1. HOME
  2. KAYO NEWS
  3. 紙の市況(2023.6)詳細 6月20日更新分

KAYO NEWS

華陽ニュース

紙の市況(2023.6)詳細 6月20日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.日本製紙 高板などの値上げ発表

 日本製紙は6月9日、高級白板紙など一部品種の価格改定を発表しました。

対象品種 高級白板紙全般、キャストコート紙全般、紙製品全般
値上げ幅 現行価格+15%以上
実施時期 2023年7月1日出荷分より

 2021年、2022年の二度の値上げを実施済みでも、依然、原燃料価格は高い水準で収益確保が困難な状況として、同社は価格改定に理解を求めています。 


2.日本製紙、AIでチップ船の配船を最適化

 日本製紙は6月14日、AIを活用した木材チップ船の配船計画の最適化システムを製紙業界で初めて導入し、同日より運用を開始したと発表しました。株式会社ALGO ARTISが開発したAIを採用し、計画を作成するための担当者の経験やノウハウをAIに組み込むことで、基本となる最適な配船計画を従来より短い時間で自動的に作成することが可能になったとのこと。日々の状況変化に応じた速やかな計画修正も可能とのことで、チップ船運航効率の大幅な改善が予想されることから、海外材チップ海上輸送に係る温室効果ガス排出量の2.8%削減と物流コストの低減を見込んでいると、同社は導入の意義を説明しています。


3.丸住製紙、『セルロースナノファイバーの最前線 2023』に出展

 丸住製紙は6月15日、CNFの展示会『セルロースナノファイバーの最前線 2023』に出展すると発表しました。2023年7月5日・6日の2日間、大阪産業創造館3Fマーケットプラザにて開催とのことで、同社は自社開発CNF「ステラファイン🄬」の水分散体と乾燥粉末のリアル展示やパネル展示、ビデオモニターの上映を行うとのこと。同社は6日11時30分より会場でのプレゼンテーションを行う予定とのことで、来場を心待ちにしていると呼びかけています。
 また、『セルロースナノファイバーの最前線2023』の公式サイトの記述によれば、製紙関連ではほかにも王子ホールディングス、日本製紙、レンゴー、大王製紙などが出展を予定しているとされています。


【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.凸版印刷の「液だれ防止機能キャップ」が「木下賞」受賞

 凸版印刷は6月14日、J‐オイルミルズの食用油「スマートグリーンパック🄬」シリーズの紙パックに採用された凸版印刷の「液だれ防止機能キャップ」が「木下賞」を受賞したと発表しました。公式サイトの発表によると、

木下賞 公益社団法人日本包装技術協会が主催。第2代会長・故木下又三郎氏の功績を記念し、包装技術の研究・開発に顕著な業績をあげたものや、包装の合理化・改善・向上に顕著な業績をあげたものに与えられる賞。
今回の受賞 「液だれ防止機能キャップ」の機能性や利便性などが評価され、第47回木下賞「改善合理化部門」を受賞。
受賞商品の特長 ・キャップの口栓の抽出部の形状の工夫で液だれを防止。
・キャップが脱着可能で、使用量に応じた使い分けができる。キャップの脱着部は分別廃棄できる。
・凸版が開発した、様々な内容物の長期常温保存が可能な口栓付き液体用紙容器「EP‐PAK GL」の採用で、現行のプラスチックボトルと比較して、プラスチック使用量を約60%削減。食品ロスの削減にも貢献。
・紙パック本体に施したエンボス加工で、滑りにくく持ちやすい工夫。
等。

 持続可能な社会への取り組みが注視されるなか、軽量でプラスチック使用量を削減できる液体用紙容器の採用が増えているとして、同社は市場からの要求品質に応え環境性能を高めるための研究開発に注力し、新しい製品を提供していくとしています。


【その他の市況/状況】

1.パルプの5月積み価格が下落

 6月8日付の日本経済新聞紙上にて、製紙用パルプの5月積み対日価格が下落したと報じられています。南米産L‐BKPは前月比9%、北米産N‐BKPは同12%、それぞれ安くなったとのこと。南米産L‐BKPは工場の新設による供給増予測、北米産N‐BKPは欧州産のアジア市場への流入や中国の紙・板紙需要の回復の遅れが市況に影響しているとのことですが、採算悪化で中国向け価格を引き上げる動きも出始めているとのことで、下げが一服するとの見方もあると、記事では伝えられています。


2.5月末古紙在庫が増加

 6月15日付の日本経済新聞紙上にて、5月末の古紙在庫が前年同月末比で37.1%増加したと報じられています。関東製紙原料直納商工組合のまとめによるもので、段ボール古紙・雑誌古紙・新聞古紙、全ての品種で前年同月末比増となったとのこと。段ボール原紙や白板紙、コピー用紙など、それぞれの古紙を原料とする紙製品の生産や需要が減少していることが背景にあると、記事では伝えられています。


3.家庭紙の店頭価格は横ばい

 6月8日付の日本経済新聞紙上にて、東京紙商家庭紙同業会のまとめによる5月の家庭紙の店頭価格が、上値が上がった大手メーカーのパルプ製トイレットペーパーを除いてすべて前月比横ばいとなったと報じられています。家庭紙各社の値上げが一巡した影響と記事では分析しており、販売全体に勢いがないなか、ティッシュは「ソフトパック」、トイレットペーパーは「長尺物」の販売が伸びていると、記事では伝えられています。


【印刷、製品、その他関連】

1.コアレックス信栄、G7で使用の紙容器を再資源化

 日本紙パルプ商事は6月13日、同社子会社のコアレックス信栄が、G7広島サミットで使用されたミネラルウォーターの紙容器を独自技術で再資源化したと発表しました。公式サイトの発表によると、

コアレックス信栄 日本紙パルプ商事グループ会社で、再生家庭紙を製造。
今回の取り組み 日本テトラパックなどと協業。日本テトラパックがホテルや国際メディアセンターなどに提供した紙容器のミネラルウォーターのうち、コアレックス信栄が国際メディアセンター内に使用済み紙容器の回収ボックスを設置して同施設内での使用分を回収。トイレットペーパーやティッシュペーパーなどに再生。
独自技術 回収された紙容器はアルミ蒸着のもので紙繊維との分離が困難であることから、難再生古紙として焼却処分されるのが一般的。
コアレックス信栄は、アルミ蒸着でキャップが一体となっている状態でも製造工程のなかで分離し、買い繊維のみを抽出して製品化できる独自技術を開発しており、今回の再資源化を実現した。

 今回の市場済み紙容器の分別、回収からリサイクルまでの一貫した資源循環の実現で、本サミットにおける気候変動対策への取り組みを多面的に支援したと、日本紙パルプ商事は同取り組みについて説明しています。


※文中敬称略
※文章は2023年6月16日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。