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華陽ニュース

紙の市況(2021.6)詳細 6月30日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.大王、丸住 「四国中央市カーボンニュートラル協議会」を設立

 大王製紙、丸住製紙、日本政策投資銀行は6月21日、『四国中央市カーボンニュートラル協議会』を設立したと発表しました。大王製紙の公式サイトに掲載された発表によると、

目的 カーボンニュートラルの実現に向け、多くの紙関連企業が立地する四国中央市の面的なエネルギー転換を検討していくため。
背景 ・大王製紙、丸住製紙とも、主力工場を四国中央市に有する。これまでも様々な環境配慮の取り組みを続けてきたが、現状、化石燃料を一定量使用せざるを得ない状況にあることや国の「2050年に温暖化ガス排出ゼロ」宣言などから、更なるエネルギー転換、二酸化炭素排出量削減が必要とされている。
・四国中央市は「パルプ・紙・紙加工品製造業」の製造品出荷額等において全国1位の製紙産業集積地。カーボンニュートラルに関して地域で連携して取り組むことが効果的と考えられる。
協議会の構成 大王製紙・丸住製紙を会員として発足。四国中央市や愛媛県等はオブザーバー、日本政策投資銀行グループが事務局。
会員は四国中央市に事業所を有するエネルギー需要家の幅広い参加を想定。
第1段階の取り組み 四国中央市におけるエネルギー消費状況や二酸化炭素排出状況の把握、最新の技術動向や政策等に関する情報収集を行い、脱炭素に向けた四国中央判のロードマップを作成することを計画。

 同協議会への入会申込と第1回協議会の開催概要も掲載されており、第1回協議会は講演会が予定されていると発表されています。


2.王子HD 「SOMPOサステナビリティ・インデックス」構成銘柄に選定

 王子ホールディングスは6月22日、SOMPOアセットマネジメント株式会社が運用する「SOMPOサステナビリティ・インデックス」の構成銘柄に3年連続で選定されたと発表しました。同インデックスはESGの評価が高い企業に幅広く投資する機関投資家などに向けた、ESGに優れる約300銘柄で構成されるもので、毎年見直しが行われており、王子HDのESGへの取り組みが評価されて選定されたと同社は経緯を説明しています。
 同社は「環境・社会との共生」という経営理念の達成に向け、今後も様々な取り組みを通して「持続可能な社会の実現」に取り組んでいくと表明しています。


【板紙 国内の紙の市況/状況】

1.日本製紙 ノルウェーのパッケージ会社の一部株式を取得

 日本製紙は6月22日、Elopak ASAが新規公開した株式の一部を取得したと発表しました。Elopakはノルウェーに本社を置く液体紙容器事業会社で、日本製紙とは1989年に取引を開始、2016年には新製品に関するライセンス契約を締結するなど、30年以上にわたって関係を深めてきたとしています。今般の日本製紙の資本参加により両社はこれまで以上に協力して「脱炭素社会」に向けた動きを加速させ、競争力のさらなる強化に取り組んでいくと、同社は説明しています。


【その他の市況/状況】

1.大王製紙 効果的なマスクのつけ方動画を公開

 大王製紙は6月23日、エリエールブランドのサイトにてより良いマスクのつけ方を説明する動画を公開したと発表しました。同動画を視聴することで、より良いマスクのつけ方と、外部の粒子がマスク内に入る割合、「富岳」が計算した効果などが学べるとのこと。より良いマスクの装着方法を身につけ、感染予防や感染拡大防止に役立ててほしいと同社は動画制作の狙いを説明しています。


2.5月末古紙在庫が減少

 6月24日付の日本経済新聞紙上にて、関東製紙原料直納商工組合の5月末の古紙在庫が前年比15.5%減となったと報じられています。コロナ下で大型店舗などからの段ボール古紙の発生が減っていると記事では伝えられています。


【印刷・製品関連】

1.凸版、古紙由来のバイオ燃料で協議を開始

 凸版印刷は6月14日、古紙を原料としたバイオエタノール事業の立ち上げについてENEOS株式会社と協議を開始したと発表しました。同社サイトに掲載された発表によると、

役割分担 ①凸版印刷が古紙を回収ルートを構築、バイオエタノール製造を可能にする古紙の前処理までを担当。
②ENEOSが最適なプロセスを開発し、バイオエタノールを製造。当該製品を活用した環境配慮商品の開発も担当する。
想定原料 通常の古紙及び難再生古紙(防水加工紙、ノーカーボン紙等)、シュレッダー紙。
将来的には他のセルロース系廃棄物の使用も検討。
想定される利点 ・製造・販売するバイオ燃料は植物由来であるため、二酸化炭素排出量が少ない燃料として環境負荷の低減が期待できる。
・古紙由来であるため、可食原料由来のバイオエタノールなどと比較し、食糧との競合の回避や、天候に左右されない安定的な原料確保が期待できる。

 古紙由来のエタノールの連続生産プロセスは、実現すれば前例のない取り組みであるとして、同社は2027年以降の事業化を目指し検討や検証を進めていくと表明しています。


※文中敬称略
※文章は2021年6月28日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。