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紙の市況(2023.12)詳細 12月28日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.グリーン購入法基本方針の変更が閣議決定

 環境省は12月22日、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」(グリーン購入法)に基づく「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」(基本方針)の変更が閣議決定されたと発表しました。今回の変更で判断の基準等を見直された23品目に「印刷用紙」も入っており、環境省2023年12月22日付報道発表資料「グリーン購入法基本方針の閣議決定及び意見募集(パブリックコメント)の結果について」、及び「環境物品等の調達の推進に関する基本方針 2023年12月」によれば、

・総合評価値を「70以上」から「80以上」に引き上げ。
・原料として使用を許可されるパルプに、従来の「古紙パルプ」「森林認証材パルプ」「間伐材等パルプ」「その他の持続可能性を目指した原料の調達方針に基づいて使用するパルプ」に加え、「管理木材パルプ」が追加。
・評価値の重みづけで、「古紙パルプ」「森林認証材パルプ」「間伐材等パルプ」を1とし、同等に評価。「管理木材パルプ」は0.75、「その他の持続可能性パルプ」は0.5。
・古紙パルプ配合率の最低保証(40%以上)を撤廃。

が主な変更点であるとされています。
 なお、コピー用紙やフォーム用紙、インクジェットカラープリンター用塗工紙などの「情報用紙」では、今回の基本方針でも、古紙パルプ配合率に重みを置く判断基準が示されています。


【その他の市況/状況】

1.キナリトシリーズが「グッドデザインしずおか」特別賞

 王子ホールディングスは12月25日、グループ会社の王子キノクロスがキナリトシリーズで「グッドデザインしずおか」の特別賞を受賞したと発表しました。同社サイトの発表等によると、

キナリト 植物由来のセルロースと樹脂の複合素材。熱成型や縫製、印刷や箔押しなど様々な加工が可能。あたたかみのあるやさしい風合い、手ざわり、自然な風合いが公表。
グッドデザインしずおか 中小企業等の戦略的な活用促進を目的に、県内で生み出されたデザインの優れた「モノ」や「コト」を顕彰する事業。1993年創設。30回目となる2023年は応募点数55点から大賞を含む12点を選定。
キナリトシリーズの評価点 再生可能な森林資源である木材パルプが原料で、現状のプラスチック設備を使用して成形加工できる点を評価。プラスチック代替材料としてだけではなく、自然素材の魅力を発揮した唯一無二の製品につながることを期待。

王子グループは今後も環境配慮型素材・製品の開発を推進し、持続可能な社会の実現に取り組んでいくと表明しています。


2.日本製紙 EcoVadis社のサステナビリティ調査で3年連続「ゴールド」評価

 日本製紙は12月25日、EcoVadis社のサステナビリティ調査において、3年連続でゴールド評価を獲得したと発表しました。同社サイトの発表によると、

EcoVadis社 175か国以上、200業種を超えるバイヤーとサプライヤーが登録する情報共有プラットフォームを通じて、サプライヤーのサステナビリティ評価をバイヤーに提供する機関。本社はフランス。
調査項目 「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な調達」の4項目により企業のサステナビリティを評価。上位1%以内を「プラチナ」、上位5%以内を「ゴールド」、上位25%以内を「シルバー」、上位50%以内を「ブロンズ」としており、日本製紙は全評価対象企業の上位5%に入る「ゴールド」と評価された。

同社は社会・環境の持続可能性と企業としての成長をともに追及するサステナビリティ経営を推進し、2050年カーボンニュートラルを実現していくと表明しています。


3.大王製紙 物流パートナーシップ優良事業者表彰で「強靭・持続可能表彰」を受賞

 大王製紙は12月19日、令和5年度グリーン物流パートナーシップ会議 物流パートナーシップ優良事業者表彰で「強靭・持続可能表彰」をサントリーグループと共同受賞したと発表しました。同社サイトの発表等によると、

物流パートナーシップ優良事業者表彰 物流分野における環境負荷の低減、物流の生産性向上等持続可能な物流体系の構築に向けた荷主企業・物流事業者が連携した取り組みを普及促進するため、特に顕著な功績があった事業者に対して表彰を行う事業。平成18年度より経済産業省が実施。
表彰された取り組み 積載量の高い26トントレーラーを導入でトラック台数の削減や働き方改革にも貢献。重量物であるサントリーの飲料製品を積んだ空きスペースに軽量物である大王の紙製品を混載することで、異業種商品の混載による積載率向上、発着地が異なる2社の共同輸送による輸送効率の向上を実現。
輸送エリアの3分割で、ドライバーのリレー方式の輸送(スイッチ輸送)を実現し、日帰り運行の実現、労働時間削減にも貢献。

物流課題への取り組みはビジョンの実現やSDGs目標に貢献するものであるとして、同社は引き続き物流課題解決に向けた活動を進めていくとしています。


【印刷、製品、その他関連】

1.国際紙パルプ商事 紙50%配合のゴールネット

 国際紙パルプ商事は12月8日、同社グループで製造・販売する「OJO+」を50%使用したゴールネットがサッカークラブの公式戦で初採用されたと発表しました。同社のニュースリリース等によると、

OJO+ 同社グループの王子ファイバー株式会社が製造・販売するかみのいと。和紙による紙糸の製法をヒントに開発された天然紙糸繊維で、環境負荷が小さく、昔の紙糸とは違い高い強靭性を有するなど高品質な点も特徴。
今回の取り組み 「OJO+」を50%使用したゴールネットが2023年11月よりみんなの鳩サブレースタジアム(鎌倉市)に導入。同スタジアムは鎌倉インターナショナルFCがホームグラウンドとしており、11月12日に行われた公式戦で同ゴールネットが初採用。

 「みんなの鳩サブレースタジアム」は、老若男女問わず多種多様な人々が集い、さまざまな価値観が混ざり合うことで新しい価値を生み出せる場所として設立されたものとのことで、「OJO+」製ゴールネットはキッズからシニアまで多くの方々に使用される予定であると、同社は説明しています。


※文中敬称略
※文章は2023年12月26日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。