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華陽ニュース
紙の市況(2021.11)詳細 11月20日更新分
【洋紙 国内の紙の市況/状況】
1.大王・三菱なども値上げを発表 |
日本製紙の11月4日の発表をはじめとして、製紙各社が価格修正を発表しています。11月17日時点の発表をまとめると、
メーカー | 対象製品 | 値上げ幅 | 実施時期 |
日本製紙 | 印刷用紙 情報用紙 産業用紙 |
現行価格+15%以上 | 2022年1月1日出荷分より |
三菱製紙 | 印刷用紙全般(上質紙、塗工紙、微塗工紙 他) 情報用紙全般(ノーカーボン紙、感熱紙、PPC用紙、フォーム用紙 他) 白板紙全般(高級板紙、特殊板紙 他) |
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丸住製紙 | 印刷用紙全般 情報用紙全般 |
現行価格+15円/kg以上 | |
大王製紙 | 印刷用紙全般 情報用紙全般 |
現行価格+15%以上 | 2022年1月21日出荷分より |
エム・ビー・エス | 富士フイルム感圧紙(平判・巻取)全品種 |
値上げによりデジタル化がさらに加速することを懸念する声もあると、11月13日付の日本経済新聞紙上では伝えられています。
2.製紙各社 決算出揃う |
2022年3月期第2四半期(2021年4月1日~2021年9月30日)の製紙大手各社の業績発表が11月12日、出そろいました。各社が公式サイトに掲載している決算短信によると、
イベント関連需要の回復や段ボール需要の堅調、パルプ価格の高騰などが奏功し、王子HD、レンゴー、北越コーポレーション3社の純利益は同期間で過去最高、大王製紙は過去2番目の高水準となったと、11月13日付の日本経済新聞紙上にて報じられています。
3.中越パルプ マシンの停機と家庭紙マシン新設検討を発表 |
中越パルプ工業は11月17日、高岡工場6号マシンの停機と、家庭紙マシンの新設の検討を開始することを発表しました。公式サイトの発表によると、
【停機する設備】
停機設備 | 高岡工場 6号抄紙機 |
主要生産品種 | 上質紙、情報用紙、晒クラフト紙 |
生産能力 | 255トン/日 |
停機日 | 2022年9月末予定 |
【新設を検討する設備】
設置場所 | 高岡工場 |
主要生産品種 | ティッシュペーパー原紙、トイレットペーパー原紙、タオルペーパー原紙 |
生産能力 | 約22,000トン/年 |
生産開始 | 2023年12月予定 |
同社は同日、2021年度をスタートとする新しい中期経営計画の策定・実施を発表し、主要な計画の一つとして既存事業の構造転換を挙げています。
【板紙 国内の紙の市況/状況】
1.日本製紙 SPOPSで日用品ブランドと連携 |
日本製紙は11月17日、日用品ブランドyousualを展開するyousual株式会社と連携し、SPOPS事業を拡大することで合意したと発表しました。公式サイトの発表によると、
yousual | 製造、配送、使用、廃棄の段階を通じて、サステナブルで環境に優しい製品・製造プロセスにこだわる日用品ブランド。日本製紙が生産協力する紙製容器の使用により、プラスチック使用量を従来型プラスチックボトルに比べて80~90%程度削減する。 |
連携内容 | ・yousual株式会社が取り扱う全液体製品(シャンプー・コンディショナー・ハンドソープ・ボディソープ・洗濯用柔軟剤・洗濯用洗剤)の容器としてSPOPSを採用。2021年11月より自社ECサイトなどで販売開始予定。 ・SPOPSの販売拡大へ向け、両社共同で消費者マーケティングの戦略検討と推進を実施。 |
SPOPS | 日本製紙が製造・販売する紙製液体差し替え容器。「SPOPS」は同社の登録商標。 |
yousual株式会社のマーケティングに関する知見と、日本製紙の技術的な知見やサポートの連携で、SPOPSの事業拡大を目指すと、日本製紙は連携の意図を説明しています。
【その他の市況/状況】
1.北米産パルプが下落 |
11月12日付の日本経済新聞紙上にて、北米産パルプの日本向け価格の下落が鮮明になっていると報じられています。10月積み価格は前月比5%下落、半年前に比べると2割弱下落しているとのこと。
・共産党100年記念行事が終わり、関連出版物用の紙需要が減少
・義務教育向け学習塾の新規制で、テキストや配布資料など関連需要が低迷
・コロナ禍で外出が減り、ホテルや商業施設などでの家庭紙需要が減少
・電力不足で工場の稼働が低迷
等の要因から中国でパルプや紙製品の需要が急減しており、今年の春先に急上昇したパルプ価格が急落していることが日本向け価格にも影響を与えていると、記事では分析しています。
2.再生トイレットペーパーの価格が下落 |
11月18日付の日本経済新聞紙上にて、10月の家庭紙店頭価格のうち、再生トイレットペーパーの価格が前月比で10円程度下落したと報じられています。東京紙商家庭紙同業会のまとめによるもので、パルプ製のシェアが伸びたことで再生物の需給が緩んだことが背景とする家庭紙卸の声が、記事では紹介されています。
3.カセイソーダ 値上げ広がる |
11月6日付の日本経済新聞紙上にて、カセイソーダメーカー各社が値上げを表明していると報じられています。東ソーや信越化学など、主要メーカー各社が11月出荷分から2~3割以上の値上げを発表しているとのこと。
・燃料価格の上昇
・物流費の高騰
・設備修繕・更新費用の増加
・国内外価格差の是正
・中国の電力不足による供給減と東南アジアなどの需要の増加で需給が逼迫
等が背景にあるとのことで、約4年ぶりの値上げが浸透すれば製紙をはじめ幅広い業界・製品の値上げ要因となり得ると記事では伝えています。
【印刷・製品関連】
1.すかいらーく 紙ストローに切り替え |
すかいらーくホールディングスは11月12日、現在各店舗で使用しているバイオマスプラスチックのストローを紙製に切り替えると発表しました。両社の公式サイトの発表や同日付の日本経済新聞の記事によると、
概要 | 2022年1月より、現在使用しているバイオマスプラスチック製のストローをFSC認証の紙製ストローに順次切り替え。同社は環境経営目標として、使い捨てプラスチックの使用量を2026年までに2020年比で半減、2030年までに石油由来プラスチック比率をゼロにする目標を掲げる。 |
使用量推移 | 2018年に約1億本を使用していたストローが、希望者にのみ提供することで2019年には約3,100万本、2020年には約1,100万本に減少。2018年比で89%の削減を実施。 |
同社はSDGsへの貢献を重要課題と位置づけ、今後も安全・安心な食の提供を通じた地域社会への貢献とともに、地球環境保全にも積極的に取り組んでいくとしています。
※文中敬称略
※文章は2021年11月18日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。