1. HOME
  2. KAYO NEWS
  3. 紙の市況(2021.11)詳細 11月30日更新分

KAYO NEWS

華陽ニュース

紙の市況(2021.11)詳細 11月30日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.中越パルプも値上げを発表

 中越パルプ工業は11月19日、印刷用紙等の価格修正を発表しました。これまでに発表された大手製紙メーカーの値上げ発表を再度まとめると、

メーカー 対象製品 値上げ幅 実施時期
日本製紙 印刷用紙
情報用紙
産業用紙
現行価格+15%以上 2022年1月1日出荷分より
三菱製紙 印刷用紙全般(上質紙、塗工紙、微塗工紙 他)
情報用紙全般(ノーカーボン紙、感熱紙、PPC用紙、フォーム用紙 他)
白板紙全般(高級板紙、特殊板紙 他)
丸住製紙 印刷用紙全般
情報用紙全般
現行価格+15円/kg以上
大王製紙 印刷用紙全般
情報用紙全般
現行価格+15%以上 2022年1月21日出荷分より
エム・ビー・エス 富士フイルム感圧紙(平判・巻取)全品種
中越パルプ工業 印刷・情報用紙
紙器用板紙
雑種紙

 中越パルプは高岡工場6号抄紙機の停機を発表しており、自社の合理化等でコストダウンを行ってもなお吸収が困難な原材料や物流経費の上昇、カーボンニュートラル実現に伴う経費の発生等の状況を示し、価格改定に理解を求めています。


【板紙 国内の紙の市況/状況】

1.日本製紙 液体用紙容器の価格修正を発表

 日本製紙は11月18日、牛乳や清涼飲料向けの液体用紙容器の価格修正を発表しました。公式サイトの発表によると、

対象品種 エヌピーパック全般
フジパック全般
値上げ幅 エヌピーパック 12%以上
フジパック 5%以上
実施時期 2022年4月1日納入分より

 同社は液体用紙容器の主原料である輸入原紙が2018年比で20%値上がりしていることなどを理由に挙げ、価格修正に理解を求めています。


【その他の市況/状況】

1.大王製紙 フラッフパルプの生産開始時期を延期

 大王製紙は11月12日、紙おむつなどの吸収体制品に使用するフラッフパルプの生産開始時期を、当初発表していた2022年9月から、2025年6月に延期することを同日開催の取締役会で決議したと発表しました。
 同社は三島工場15号抄紙機を停機して調整し、フラッフパルプの生産設備として再稼働させることで、現在は100%輸入しているフラッフパルプの一部を内製化する計画で、既に今年3月、15号抄紙機の停機は実現していますが、他の生産品目に使用するパルプとのバランスを再検証し、フラッフパルプの生産開始時期の最適なタイミングを2025年6月と判断したと、今回の決定の経緯を説明しています。
 同社は今後もフラッフパルプの生産技術の研究と品質の確立に引き続き取り組むとともに、使用済み紙おむつから再生したパルプを配合したフラッフパルプの生産技術開発などにも新たに取り組んで、SDGsへの貢献などを進めていくと表明しています。


2.AGC・旭化成もカセイソーダの値上げを発表

 11月19日付の日本経済新聞紙上にて、AGCと旭化成もカセイソーダの値上げを発表したと報じられています。AGCは11月21日出荷分から、旭化成は12月1日出荷分から、1キロあたり20円以上値上げする意向であるとのこと。カセイソーダの価格は2018年以降横ばいでしたが、値上げが浸透すれば最高値を更新する水準になると、記事では説明しています。


【印刷・製品関連】

1.大王製紙『エリプラマドラー』 ドトールで採用

 大王製紙は11月19日、同社が開発・販売する紙製マドラー『エリプラマドラー』が株式会社ドトールコーヒーの運営する店舗で採用されたと発表しました。両社の公式サイトの発表によると、

概要 全国のドトールグループ店舗で使用する使い捨てマドラーを『エリプラマドラー』に切り替え。この切り替えにより、年間5.7トン(2020年実績)のプラスチックが削減できると想定。
エリプラマドラー 大王製紙が開発・販売する、FSC認証紙の高密度厚紙マドラー。原紙には、食品、添加物の規格基準に適合し、耐水性・耐油性を有する「エリプラ+(プラス)」を使用。
生分解し、再生可能で、使い捨てプラスチックごみの削減に貢献できる紙製品。

 大王製紙ではエリプラマドラーのほか、靴下やミニタオルなどの販売に使用できる『エリプラフック』『エリプラミニハンガー』の販売も行っており、今後も継続して環境にやさしい商品の生産・販売を行っていくと表明しています。


※文中敬称略
※文章は2021年11月26日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。