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華陽ニュース

紙の市況(2022.2)詳細 2月28日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.欧州で紙不足の報道

 2月24日付の日本経済新聞紙上にて、欧州で印刷用紙の不足が深刻化していると報じられています。記事によると、

内容 欧州で印刷用紙不足が深刻化
・チラシ・雑誌向け塗工紙を必要量の6割しか入手できない企業も存在
・株主向け書類の用紙を調達できなかったことが原因で、予定していた買収を延期(英金融サービス会社)
・切手発行ができない(スイス)
等の影響も。
需給逼迫で微塗工紙は1年で66%値上がり。
背景 ・近年、デジタル化への対応で製紙各社が生産能力を減少。
・コロナ禍からの経済回復で需要が急回復。
・コンテナ不足で海上輸送が混乱。
・フィンランド製紙組合の1月からのストライキが長期化。加盟するUPMの印刷用紙の生産能力が半減。欧州の印刷用紙の生産能力の15%程度が減少している計算。スト解消後も供給が正常化するのは7月との見方も。
日本への影響 ・UPM製の微塗工紙を使用していた通販カタログ会社に値上げと数量削減の打診との、業界筋の声
・日本の製紙メーカーにも微塗工紙の引き合い

 経済の構造変化、コロナ禍による物流の混乱、大手企業のストなど特殊要因が重なった突発的な原料不足であると報じられており、国際的な供給網をどう安定させるか産業界の模索が続きそうだと記事では指摘しています。


【板紙 国内の紙の市況/状況】

1.王子HD ワールドスターコンテスト2022受賞を発表

 王子ホールディングスは2月10日、「ワールドスターコンテスト2022」において、同社関連の2作品が「ワールドスター賞」を受賞したと発表しました。公式サイトの発表によると、受賞したのは

・佐川グローバルロジスティクス株式会社、アルテック株式会社と共同開発した「自動包装システム(CartonWrap)を使用した輸送箱の最適化包装」の取り組み
・雪印メグミルク株式会社、株式会社クレスコ、株式会社尚山堂、株式会社那波多目デザイン事務所と王子パッケージングが共同開発した、『牧場の朝ヨーグルト つくってあそぼ』の3連カップ用台紙を再利用した切り絵遊び

の2作品とのことで、王子ホールディングスは今後も王子グループの総力をあげ、これまでに培った技術に、新しい発想を加えた新製品開発と提案によって、持続可能な社会の実現に取り組んでいくと表明しています。


【その他の市況/状況】

1.日本製紙クレシア 紙パッケージのトイレロールを発売

 日本製紙は2月15日、クラフト紙で包装したトイレットロールの全国発売を開始すると発表しました。公式サイトの発表によると、

該当商品名 『スコッティ ナチュラル 3倍長持ち4ロール(ダブル)<無香料>』
特徴 ・パッケージにプラスチックフィルムを用いず、クラフト紙を採用。
・中身のロールも包装紙も森林認証紙を使用。
・一目で紙包装であることが分かる、ナチュラル感が伝わるデザイン。
・外装は丈夫で、ロールをしっかり保守。
・無漂白、素材を生かし、必要最低限のインクのみを使用したパッケージで環境に配慮。
発売時期 2022年2月17日より全国発売。

 同ブランドの3倍長持ちロールは4ロールで12ロール入り分の長さでありながら12ロール入りよりコンパクトに仕上げられており、

・持ち帰りの便利さ
・取替え回数の減少
・収納スペースの削減

など消費者の日常生活に様々なメリットをもたらすと同社は説明しています。


【印刷・製品関連】

1.大日本印刷 紙トレーの共同開発を開始

 大日本印刷は2月7日、東京食品機械株式会社と共同で、紙トレーの共同開発を開始したと発表しました。同社の公式サイトの発表によると、

開発コンセプト ・トレー部に紙を使用し、プラスチック使用量を約90%削減
・紙部分には森林認証紙を使用
・素材と包装システムの組み合わせで優れたバリア性、密封性を実現
・食品の参加や微生物の増殖を抑制する包装を可能にし、消費期限の延長につなげることでフードロス低減も狙う
・密封性を有することで持ち運びが便利
・電子レンジでの温めも可能
・トレー部分の紙とフィルムを分離しやすくし、ごみの減容化、紙のリサイクル促進にも有効
用途 総菜や冷凍食品のパッケージとして
今後の展開 2026年度に包装材料で10億円、包装システムで20台の販売を目指す

 凸版印刷も同様の製品を開発、サンプル提供を開始しており、プラスチックを紙に置き換えることによる環境負荷低減の動きが広がっています。 


※文中敬称略
※文章は2022年2月24日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。