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華陽ニュース

紙の市況(2024.5)詳細 5月20日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.王子製紙 値上げ発表

 王子製紙は5月10日、印刷・情報用紙の価格改定を発表しました。

対象品種 印刷用紙全般(中下級紙、上質紙、塗工紙、微塗工紙 他)
情報用紙全般(PPC用紙、フォーム用紙 他)
改定幅 現行価格+5%以上
実施時期 2024年7月1日出荷分より
背景 原燃料価格の高止まり、物流コストの高騰、人員確保のための労務費上昇 など

 自助努力のみでの吸収は困難として、同社は価格改定に理解を求めています。


2.製紙8社 2024年3月期決算発表

 製紙8社は5月15日までに、2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績を発表しました。

 決算短信などにおいて各社は

王子HD ・国内で価格修正を実施
・主に海外でのパルプ市況の悪化が営業利益に影響
・ニュージーランドグループ会社のサイクロン被災影響
日本製紙 ・各種製品の価格修正が寄与
・オーストラリアグループ会社のグラフィック用紙事業撤退費用を特別損失に計上した一方、固定資産売却益を
特別利益に計上したことで当期純利益が黒字転換
レンゴー ・製品価格の改定が寄与
・幅広い分野での需要低迷、物価高による節約志向、段ボール需要の減少、世界的な景気後退などの影響で段ボール、軟包装、重包装などの業界で生産量が前年比減少
・2024年4月納品分より段ボール、紙器製品の価格改定に取り組み
大王製紙 ・価格改定実施・維持・浸透が寄与
・国内メディア用紙の一層の市場縮小
・家庭紙分野での中国での苦戦
・収益力の復元やブラジル子会社の貢献等で黒字転換
・製造コストの悪化や為替レートの想定との乖離等で第4次中期事業計画の数値計画は未達
北越コーポ ・国内紙販売で価格改定効果
・国際的なパルプ価格の下落が影響
・2024年5月15日、大王製紙との間で生産技術・原材料購買・製品物流などに関する戦略的業務提携基本契約を締結することを決議したと発表。両社の関係は新たなステージを迎えたとし、同社が持つ大王製紙株式について、必要な範囲で削減する方針、と併せて発表。
三菱製紙 ・製品価格改定やコストダウンが寄与
・2024年3月期の期末配当を1株あたり5円から10円に配当増額する予定と発表
・子会社の耐熱プレスボート製品の検査測定データ改竄及び一部不実施については外部専門家による特別調査委員会を設置と5月10日に発表。
中越パルプ ・製品価格改定、外販パルプ販売増が寄与
・紙・パルプ製造義浄の生産体制再構築の一環として着手していた新規家庭紙抄紙機が2024年2月に営業運転を開始、家庭紙事業への新規参入を果たす。
特種東海 ・岐阜工場閉鎖により生産合理化、既存製紙事業の基盤強化に努める
・環境関連事業のリサイクルビジネスのさらなる拡大に注力
・国内向け特殊紙・生活商品事業では価格改定が浸透

などの状況を説明しています。


【その他の市況/状況】

1.高硫黄C重油価格が引き上げ

 5月9日付の日本経済新聞紙上にて、ENEOSがボイラー燃料などに使う高硫黄C重油の4~6月期の価格を引き上げで提示したと報じられています。1~3月期比で10%の上昇で、引き上げは2四半期ぶりとのこと。原油相場の上昇や円安進行が影響と記事では伝えられています。


2.王子HD ベンチプラント規模で「木質由来ポリ乳酸」合成

 王子ホールディングスは5月13日、年産500kgの小規模プラント(ベンチプラント)において、「木質由来ポリ乳酸」の合成に成功したと発表しました。同社の調べによると、ベンチプラント規模での「木質由来ポリ乳酸」の合成成功は世界初とのこと。同社が次代を担う中核事業構築の一環として位置付ける「木質由来の新素材」のひとつ、「木質由来ポリ乳酸」は、バイオマスプラスチックの原料として脱炭素や食料不足の解決などに貢献することが期待されており、同社は東京江戸川区の拠点内に新設したベンチプラントを活用しながら製造条件の最適化を行うとともに、サンプルワークを進め、社会実装に向けた取り組みを加速させていくとしています。


