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華陽ニュース
紙の市況(2021.10)詳細 10月31日更新分
【洋紙 国内の紙の市況/状況】
1.王子HD 4~9月営業益倍増の報道 |
10月22日付の日本経済新聞紙上にて、王子ホールディングスの2021年4~9月期の連結営業利益が前年同期比2.1倍前後となったことが分かったと報じられています。記事によると、
・中国や欧米などの経済再開を受け、東南アジアの家電や自動車等製造業が持ち直し。梱包用途の段ボールや段ボール原紙の販売が増加。
・中国などの製紙会社に販売するパルプが値上がり。
・石炭や石油といった燃料価格の値上がりはバイオマスなどへの転換で抑制。
といった要因が背景にあるとのこと。
一方で10月以降の下期業績には、デルタ型流行による家電・自動車の部品供給網の混乱や夏以降のパルプ価格の下落基調が影響するのではと懸念も示されています。
この報道に対し王子ホールディングスは、報道は同社が発表したものではなく、2022年3月期第2四半期の連結業績は11月2日に発表予定であるとしています。
2.日本製紙ストローレス牛乳パックが首都圏で初採用 |
日本製紙は10月21日、同社のストローレス学乳容器が首都圏で初採用されたと発表しました。同社サイトの発表によると、
内容 | 同社が製造販売するストロー不要の学校給食用牛乳紙パック『SchoolPOP』がトモヱ乳業の供給する学校給食用牛乳容器として採用。2022年4月より首都圏の給食で使われる予定。『SchoolPOP』の採用は全国で4件目、首都圏では初。 ※『SchoolPOP』は同社の登録商標。 |
評価された点 | ・ストロー不要でプラスチック使用量を低減。 ・学校での環境教育に実践材料として活用できる。 ・従来通りストローの使用も可能で、様々な要因でストローを使用する場合にも無理なく対応できる。 |
『SchoolPOP』は乳業メーカーだけでなく地方自治体、教育委員会、環境関連NPOからの反響・問い合わせも多く、採用が内定している地域もあり、今後生産を拡大していく予定であると同社は発表しています。
【板紙 国外の紙の市況/状況】
1.中国向け段ボール原紙輸出価格が上昇 |
10月26日付の日本経済新聞紙上にて、段ボール原紙の輸出価格が上昇していると報じられています。記事によると、
上昇幅 | 主力の中国向けは1か月で5%上昇。前年同期比の上昇率は2割。 |
背景 | ・環境規制のため中国政府が古紙の輸入を禁止。代わりに製品である段ボール原紙の輸入が増加。 ・中国で電力不足のため製紙会社の一部が操業を停止し、供給が減少。 ・新型コロナ感染再拡大で東南アジアからの中国向け輸出が減少。不足分を日本から高値で調達。 ・コンテナ不足などによる海上運賃の上昇分を輸出価格に転嫁。 ・中国国内メーカーは品不足を背景に段ボール原紙を値上げ。 |
といった要素により需給の逼迫などから価格が上昇していると分析されています。
日本では原料古紙の不足により輸出量を増やしにくい状況があり、製紙各社は生産を調整して輸出を抑えているとのことですが、輸出価格の上昇が日本の国内価格を支える可能性もあると記事では指摘しています。
【その他の市況/状況】
1.段ボール古紙が上昇基調 |
10月14日付の日本経済新聞紙上にて、段ボール古紙の国内価格の上昇基調が続いていると報じられています。
・通販用の段ボール需要が堅調。
・天候不順で野菜輸送が鈍化、半導体不足で自動車が減産、等の影響により古紙の発生が減少。
・コロナ禍による古紙回収作業の停滞。
等で需給が逼迫し、秋冬の需要期を迎え安定供給に不安があるとの古紙問屋の声も伝えられています。
原料古紙の価格上昇が収益を圧迫すれば製紙会社は値上げも視野に入れる局面ですが、各業界の輸送コストが上がれば経済回復に影響が出る可能性もあり、製紙各社は厳しい判断を迫られると記事では指摘しています。
【印刷・製品関連】
1.アマゾンで紙の書籍の個人出版が可能に |
10月21日付の日本経済新聞紙上にて、アマゾンジャパンが紙の書籍の自費出版サービスを開始したと報じられています。記事などによると、
内容 | 10月19日より、アマゾンの自費出版サービス「Kindle ダイレクト・パブリッシング」で、紙の書籍が自費出版できるサービスを開始。個人が出版社などを通さずに漫画や小説などを出版し、アマゾンのサイトで販売できる。 |
手順 | 専用サイトにアカウントを作成し、書籍の情報や権利に関する条項など必要事項を登録。本の代金は印刷費を上回る金額で著者自身が決められる。 |
本は注文に応じて印刷・製本・配送される仕組みで、これまで電子書籍のみだった個人出版サービスを紙での出版にも広げる内容となっています。
※文中敬称略
※文章は2021年10月27日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。