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華陽ニュース
紙の市況(2021.3)詳細 3月31日更新分
【洋紙 国内の紙の市況/状況】
1.日本製紙 浜松市でリサイクル実証実験 |
日本製紙は3月24日、浜松市で紙容器のリサイクル実証実験を開始すると発表しました。公式サイトの発表によると、
内容 | 日本製紙株式会社と浜松グリーンウェーブ株式会社、特定非営利法人エコライフはままつが協力して実施。リサイクルステーションに回収ボックスを設置し、回収された使用済み食品用紙容器を製紙原料として再使用する、新たな資源化事業に取り組む。 |
回収対象 | 使用済み紙製ヨーグルトカップ、紙製アイスクリームカップ、紙コップ |
実施期間 | 2021年4月1日~2022年3月31日 |
汚れや臭いの問題でこれまでリサイクルされていなかった食品容器のリサイクルシステムを確立することで、焼却ごみを減らすとともに炭素固定にも貢献、また一般消費者の方のリサイクル意識の向上にもつながると、同社はこの試みの意義を説明しています。
2.日本製紙の環境配慮型飲料紙パックが採用拡大 |
日本製紙は3月23日、同社の環境配慮型飲料紙パックが採用された製品が5品目追加され、8品目となったと発表しました。公式サイトの発表によると、
内容 | 同社の環境配慮型飲料紙パックが、伊藤園が今春発売済み、あるいは発売予定の5品目の飲料パックとして採用。 |
特徴 | 同社の環境配慮型飲料紙パックはアルミ箔を使用していないが ・アルミ箔を使用している紙容器と同レベルのバリア性 ・常温流通・長期保存が可能 ・アルミ箔を使用していないため、一般的な牛乳パックと同様にリサイクルが可能 |
アルミ箔を使用した紙容器は使用後焼却処分されることが一般的ですが、アルミレス容器はリサイクルが可能であることから、リサイクル素材の利用を推進する環境方針に合致していると、伊藤園は採用拡大に至った経緯を説明しています。
【板紙 国内の紙の市況/状況】
1.レンゴー 大興製紙の事業再生支援に関する合意書を締結 |
レンゴーは3月26日、かねてより検討を重ねていた大興製紙の事業再生支援に関して取締役会で締結を決議し、同日、大興製紙の管財人と合意書を締結したと発表しました。今後作成される更生計画案が裁判所に認可されることが条件となりますが、条件が満たされれば、大興製紙を完全子会社化し、レンゴーグループの一員として製造・販売を支援して、大興製紙の経営再建と業容拡大を図るとしています。今後の日程として、更生計画案の提出を2021年5月31日、大興製紙の完全子会社化を2021年9月1日に予定していることなども発表されています。
【その他の市況/状況】
1.パルプ価格が上昇 |
3月24日付の日本経済新聞紙上にて、パルプの2月積み対日輸出価格が値上げで決着したと報じられています。北米産針葉樹さらしクラウトが前月比約16%、南米産広葉樹さらしクラフトパルプが同約10%上昇したとのこと。中国の需要が堅調なことや、海上コンテナ不足などで供給が絞られているなどの要因から需給は引き締まっていると、記事では価格上昇の背景について伝えています。
2.C重油価格を引き上げ |
3月27日付の日本経済新聞紙上にて、ENEOSと交渉中だった1~3月期の高硫黄C重油価格が引き上げで決着したと報じられています。高硫黄C重油はボイラー燃料として使用されるもので、2020年10~12月期と比較して23%高で決着したと記事では伝えています。
【印刷・製品関連】
1.トーハンが電子書籍大手と提携 |
3月25日付の日本経済新聞紙上にて、出版取次大手のトーハンが電子書籍流通大手のメディアドゥと資本業務提携を結ぶ方針であると報じられています。記事や、同日発表のトーハンのニュースリリースによると、
内容 | トーハンとメディアドゥが2021年3月25日付で資本業務提携契約を締結。互いに約30億円を出資して株を持ち合い、メディアドゥはトーハンの筆頭株主となる。 |
業務提携 | 地域書店で紙の本と一緒にデジタルコンテンツも販売するという、トーハンが構築を目指す新事業を、メディアドゥが支援する。メディアドゥが推進・開発する新サービスを活用した提携も検討する。 |
メディアドゥのニュースリリースによれば、紙の出版物の販売を担ってきた書店を、紙の出版物とデジタルを組み合わせた「新しい体験」を提供していく場に発展させることを目指すとのことで、出版界全体でのさらなる変革への動きに注目が集まりそうです。
※文中敬称略
※文章は2021年3月29日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。