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紙の市況(2024.11)詳細 11月30日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.王子HD 「エコプロ2024」出展

 王子ホールディングスは11月13日、12月4~6日に開催される「エコプロ2024」にグループの王子エフテックスと王子タックが出展すると発表しました。同社サイトの発表によると、

エコプロ2024 持続可能で強靭な社会の構築を目指す「SDGs Week EXPO」の中核となる環境総合展。今年のテーマは「『SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)』の推進」。
2024年12月4~6日の3日間、東京ビッグサイトで開催。
王子エフテックス ・非フッ素耐油紙「O‐hajiki」
・容易なヒートシール機能を持つ紙製パッケージ素材「SILBIO EZ SEAL」
・野菜包装用OPPフィルム「カルフレッシュ」
・「セルロース樹脂複合ペレット」
等を出展予定
王子タック ・生分解性バイオマスフィルム使用の「エコマリンタックTM」「バイオマスホロフィルムタック」
・見た目は上質紙なのに水をはじく「レインガードタック」
・PET、ガラス等リサイクル容器ラベル用「お湯はがれTM」
等を出展予定

 同展には中越パルプ工業やAPP Japan等も出展を予定しています。

【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.レンゴー コート白ボールを値上げ

 レンゴーは11月18日、コート白ボールの値上げを発表しました。

対象品種 コート白ボール 全品種
改定幅 現行製品価格より10%以上
実施時期 2025年1月1日納品分より
改定理由 ・原材料価格・燃料価格の高止まり
・2024年問題に関わる物流経費の上昇
・人員確保に伴う労務費の増加

 コート白ボールは食品や日用品など身近な消耗品のパッケージに使用されており、影響が注目されます。
 
【その他の市況/状況】

1.工業塩が値上げ

 11月20日付の日本経済新聞紙上にて、工業塩の2025~26年契約の価格交渉が厄1割上昇で決着したと報じられています。世界的な人手不足で生産国の人件費や設備修繕費などが上昇したことなどが理由とのこと。工業塩はカセイソーダなどの原料となる素材で、コスト増分を製品に転嫁したいとする化学メーカーの声も紹介されています。
 

2.製紙用パルプの対日価格が上昇

 11月20日付の日本経済新聞紙上にて、製紙用パルプの10月積み対日価格がN‐BKPで前月比1%上昇したと報じられています。上昇は5か月ぶりとのこと。L‐BKPも9月積みまで3か月連続で下落していたのが10月積みは横ばいとなったと記事では伝えられています。
 

3.家庭紙の店頭価格が横ばい

 11月23日の日本経済新聞紙上にて、家庭紙の10月の店頭価格が全品目で前月比横ばいとなったと報じられています。東京紙商家庭紙同業会の調べによるもので、4か月連続の横ばいとのこと。トイレ紙の卸販売が停滞する一方、ネット販売やふるさと納税の返礼品として家庭紙を求める動きは増えていると、家庭紙の流通に変化がみられる動きを記事では伝えています。
 

4.王子HD CNFを活用した全熱交換エレメントの販売を開始

 王子ホールディングスは11月19日、グループ会社の王子産業資材マネジメントが、セルロースナノファイバー(CNF)を部材に利用した、新たな全熱交換エレメントの販売を開始すると発表しました。室内の空気の健康・快適さにこだわりつつ省エネルギーも意識する近年の傾向から、全熱交換型換気システムの需要は拡大しているとのことで、その部品である全熱交換エレメントの膜にCNFを活用することで、高い気密性による室内の空気の質の向上と、全熱交換効率の向上による省エネルギーの両立が実現されるとのこと。同社が開発・販売する全熱交換エレメントは北米向け全熱交換換気システムへの採用が決まっており、同社は引き続きお客様のニーズに合わせた様々な空調製品の開発と提供を進め、持続可能社会の実現に貢献していくとしています。
 
【ESG、SDGs等関連】

1.日本製紙の社有林でニップンが植樹

 日本製紙は11月18日、同社の群馬県みなかみ町の社有林で10月30日に株式会社ニップンが植樹を行ったと発表しました。社員や取引先の環境意識の高まりを期待した新たな取り組みとして2社が8月に締結した覚書に基づくもので、植林とともに、森林の多面的機能や水資源の維持、生物多様性の保全の重要性について知識向上と意識啓発を図る勉強会も実施されたとのこと。同社は水源涵養機能、森林の二酸化炭素吸収やカーボンクレジット、企業による植林活動等について講演したと説明しています。
  

【印刷、製品、その他関連】

1.琵琶湖周辺の環境課題を学べるカードゲーム

 
 大日本印刷は11月22日、NPO法人SoELa、近畿大学とともに、琵琶湖周辺の環境課題が学べるカードゲームを制作したと発表しました。公式サイトの発表によると、

マイアース 慶応義塾大学の学生とDNP社員が企業内起業で設立した合同会社『マイアース・プロジェクト』が2008~2016年に販売していたトレーディングカードゲーム(現在は販売終了)。
強固な生態系を構築して地球を守る「地球守護プレイヤー」と、温暖化で地球を滅ぼす「環境破壊プレイヤー」に分かれて対戦し、遊びながら人と環境のつながりを学ぶことができる。カードには生物や環境課題が写真や解説文で表記されており、図鑑としても楽しめる。
マイアース
琵琶湖パッケージ
「マイアース」の琵琶湖版。3者連携の「循環型社会へのアプローチプロジェクト」により制作。特に近畿大学の学生が主体となって琵琶湖の生態系や環境問題を調査し、カード内容を考案。
地域に生息する生物などに関するカードと、地域の環境課題となる自然破壊に関するカードを使い、生態系側と環境破壊側に分かれて対戦するロールプレイング型のカードゲーム。
琵琶湖に生息する絶滅危惧種や、琵琶湖特有の自然現象(全層循環)などが登場し、琵琶湖周辺の生態系と環境問題について学べる。
ワークショップ 11月30日に大阪府八尾市で開かれる「爆やお博」(大阪・関西万博の機運醸成イベント)にブースを出展。カード制作に携わった学生がゲームの概要や対戦ルールの説明などを行い、カードゲームを体験しながら環境保全に対する意識の向上につなげていく。

 現在同社は「マイアース」について国内各地域の環境に特化したパッケージを制作しているとのことで、ワークショップや体験会を通じて生物多様性の普及啓発や環境教育に活用していると説明しています。

※文中敬称略
※文章は2024年11月27日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。