3.大王製紙 「ELLEX‐R67」の商用プラントを設置

 大王製紙は5月8日、セルロースナノファイバー(CNF)複合樹脂「ELLEX‐R67」の商用プラントを設置すると発表しました。年産2,000トンの設備を同社三島工場内に設置し、2025年度中の営業運転開始を予定するとのこと。「ELLEX‐R67」は自動車部材、家電製品、建材、日用品、容器・包装等の分野への用途展開が期待され、採用の暁には減プラスチックやマテリアルリサイクルにも貢献する可能性があることから、商用プラント稼働に向け用途展開を積極的に進めていくと同社は表明しています。


【ESG、SDGs等関連】

1.王子HD ウルグアイに植林会社設立

 王子ホールディングスは5月14日、ウルグアイで植林地取得に向けOji Urguay Forest Company S.A.S(OUFC社)を設立し米投資会社と資産譲渡契約を締結、ウルグアイ政府機関より植林地の所有者となる認可を取得したと発表しました。同社は温室効果ガス削減に向けた取り組みのひとつとして海外生産林面積を2030年度までに400千haまで拡大する目標を掲げており、今回の植林地取得によりおよそ41千haの増加が実現する計画とのこと。同社は今後も「環境行動目標2030」の達成に向けて植林地拡大に取り組み、森林による二酸化炭素純吸収量の拡大を推進していくとしています。


2.王子HD 苫小牧でe-メタン製造を共同検討

 王子ホールディングスは5月9日、王子製紙、東京ガス、東京ガスエンジニアリングソリューションズと、王子製紙苫小牧工場におけるe‐メタン製造に向けた共同検討の開始に合意したと発表しました。苫小牧工場の既存の水力発電や今後新設を検討する太陽光発電設備から再生可能エネルギー由来の電力を得、その電力で生産した水素とカーボンニュートラル燃料由来の二酸化炭素を反応させて純国産のe‐メタンを製造することや、その活用についてなどを共同検討する計画とのこと。2050年までにネットゼロカーボンを目指す王子グループと最先端の脱炭素技術を有する東京ガスグループが組んで脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速していくと、同社は取り組みの意義について説明しています。


3.大王製紙 バイオリファイナリー事業化に向けた生産実証を開始

 大王製紙は5月13日、バイオマスを原料として燃料や化学品を生産する「バイオリファイナリー」の事業化に向け生産実証を開始したと発表しました。Green Earth Institute株式会社と協力して、木質バイオマスや古紙、ペーパースラッジのような廃棄物を原料にバイオエタノールや生分解性バイオ樹脂原料を生産することなどを想定しており、化石由来の化成品原料をバイオマス由来品に置き換えることで新たな価値創造を図り、地球環境と豊かな生活が調和した社会の実現に貢献していくとしています。


【印刷、製品、その他関連】

1.植物由来のサステナブルな食器 学生食堂で採用

 国際紙パルプ商事は5月14日、同社が扱う「modo-cell🄬」製の食器が神戸学院大学の学内レストラン「ジョリポー」で採用されたと発表しました。同社サイトのニュースリリースによると、

modo-cell🄬 株式会社アミカテラが製造する、セルロースを原材料とするプラスチック代替素材。現在は工場所在地である熊本県の放置竹林から伐採した竹を主原料としている。
採用の経緯 神戸学院大学は現代社会学部のゼミの一環として竹林整備などの活動に取り組んでおり、今回の食器の使用が放置竹林問題の解決に貢献するとの観点から採用に至った。今回の採用が石油由来プラスチック製品の使用削減につながると同時に、学生や一般客の環境意識の向上が期待されている。

 竹林についてはその面積の長期的な微増や管理不足による森林への侵入などが続いているとして、同社はmodo-cell🄬の販売を通じて、竹資源の有効活用を後押しし、放置竹林の課題解決に貢献していくとしています。


※文中敬称略
※文章は2024年5月16日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。