地域限定の決済プラットフォーム。地域におけるキャッシュレス決済やポイント付与を1枚のカードやスマホアプリで実現するもので、 ①特定地域や商店街単位でのポイントをデジタル化。 ②地域内の商店でのみ使えるプリペイド式電子マネーの実現。地域消費の活性化と決済手数料流出の削減に効果。 ③地域住民へのプレミアム商品券や給付金をデジタル化し、地域消費の活性化や発行後の効果検証などを実現。 ④ふるさと納税などの際に地域外にデジタル商品券として販売・配布し、地域外からの誘客を実現。 ⑤マイナポイントと連携。 等の特長・効果発揮が期待される。 |
その他 | 武蔵小山商店街振興組合が運営するプリペイド機能付きポイントカードでも採用され、2020年4月より提供を開始。 |
同社は今後も「地域Pay🄬」をはじめとする決済関連サービスを提供し、2025年度までに100か所での導入を目指すとしています。
※文中敬称略
※文章は2020年9月18日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。