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当社経営計画発表会ご来賓のお話 王子製紙様(2017年)

平成29年1月14日 当社経営計画発表会にて

170114_shikyou_ojisama 王子製紙株式会社
中部営業支社 支社長
糟谷 聡彦 様
170114_shikyou_oujisama02

 新年明けましておめでとうございます。
 私は父が愛知県出身で、幼少の頃には祖父を訪ねて再三愛知を訪れていました。就職し愛知に赴任するのは今回が2回目になります。会社では新聞用紙の営業をメインに携わってきましたが、日本製紙連合会の国際担当にも従事していた経験から、今回は日本製紙連合会の活動を通じ、製紙産業の方向性についてお話しさせて頂きたいと思います。

1.2016年の紙業界について

 2016年1~11月の紙の内需に関しては、紙と板紙を合わせた合計が前年同期比99.9%と、ほぼ100%の結果となりました。その内訳は紙が前年同期比▲1.4%、板紙が同1.4%増となっており、紙の減少分を板紙の増加分で吸収した形となっています。
 板紙については、全国ダンボール工業組合連合会より2017年の段ボールの需要予測が史上最高となる見通しも発表されており、今後も堅調に推移するものと思われます。大手メーカートップが段ボールを「隠れた成長産業」と話されていますが、
◎ネット通販の増加
◎高付加価値製品の出現(デザイン、印刷などの性能を向上させ、店頭でディスプレイとしてそのまま陳列できる段ボール製品)
などが好調の背景となっています。
 紙については、2016年は、リオ五輪、伊勢志摩サミットなどのイベントや、韓国の大統領を巡る問題など、新聞・出版を活気づかせる要因がありました。ただ、2017年はこれといったイベントが予定されていません。紙業界に影響を与えそうな要因としては、
◎トランプ米大統領の就任
◎ヨーロッパが選挙イヤーを迎え、保護主義の首長・議員が台頭する可能性
などがありますが、これらは企業活動の委縮につながる恐れも秘めており、注意が必要です。
 紙業界は比較的規模の小さい業界であり、また外的要因を業界がコントロールすることも難しく、我々にできることは、
◎環境負荷低減
◎地域貢献
◎良い製品を作る
ことに尽きるのではないかと考えています。

2.日本製紙連合会について

 日本製紙連合会(以下、製紙連)は日本の製紙会社などで構成される事業者団体で、産業の健全な発展を図るための活動を行っています。一般の方には、各種統計を発表しているだけと思われがちですが、実際にはもっと広範囲な活動を行っており、例えば
◎法規制について・・・製紙連が業界の意見を集約、行政からのヒアリングを受ける、代表として意見を述べる、等の機能
◎業界としての情報発信・・・環境負荷低減など、業界として行っている活動の認知度を上げるため、社会や行政に情報を発信
などがありますが、そのうちのいくつかを御紹介したいと思います。

(1)環境行動計画
 製紙産業は資源循環型産業であり、「森林」「紙」「エネルギー」の有効活用のためのさまざまな努力を重ねてきています。製紙連では「環境行動計画」を制定し、目標数値を設定することで、持続可能な社会の構築に貢献することを目指しています。

①CO2排出量の削減
 低炭素社会の実現のため、CO2排出量の削減を目標に掲げるとともに、2020年までに国内外の植林面積を70万haにする目標を立て実施しています。愛知県の面積が51万haほどですから、いかに広大かお分かり頂けると思います。

②違法伐採対策
 日本の製紙メーカーは海外からの輸入チップを原料としていますので、国内外を問わず違法伐採対策は重要です。製紙連では第三者委員会を設置し、違法伐採対策などを推進しています。

③古紙回収・利用の推進
 製紙連では循環型社会の実現のため古紙利用率を65%まで上昇させることを目標に掲げています。
 日本の古紙回収率は84%と世界でも非常に高い水準にありますが、近年全体の20%を占めるまでに上昇した古紙の輸出が、日本の製紙メーカーの古紙利用状況や価格に影響を与えています。製紙連ではアジア各国の古紙関係者や行政機関を招き、10日程度で日本の古紙回収のシステムに関する研修を行っています。日本の古紙回収システムを学んだ各国が自国で実施して古紙回収率を上げ、日本からの輸出が増え過ぎず、日本での古紙利用や価格に影響を与え過ぎないようになる効果が期待されています。

(2)各国の機関との連携
 日本製紙連合会は国内の紙パルプ業界団体ですが、世界各国の製紙連合会とも連携してグローバルな環境貢献、社会貢献を目指しています。

①アジア紙パルプ会議
 アジア諸国の製紙企業のトップが集まって紙パルプに関する諸問題を話し合う会議を毎年実施、2016年10月には名古屋で開催されました。アジア各国の現在の関心事は環境と古紙リサイクルです。

②国際森林製紙団体連合会
 アメリカ、カナダ、EU、ブラジル、南ア、日本の各大陸代表の製紙団体がリードし、情報交換や諸問題に対する共通認識の形成、業界としての意見表明などを行っています。また2年に1回CEO円卓会議を開催、メーカートップの議論の場を提供。
 今の関心事はやはり需要シュリンク対策ですが、他には環境・温暖化問題、最近は遺伝子組み換え問題なども議題に上がっています。
 木材の遺伝子は長く複雑で、環境への影響評価に長い期間を要することもあり、これまで商業ベースには乗っていませんでしたが、昨年初めてブラジルで遺伝子組み換え樹木が認可されました。従来の樹木に比べパルプの収量が23%増加すると期待されており、今後も病害虫に強いものなど遺伝子組み換え樹木の研究がさらに進むことが考えられます。

③FAO、COPなどとの協力
 世界の食料問題や水危機に取り組む国連食糧農業機関(FAO)や温暖化問題を検討する国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)などと情報交換し、紙パ業界が問題解決にどう取り組んでいるかをPRする活動も行っています。

3.最後に

 製紙メーカーは当然に自国の法制面やルールに則って事業活動を行っていますが、その事業環境を見えないところで整えていることに製紙連が役割を果たしており、それは国内に留まらず他国との連携まで含め広範囲に亘っています。
 業界の利潤追求、安定的発展は勿論とても大切なことですが、その前提として社会全体の持続可能な発展に貢献するという精神が必須。木という再生可能、自然由来の資源を扱う紙パ産業は森林資源をコントロール出来ていれば、まさに循環型社会の発展に貢献する産業だと我々は本気でプライドを持っております。
 紙を扱う仕事に従事する皆様にも是非このことをご紹介したく本日の話とさせていただきました。

 ご清聴ありがとうございました。

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