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紙の市況(2022.7)詳細 7月31日更新分

【紙に関する市況/状況】

1.大王製紙 新子会社設立を決議

 大王製紙は7月21日、新子会社の設立を決議したと発表しました。

商号 エリエールフィールドパートナー株式会社
事業内容 販売店の店頭活性化、販売支援などのフィールドマーケティング活動
会社設立日 2022年8月中を予定
事業開始日 2022年10月1日予定

 これまで本社ホーム&パーソナル部門 国内事業部 リテールサポート本部が担当していた販売支援業務を子会社として独立させることで、機敏性と強い商談力を備えた活動に進化させ、販売店の特性やニーズに合わせた提案を行うとともに、販売店との共同でより魅力ある店頭演出を行うことが狙いであると、同社は子会社設立の目的を説明しています。


【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.大王・NTI 段ボール原紙などの再値上げを発表

 大王製紙は7月19日、日本東海インダストリアルペーパーサプライは7月26日に、段ボール原紙などの価格改定を発表しました。公式サイトの発表によると、

大王製紙
対象 段ボール原紙、包装用紙、機能材
改定幅 段ボール原紙 現行価格+15円/kg以上
包装用紙・機能材 現行価格+15%以上
改定時期 2022年9月1日納入分より
日本東海インダストリアルペーパーサプライ
対象 段ボール原紙全般
特殊板紙(チップ・色板紙、紙管原紙、石膏ボード原紙、シクラ原紙)
改定幅 段ボール原紙全般 現行価格+15円/kg
特殊板紙 現行価格+15%以上
改定時期 2022年9月1日出荷分より

 段ボール原紙各社は昨年秋以降表明した値上げを今春には決着させていましたが、この時点で既にさらに一段の値上げが必要との指摘が聞かれており、今回両社は、世界情勢の変化を背景とする原燃料価格の急騰、物流経費の上昇、急激な円安などを理由として、再度の価格改定に理解を求めています。


2.王子HDの用紙が貝印のパッケージに

 王子ホールディングスは7月19日、同社の紙製品が貝印株式会社の製品パッケージ素材に採用されたと発表しました。公式サイトの発表によると、

対象製品 貝印の女性用使い捨てカミソリ「肌と地球にやさしい Pretty 限定セット」
コンセプト 「見た目と使い心地はそのままに、環境に配慮した使い捨てカミソリ」を製品コンセプトとして、キャップと硬質樹脂にリサイクル材を95%使用、パッケージに王子の紙製品を採用し、環境負荷の軽減を目指す。

 同社はプラスチック使用量削減などの社会課題解決に貢献するべく『サステナブルパッケージ』を提案しており、今後も環境配慮型素材・製品の開発を推進して持続可能な社会の実現に取り組んでいくと表明しています。


【その他の市況/状況】

1.丸富製紙 家庭紙値上げを発表

 丸富製紙は7月22日、家庭紙の価格改定を発表しました。公式サイトの発表によると、

対象製品 トイレットロール、ティシュペーパー、キッチンペーパー、タオルペーパー(家庭用、及び業務用全商品)
改定幅 現行価格+15%以上
改定時期 2022年9月21日出荷分より

 原燃料価格や資材・薬品価格、物流経費等の上昇、急激な円安により再値上げ発表に至ったと同社は説明しており、7月23日付の日本経済新聞記事によれば、静岡県内の同業他社も8月以降、同程度の値上げを行う方針だと伝えられています。


2.カネカ カセイソーダの値上げを発表

 株式会社カネカは7月19日、8月1日出荷分より液体カセイソーダ価格を現行価格よりキログラムあたり30円以上引き上げると発表しました。
 カセイソーダについては、信越化学が7月21日出荷分から、昭和電工が8月1日納入分から、トクヤマ・東ソーが8月1日出荷分からの値上げを既に発表しており、国内の指標となる首都圏の大口価格は過去最高値となっていると、7月23日付の日本経済新聞紙上にて報じられています。


【印刷・製品関連】

1.日経広告研 2022年度広告費予測

 日経広告研究所は7月26日、2022年度の広告費が前年度比1.1%増えるとの予測を発表しました。2月時点では3.7%増と予測していましたが、コロナ感染の収束時期不透明や世界的なインフレなどが影響して企業の広告出稿に慎重さが出てきたとして、予測を下方修正しています。
 公式サイトから一部、メディア別予測を抜粋すると、

テレビ広告 前年度比1.5%減と予測。 2月の3.1%増から下方修正。11月のサッカーワールドカップ関連の広告が、21年度の東京五輪・パラリンピック時に比べると減少すると予想。
インターネット広告 前年度比10%増と予測。 2月の14.7%増から下方修正。巣ごもり需要を捉えた昨年の高成長に比べれば鈍化するものの、動画などデジタル広告を活用しようという広告主の姿勢は変わらないとの見方。
新聞広告 前年度比4.3%減と予測。 2月の5.6%増から下方修正。7月の参院選の広告需要押し上げ効果が2021年の衆院選時のようには確認できなかった。交通・レジャー関連の出稿に期待。
雑誌広告 前年度比7.5%減と予測。 2月の3.1%減から下方修正。定期誌の販売低迷、出版社のデジタル媒体シフトなどが影響。
折り込み・
ダイレクトメール
前年度比横ばいと予測。 2月の1.5%増から下方修正。紙の価格上昇でコストが増え、枚数に影響する可能性や、食品会社から流通業への販売促進費減少によるチラシの枚数減の可能性を指摘。旅行・宿泊等のチラシ増が好影響。

 インターネット広告は下方修正となっても2ケタ増を維持しており、他の媒体との差がはっきりとした予測となっています。


※文中敬称略
※文章は2022年7月27日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。