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紙の市況(2022.5)詳細 5月31日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.王子 印刷・情報用紙の価格修正発表

 王子製紙は5月25日、印刷・情報用紙の価格修正を発表しました。

対象品種 印刷用紙全般(中下級用紙、上質紙、塗工紙、微塗工紙 他)
情報用紙全般(PPC用紙、フォーム用紙 他)
値上げ幅 現行価格+15%以上
実施時期 2022年7月1日出荷分より

 昨秋以降、製紙各社が打ち出した印刷・情報用紙の値上げが浸透しつつありますが、この値上げにはロシアのウクライナ侵攻を受けた原燃料の急騰などの影響は反映されておらず、今回の王子製紙の値上げに同業他社が追随する可能性があると、5月27日付の日本経済新聞は指摘しています。


2.中パ 封筒原紙等の価格修正発表

 中越パルプ工業は5月18日、封筒原紙用のケントや包装紙などの価格修正を発表しました。

対象品種 新せんだいカラー、新パステルカラー、せんだい封筒用ケント、竹紙
値上げ幅 現行価格+15%以上
実施時期 2022年7月1日出荷分より

 値上げが実施された場合の最終製品の需給に与える影響についても注目が集まりそうです。


3.粘着紙各社が価格修正発表

 王子タックが5月13日、リンテックが5月19日、粘着製品の価格修正を発表しました。

王子タック リンテック
対象製品 粘着紙・粘着フィルム ※疑似接着製品を含む。 シール・ラベル用粘着紙・粘着フィルム全アイテム
値上げ幅 現行価格+15% 現行価格+15%以上
実施時期 2022年8月1日出荷分より

 食品・日用品から産業製品まで、あらゆる分野で利用される粘着製品の値上げに、影響が注視されます。


4.大王・丸住 技術提携

 大王製紙と丸住製紙は5月26日、両社の取締役会において、技術提携基本契約を締結することを決議したと発表しました。技術提携を通じて両社の競争力や企業価値の向上を図り、切磋琢磨していくとしています。
 両社はともに四国中央市を創業の地としており、昨年6月には四国中央市における脱炭素を検討する協議会を共同で設立、今後も四国中央市の製紙産業の発展に貢献することを通じて、地域との共生、地域産業の発展、雇用の創出・安定など、地域の発展に尽力していくと表明しています。 


【板紙 国内外の紙の市況/状況】

1.レンゴー ドイツにおける新会社設立と買収を発表

 レンゴーは5月24日、ドイツにおける新会社設立と重量物包装資材メーカーの株式取得を発表しました。公式サイトの発表によると、

新会社 100%子会社のレンゴー・ヨーロッパ社をドイツに設立。
買収 レンゴー・ヨーロッパ社と、連結子会社のトライコー社を通じて、ドイツの重要物包装資材メーカー、ティム・パッケージング・システムズ社の株式を100%取得することを決議。同じく重量物包装資材の製造・販売などを手掛けるトライコー社と合わせ、製品ポートフォリオの拡充、供給体制の充実が期待される。

 同社はレンゴー・ヨーロッパ社の設立の狙いを、グループの欧州事業展開により一層注力するための拠点としてと説明しています。


【その他の市況/状況】

1.古紙国内価格が上昇

 5月25日付の日本経済新聞紙上にて、古紙国内価格が上昇したと報じられています。古紙問屋が回収事業者から仕入れる買値は、段ボール古紙が約2年半ぶり、雑誌古紙・新聞古紙も約2年ぶりの高値水準となっているとのこと。

・コロナ禍の長期化による経済活動の停滞で、古紙の発生が減少
・新聞や雑誌のデジタル化などによる部数減で、古紙の発生が減少
・円安でアジア向けに段ボール原紙の輸出が増え、国内で古紙となる分が減少
・軽油の高騰で古紙の回収費用が上昇

といったことが背景にあると記事では説明しています。


2.大王 中部地区の衛生用紙の生産体制強化などを発表

 大王製紙は5月26日、同日開催の取締役会において、新たに取得予定の岐阜県の新工場などの活用案などを含む、中部地区における衛生用紙の生産体制強化の方針について決議したと発表しました。

・可児工場に家庭紙用抄紙機を増設
・岐阜県坂祝町の新工場にティシュー・トイレットペーパー用加工機を新設
・両設備投資により、月産約3,000トンの生産能力を増強
・2024年10月営業運転開始予定

 同社はこの可児工場を中心とする増設計画で、新工場とのシナジー効果の発揮、東日本の主要エリアへの配送強化、可児工場のパルプの付加価値の高い商品へのシフト、可児工場近隣の外部倉庫集約を含む物流構造改革による競争力強化が図れると、計画の狙いを説明しています。


【印刷・製品関連】

1.大王グループ会社 本社ビルにCNF配合コンクリート

 大王製紙は5月23日、同社グループ会社のダイオーロジスティクス株式会社の本社ビルにCNF配合コンクリートを活用したと発表しました。公式サイトの発表によると、

内容 ダイオーロジスティクス本社ビルの新築工事において、門塀、土間、境界壁、機械基礎等にCNF配合コンクリートを活用。施工は清水建設が担当。
活用の狙い 同社のCNF水分散液は「静置状態では高粘度で、力がかかると粘度が低下する」という特性を有しており、コンクリートや塗料、インキ、化粧品等に粘度調整剤として配合することで流動性の改善が期待できる。
今回の施工でもコンクリートにCNF水分散液を配合することで流動性が良くなり、コンクリート打設時間の短縮、現場労務の改善が現れたとの評価が得られたとしている。

 同社は今後も実使用を積み重ねることで、建設現場の生産性向上、労働時間削減、業務負荷低減・平準化等の働き方改革の推進に貢献する用途への展開を加速させるとともに、強度や耐久性など、コンクリート品質等へのCNF配合効果も継続して確認していくとしています。


※文中敬称略
※文章は2022年5月27日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。