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華陽ニュース

紙の市況(2024.9)詳細 9月30日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.王子HDが停機発表

 王子ホールディングスは9月20日、マシン1台の停機予定を発表しました。

対象機 王子製紙 苫小牧工場 9号マシン
主要生産品種 塗工紙、微塗工紙
生産能力 年産83千トン
停止時期 2025年3月末予定

 同社は停機の理由について、グラフィック用紙の需要動向を踏まえた最適生産体制構築の一環と説明し、現行生産品は自社内の他マシンへの生産移管を進めていくとしています。
 

【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.TOPPAN 「現代日本のパッケージ2024」展

 TOPPANホールディングスは9月19日、「現在日本のパッケージ2024」展を開催すると発表しました。

会期・時間 2024年10月5日~12月8日 10:00~18:00
※毎週月曜日は休館、祝日の10月14日、11月4日は開館のため、翌日の10月15日、11月5日が休館
会場 東京都文京区 印刷博物館P&Pギャラリー
趣旨 生活のなかで身近な印刷物のひとつであるパッケージを製作する現場が、近年のSDGsへの貢献など時代のニーズに対し積み重ねてきた試行錯誤の成果を、日本開催のパッケージコンクールの受賞作を中心に紹介。

 今回は第63回ジャパンパッケージングコンペティション、2024日本パッケージングコンテスト(第46回)ジャパンスター賞・包装技術賞、JPDAパッケージデザインインデックス2024の受賞作品から選ばれたパッケージ等が展示される予定と告知されています。
 
 
【その他の市況/状況】

1.大王製紙 ストーン調のCNF複合樹脂原料を開発

 大王製紙は9月18日、ストーン調で意匠性のあるセルロースナノファイバー(CNF)複合樹脂原料『ELLEX‐R10』を開発し、2024年11月より販売開始すると発表しました。『ELLEX‐R10』は大王グループが販売する「エリエール ディスペンサー 卓上ペーパータオル中判・小判兼用」の本体にも採用され、CNFの軽くて強い特長から剛性が向上するとともに、約14%の減プラスチックに相当する設計を実現したとのこと。同社のCNFは医療・ヘルスケア、紙・日用品、自動車部材など7分野での商品化を目指した用途開発が進められており、同社は2025年度には生産能力を年2,000トンに引き上げる複合樹脂の商用プラントを稼働させ、CNF事業の拡大を目指すとしています。
 
 
【ESG、SDGs等関連】

1.王子・日本 「統合報告書2024」を公開

 日本製紙は9月17日、王子ホールディングスは20日に、各グループの「統合報告書2024」を公式サイトにて公開しました。内容の一部を抜粋すると、

王子HD 「一目でわかる王子グループ」として、国内外に広がる王子の森や市場動向、事業の全体像などを、また戦略については価値創造ストーリーをロジックツリーで図式化し事業ごとに分かりやすく掲載しているほか、「グリーンイノベーション」の項で森林資源を活用した環境配慮型製品や木質由来新素材との取り組みについて、「環境・社会課題への対応」の項で温室効果ガス排出削減の取り組みや気候関連情報・自然関連情報開示などについて詳述している。
日本製紙 「総合バイオマス企業」としての持続的成長と循環型社会構築の実現を目指す価値創造プロセス、「森林資源の循環」「木質資源の循環」「製品リサイクル」という3つの循環を核とするビジネスモデルを印象的な図で表現。グループ理念の実現に向けた取り組みや重要課題を、財務、自然、人的、知的、製造、社会・関係の6つのカテゴリーに区分した資本ごとの概況や取り組み、SDGsとの関連を明確にした進捗プロセスの図などで分かりやすく説明している。

 両社とも統合報告書を「ステークホルダーの皆様との対話のためのツール」と位置付けており、両社の財務・非財務情報について分かりやすく伝え理解を深めて頂くために工夫を凝らしています。
 

 
【印刷、製品、その他関連】

1.DNP 新しい高遮光パッケージの提供を開始

 
 大日本印刷は9月25日、アルミ箔を使わなくても全光線透過率が1%未満の高遮光パッケージの提供を2024年9月に開始すると発表しました。公式サイトの発表によると、

製品内容 材料や加工条件の工夫などでDNP独自の印刷技術を生かして、アルミを使わずにアルミ蒸着フィルムと同等の高い遮光性を実現。遮光印刷を施したDNPの既存パッケージと比較して10倍以上の遮光性。
特長 ・高い遮光性。全光線透過率がアルミ蒸着PETフィルムと同等の1%未満で劣化しやすい加工食品のパッケージに強みを発揮。
・同社製の従来の遮光印刷のパッケージより鮮明な絵柄。
・「DNP透明蒸着フィルムIB‐FILM🄬」との組み合わせで内容物の賞味期限を延長。
・アルミ箔使用製品からの切り替えで、製品ライフサイクル全体での二酸化炭素排出量を約25%削減(同社調べ)。
・アルミ箔不使用のため、レンジ対応の食品用の包材にも使用可能。

 同社はレトルト食品や冷凍食品、電子レンジ対応食品などにこの新包材を提供していくほか、同社独自のコンバーティング技術を活かして他の分野にも展開していくとしています。

※文中敬称略
※文章は2024年9月26日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。