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華陽ニュース
紙の市況(2024.3)詳細 3月31日更新分
【板紙・パッケージに関する市況/状況】
1.日本製紙School POP🄬 採用エリア拡大 |
日本製紙は3月25日、同社が製造・販売するストローレスの学校牛乳容器School POP🄬が新たに石川県、京都府、熊本県でも4月より採用されると発表しました。同社が展開するSchool POP🄬はストローレスで使い捨てプラスチックの削減に貢献すると同時に開封しやすさ・飲みやすさも追及した製品で、今回の採用により採用エリアは21都府県に広がるとのこと。同社は今後も再生可能な資源である「木」から生まれた紙容器の可能性を追求し、様々な提案を行っていくとしています。
【その他の市況/状況】
1.王子ネピア 子供用紙おむつの国内向け出荷を終了 |
王子ホールディングスは3月25日、王子ネピアの国内における紙おむつ事業を2024年9月をもって終了することを決定したと発表しました。
・子供用紙おむつ事業は、市場の成長が続くマレーシア・インドネシア等で継続・拡大を図る
・国内向けでは成長が見込まれる大人用紙おむつ事業を強化
とのこと。
同社は今回の決定を企業価値向上に向けた事業ポートフォリオ転換戦略に基づくものとし、王子ネピアの主力事業の家庭紙事業では、引き続き環境負荷低減商品の開発やお客様の利便性向上のための商品開発など、事業拡大と顧客価値の向上に努めるとしています。
2.王子 「ネピ eco」シリーズ3商品をリニューアル |
王子ホールディングスと王子ネピアは3月26日、環境に最大限配慮した「ネピ eco」シリーズ3商品をリニューアルし、4月上旬より順次発売開始すると発表しました。公式サイトの発表によると、
「ネピ eco」 | パッケージ素材を紙に切り替えることをメインに、森林認証紙やバイオマス素材の採用などで、原料・商品規格からパッケージまでサステナブルな設計の商品シリーズとして2021年5月に発売開始。 |
今回のリニューアルの ポイント |
対象3製品について、製品サイズの見直しとさらなる大容量化を実施。交換の手間の軽減や買い物の利便性、収納スペースの削減などのユーザーニーズに応え、原燃料や原材料のさらなる効率的な利用も促進。 |
対象3製品 | 「ネピア ネピecoティシュ5コパック」「ネピア ネピecoキッチンタオル2.4倍巻120カット2ロール」「ネピア ネピeco トイレットロール2倍巻4ロールダブル」 |
パッケージデザインの 変更点 |
「ネピア環境マーク」と、環境への取り組みを説明するページへ誘導するQRコードを前面にレイアウト。 これまでは海をイメージしたデザインだったトイレットロールについても、ティシュやキッチンタオルと同様の、森の役割を図式化した循環図に変更し、「ネピ eco」シリーズを通じて資源のサイクルを想起させるデザインに刷新。 |
「ネピ eco」のパッケージは「森を守ることは、私たちの未来を守ることにつながる」をキーメッセージとしたデザインで、
・木は成長過程で二酸化炭素を吸収する、温室効果ガスの削減に寄与する素材
・適切に管理された森林の木は、伐採・植林・成長を繰り返す持続可能な資源
・木を原料とする紙は、古紙として回収され紙に再生する「持続可能であると同時に循環型」の地球環境にやさしい素材
だということを伝えるものであるとしています。
【ESG、SDGs等関連】
1.大王製紙 持続可能な森林保全に向けた取り組み |
大王製紙は「国際森林デー」の3月21日、同社の持続可能な森林保全に向けた活動の一部を紹介する記事をサイトに掲載しました。
方針 | 2023年、COP26の「森林と土地利用に関するグラスゴー首脳宣言」を支持し、「大王グループの森林経営に関する方針」を策定。1.5度目標達成に向け、「森林に関するニューヨーク宣言」に準拠した森林経営に取り組み、2030年までに森林減少を終わらせることに貢献していく。 |
海外での取り組み | チリで有する59,000haの事業面積のうち、31,000ha(2022年度実績)で植林事業を実施。2050年までに15,000haの植林面積拡大を予定。 絶滅危惧種が生息する可能性がある地域を高保護価値地域に指定し定期的なモニタリング調査を実施するなどして、生物多様性保全にも取り組み。 |
国内での取り組み | 環境保全活動の積極的な支援を目的に、愛媛県が実施する公共財団法人愛媛の森林(もり)基金活動に参加。 |
同社は今後も、地球環境と調和した持続可能な脱炭素社会、循環型社会、自然共生社会の実現に向け、環境に配慮した事業活動を進めていくとしています。
2.「紙Xエコ アパレルパック」「紙Xエコ バリアパック」、「デコ活」サイトに掲載 |
日本紙パルプ商事株式会社は3月22日、同社が運営するサービスサイト「Paper&Green」が提案する包装資材「紙Xエコ アパレルパック」「紙Xエコ バリアパック」が、脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを支える取り組みとして、環境省の「デコ活」サイトに掲載されたと発表しました。
デコ活 | 2050年カーボンニュートラルと2030年度削減目標の実現に向け、国民のライフスタイルの変容などを促す運動。環境省などが展開。「デコ」は「脱炭素」と「エコ」を組み合わせた造語。 |
「紙Xエコ アパレルパック」 | 表面基材に段ボール古紙100%の紙を使用したアパレル用包装袋。窓をつけるなどの工夫でプラスチックの使用量を最大限削減し、紙マークの付与が可能な包装形態を実現。 |
「紙Xエコ バリアパック」 | アルミ蒸着フィルム並みの高いバリア性を持つバリア紙を使用した減プラパッケージ。従来のパッケージに比べ、プラスチック使用量を大幅な低減が可能で、環境配慮イメージのアピールにも貢献。 |
同社は引き続きサステナビリティへの取り組みを積極的に進め、社会価値と経済価値をともに実現する持続可能な事業活動を実践していくとしています。
3.社員食堂にセルロース主原料の食器 |
国際紙パルプ商事株式会社は3月25日、同社が扱う植物由来のプラスチック代替素材「modo-cell🄬」製の御飯茶碗と湯飲みが、敷島製パン・パスコイーストカンパニー内の社員食堂で採用されたと発表しました。
modo-cell🄬 | 株式会社アミカテラが製造する、セルロースを主原料とする素材。「modo-cell🄬」は株式会社アミカテラの登録商標。 熊本県の放置竹林から伐採した竹を原料としており、同素材の利用で、石油由来プラスチックの使用量削減に加え、放置竹林の課題解決にも貢献できる。 |
社員食堂での採用 | 石油由来プラスチックの使用量削減と同時に、事業所全体の環境意識の高まりが期待される。 |
と、同社は採用の意義について説明しています。
※文中敬称略
※文章は2024年3月27日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。