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紙の市況(2024.6)詳細 6月20日更新分

【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.王子HD 星野リゾートの紙コップをリサイクル

 王子ホールディングスは6月14日、星野リゾートと共同で使用済み紙コップをマテリアルリサイクルする取り組みを開始したと発表しました。公式サイトのニュースリリースによると、

リサイクルの流れ ①「星野温泉 トンボの湯」で発生する使用済み紙コップを分別・回収
②既存の物流網を通じて輸送し、王子ネピアの協力工場で再資源化
③再生パルプを「nepiaハンドタオル」に再生
④ハンドタオルを「星野温泉 トンボの湯」で使用
背景 一般に紙コップは耐水加工が施されているため古紙回収禁忌品として可燃ごみになるものが大半。近年、脱炭素や環境負荷低減の観点から、使用済み紙コップのリサイクルが各社によって試みられている。

 脱プラ素材としての紙の需要が高まるにつれ、持続的なマテリアルリサイクルの重要性も高まっているとして、王子グループは今後も資源の循環利用に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献していくとしています。


【その他の市況/状況】

1.5月の家庭紙店頭価格横ばい

 6月15日付の日本経済新聞紙上にて、5月の家庭紙の店頭価格が前月比横ばいとなったと報じられています。東京紙商家庭紙同業会のまとめによるもので、全ての品目で横ばいだったとのこと。家庭紙各社が今春よりと打ち出した値上げの交渉が続いており、一部商品で浸透していると記事では指摘しています。


2.王子HD セルロース複合樹脂のラインナップを拡充

 王子ホールディングスは6月11日、セルロースを補強繊維とする樹脂複合ペレット『タフセル』で、新機能を持つ素材を新たに開発したと発表しました。『タフセルペレットVF』と名付けられた同開発品は、樹脂の補強繊維として木質由来のセルロースを複合しつつ、原料の木材パルプを厳選することで射出成形時に発生するアセトアルデヒドを最大40%削減できるとのこと。同社は『タフセルペレットVF』を7月17~19日の「人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA」で展示するとともに、サンプルワークを行い、製品化を目指していくとしています。


3.レンゴー セロファン再原料化技術が受賞

 レンゴーは6月10日、同社の「セロファン再原料化技術の開発」が大阪工研協会の第74回工業技術賞を受賞したと発表しました。同社の発表によれば、セロファンは熱可塑性がなく、溶解性も低いため端材などが再利用できず、産業廃棄物となっているとのこと。受賞した技術の開発でセロファンのリサイクル性が高まり、セロファンの環境面からみた市場価値のさらなる向上が期待できると、同社はこの技術の有意性を説明しています。


【ESG、SDGs等関連】

1.日本紙パルプ商事 「こどものための100冊」キャンペーンに協賛

 日本紙パルプ商事は6月17日、同日より始まった「こどものための100冊キャンペーン」に協賛すると発表しました。このキャンペーンは文化通信社が「子どもたちの未来のために、よい本をたくさん読んでもらうきっかけづくりをしたい」という想いのもとに実施しているもので

期間 2024年6月17日~2024年8月31日
内容 ・子育て中の著名人や書店員・図書館員がおすすめする子供のための本100冊を紹介する冊子『こどものための100冊2024』を発行。書店や図書館、都内大手保育園、子供関連企業などを通じ子育て世帯に無料配布。
・期間中に全国の書店で1,000円以上購入して応募すると、抽選で賞品が当たるプレゼント企画を実施。日本紙パルプ商事グループのコアレックスは抽選で50名に環境に優しいトイレットペーパーをプレゼント。

といった企画が展開されるとのこと。
 同社は昨年に引き続き今年もこのキャンペーンに協賛する動機について、「紙や紙製品が持つ価値をイベントや事業を通じて社会に届けたい」という想いからだと説明しています。


【印刷、製品、その他関連】

1.イオン 電子レシートを導入

 イオンは6月13日、全国約4,000店舗で電子レシートを順次導入すると発表しました。同社サイトのニュースリリースによると、

内容 購入日付や店名、品目など、通常紙で提供されるレシートを電子化し、お客様のスマートフォンで購入履歴を確認できる仕組みを、6月21日より全国約4,000店舗で順次提供開始。イオンのトータルアプリ「iAEON」で会員コードを表示させてレジでスキャンし支払すると、レシートが電子化され、「レシートレス」アイコンから確認できる。返品や領収書発行にも対応。
狙い レシートの電子化で店舗で使用するロール紙の削減を狙う。同社では紙レシートの削減が二酸化炭素排出量の削減につながるとPRしており、今後エコ効果の可視化にも取り組むと表明している。

 同社は電子レシートの利用を促すため6月21日~8月31日にキャンペーンも実施すると発表しています。


2.ラクスル 消耗品の販売を開始

 ラクスルは6月7日、コピー用紙や封筒など店舗用品・包装資材を提供するサービス「ラクスル 店舗用品・包装資材」を同日より正式に提供開始したと発表しました。同社サイトのニュースリリースによると、

内容 「印刷以外もラクスルで合わせ買い」と銘打ち、店舗用品・包装資材・事務用品を提供するECサイトを開設。
狙い 中小企業の顧客がラクスルの印刷のアカウントで消耗品等を買えるようにし、顧客の消耗品の仕入にかかる手間やコスト、決済情報を様々なサイトに登録することによるセキュリティリスクなどを低減することを狙う。

 コピー用紙や封筒、紙袋、ペーパータオル、OPP袋など店舗運営で必要となる数々の消耗品をラインナップに揃え、また、初回利用には50%オフクーポンを配布するなどして、同社は新しいサービスの利用を呼び掛けています。


※文中敬称略
※文章は2024年6月18日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。