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華陽ニュース
紙の市況(2024.12)詳細 12月27日更新分
【洋紙 国内の紙の市況/状況】
1.三菱製紙 中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)骨子を発表 |
三菱製紙は12月23日、2026年3月期~2028年3月期の中期経営計画の骨子を発表しました。同社は2028年4月に創立130周年を迎えるとのことで、基本方針を「”SHINKA”する130年NEXT企業へ」とし、
技術・研究のSHINKA(深化)で 特色ある機能・環境配慮商品を拡大、 生産性向上を加速 |
機能商品事業では高付加価値化とグローバル展開でSHINKAするとして ・感熱紙やインクジェット用紙など情報・画像メディアのシェア拡大(深化) ・水処理幕機材やセパレータ、フィルター等の機能性不織布製品のトップランナーへ(進化) に、 紙素材事業では環境配慮商品拡販と生産性向上でSHINKAするとして ・包装材・国産材100%パルプの用途拡大(深化) ・八戸・北上工場の運営一体化(進化) に取り組むとする。 |
地球環境への貢献をSHINKA (進化) |
・業界最先端の化石エネルギー効率を実現する基盤づくり ・GXへの挑戦として、次世代エネルギーやCCSの導入で地域・異業種と連携した活動を推進 ・GXリーグやTCFD等を通じ透明性を向上させて、気候変動リスクに取り組み のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを加速とする |
ガバナンス・人的資本経営のSHINKA (浸化) |
ステークホルダー・エンゲージメントの向上や人財確保、従業員への成長機会の提供、デジタル革新の推進などガバナンス・人財に対する取り組みを行うとする |
の3つの「SHINKA」の骨子について説明しています。
次期中期経営計画の目標値や中長期での目標数値も明らかにしており、次期中期経営計画の詳細については2025年5月に発表するとしています。
【板紙・パッケージに関する市況/状況】
1.TOPPANHD 米包装大手から一部事業取得で合意 |
TOPPANホールディングスは12月19日、米国大手パッケージ企業のSONOCO社と、SONOCO社の軟包装事業、熱成形容器事業及び関連事業に属するSONOCO社子会社株式及び資産を取得することで合意し、契約を締結したと発表しました。SONOCO社の対象事業は北米・南米を中心に強力な顧客・構造基盤を有しているとのことで、TOPPANは対象事業の取得によって米州での顧客基盤・製造拠点を活かしたサステナブルパッケージの展開により、全世界でブランドオーナーのサステナブルニーズに応え、事業を拡大していく構想であるとのこと。事業取得は2025年4~6月の予定と同社は発表しています。
【その他の市況/状況】
1.段ボール古紙の輸出価格が低下 |
12月20日の日本経済新聞紙上にて、段ボール古紙の12月積み輸出価格が前月比で10%下がったと報じられています。関東製紙原料直納商工組合が実施したベトナム向け輸出の入札によるもので、下落は3か月連続とのこと。アジアでの段ボール製品の需要停滞と過剰供給、コンテナ運賃の上昇などが背景にあると記事では指摘されています。
2.日本製紙 MFC活用の法面モルタル吹付工法を開発 |
日本製紙は12月23日、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)を用いた新しい法面モルタル吹付工法をライト工業株式会社とともに開発したと発表しました。MFCはCNFより解繊処理を弱めに実施することで繊維幅が太くなるセルロース繊維で、解繊度を変えることで粘度や透明度、保水度、ゲル感等を用途に応じて製造できる繊維であるとのこと。法面にモルタルを吹き付ける工法では施工後の乾燥によるひび割れが課題でしたが、粘性のあるTEMPO酸化MFC水分散体を散布することでモルタル表面に水を保持することができ、ひび割れの抑制に効果があったと、同社は新開発の工法について説明しています。
【ESG、SDGs等関連】
1.王子HD 「Dow Jones Sustainability Asia Pacific Index」の構成銘柄に選定 |
王子ホールディングスは12月24日、世界の代表的なESG投資指数である「Dow Jones Sustainability Indices」の「Dow Jones Sustainability Asia Pacific Index」の構成銘柄に選定されたと発表しました。選定は5年連続とのこと。同社サイトの発表によると、同指標はESG投資の代表的なもののひとつで、企業を経済・環境・社会の3つの側面から分析し、持続可能性に優れた企業が構成銘柄として選ばれるものとのことで、同社は環境、社会、経済に配慮した様々な取り組みを通して「持続可能な社会の実現」に取り組んでいくとしています。
【印刷、製品、その他関連】
1.日本紙パルプ商事 「ギフトブック・キャンペーン2025」に協賛 |
日本紙パルプ商事は12月18日、文化通信社主催の「ギフトブック・キャンペーン2025」に協賛していると発表しました。キャンペーンの一環として発行される、各界の著名人が、自分が影響を受けた3冊の本を学生や新社会人に紹介する紹介するギフトブックカタログ『先輩の本棚』が毎年評判を呼んでおり、同社は「『本を贈る』文化の定着を目指す」というキャンペーンの目的に賛同し、2021年から協賛を行っているとのこと。
『先輩の本棚』2025は首都圏を中心とした高校3年生や首都圏の自治体が開催する「二十歳のつどい」に出席する若者などに無料で配布されますが、キャンペーン期間の2024年12月20日~2025年3月14日に全国の書店で1,000円以上購入するとプレゼントが当たる「本を買って当てよう!」も同時開催中で、同社グループのトイレットペーパー「Smart Flower」もプレゼントのひとつとなっています。
※文中敬称略
※文章は2024年12月25日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。