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華陽ニュース

紙の市況(2020.12)詳細 12月28日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.日本製紙のストローレス対応給食用紙パックが初採用

 日本製紙は12月22日、同社のストローレス対応学校給食用紙パック「School POP🄬」が初採用されたと発表しました。同社サイトの発表によると、

「School POP🄬」 日本製紙が今年6月に開発・発売を発表した紙パック。開けやすさ、注ぎやすさ、飲みやすさを向上させ、ストローがなくても児童・生徒が簡単に開封でき、飲める紙パックを実現した。
初採用 高知県に本社を置くひまわり乳業株式会社が、学校給食用牛乳をはじめとした、小型牛乳・乳飲料・乳酸菌飲料の容器として初採用。
ひまわり乳業は高知県内の学校給食用牛乳の紙パックの3分の2程度を供給しており、日本製紙の試算によれば、同地域のストローの使用量が3分の1減少することで、ペットボトル約10万本に相当する樹脂が削減できる計算になるとのこと。
背景 世界的な課題である海洋プラスチックごみの象徴としてプラスチックストローの削減ニーズが高まるなか、「ストローそのものが不要な紙パック」への市場のニーズは高いとの判断から開発。
身近な使い捨てプラスチックを削減することで、幼少期から環境意識を高める効果も期待されるとしている。

 同社は今後も「紙でできることは紙で。」を合言葉に、紙の利用シーンの拡大に努めていくと表明しています。


【板紙 国外の紙の市況/状況】

1.レンゴー ベトナムの板紙メーカーの株式取得

 レンゴーは12月23日、タイの合弁会社を通じてベトナムの段ボール・紙器メーカーの株式を取得したと発表しました。同社サイトの発表によると、

内容 レンゴーのタイの合弁会社タイ・コンテナーズ・グループ社の子会社、TGCソリューションズ社が、ベトナムのビエンホア・パッケージング社の株式94.11%を取得。
ビエンホア・パッケージング社 ホーチミン近郊に段ボール工場2拠点、紙器工場1拠点を有する、段ボールおよび紙器の製造・販売を行う会社。
レンゴーグループ 今回の株式取得により、ベトナムにおいて段ボール工場6拠点、紙器工場2拠点の体制となる。

 11月には王子ホールディングスもベトナムに新段ボール工場を建設することを発表しており、同地域の段ボール需要の拡大を背景に各社の拠点拡大が進んでいます。


【その他の市況/状況】

2.11月の家庭紙店頭価格も横ばい

 12月24日付の日本経済新聞紙上にて、11月の家庭紙の店頭価格が横ばいとなったと報じられています。東京紙商家庭紙同業会のまとめによるもので、特売の動きが一部で広がったものの、下落基調に転じるまでには至っていないと記事では伝えられています。


【印刷・製品関連】

1.凸版印刷 リサイクルフィルム使用の紙パックの販売を開始

 凸版印刷は12月22日、リサイクルフィルムを使用した環境配慮型紙パックの販売を開始したと発表しました。同社サイトの発表によると、

内容 「メカニカルリサイクルPET」を使用したフィルムを採用した紙パックの販売を開始。本格販売は2021年1月からだが、すでに日本酒の紙パックとして採用されているとのこと。
新紙パックの特長 ・通常のPETフィルム使用の場合と比べて、二酸化炭素を24%削減することが可能。
・再生樹脂配合率80%の高さながら、一般と同等の強度、透明性などを実現。
・製造工程においてFSC・PEFC双方のCOC認証を取得しており、「森林認証紙」の使用が可能。
・口栓部分のプラスチックが簡単に分離、分別廃棄できる構造で、リサイクル適性を向上。
「メカニカルリサイクルPET」 使用済みPETボトルを粉砕・洗浄した後、高温で溶融・ろ過などを行って再びPET樹脂に戻したもの。リサイクル樹脂の使用比率で80%を実現。

 同社は今後も「メカニカルリサイクルPET」の用途を拡大し、再生資源の有効活用を行うことで、持続可能な社会の実現に貢献していくとしています。


※文中敬称略
※文章は2020年12月25日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。