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華陽ニュース

不定期配信 江戸ネタ 5

今年の大河ドラマ「べらぼう」の舞台、江戸。文化の担い手が特権階級から町民へと広がり、政治に与える経済の影響が拡大するこの時代には、様々な文化や風習が新しく生まれ、現代へとつながっているものもあります。
江戸時代の出版や紙、風習や様々な出来事などについて、小ネタをご紹介致します。

5 「奥付」

 本の最後の、タイトルや著者名、出版社名、出版年月日などが記されている部分を「奥付」と言いますが、この奥付(奥書)に作者と版元の実名を記すこと、と義務付けられたのが江戸時代、蔦重が活躍する少し前の、1722年のことでした。当時の町奉行、大岡忠相が出版に関する様々な法規制を発令したうちのひとつで、これにより海賊版を規制し、出版権を持つものを明確にする狙いがあったと言われています。ただ権利があれば責任も生じますので、本の内容がお上の意に沿うものでなければ作者と版元は処罰されたそう。四代将軍・家綱の時代から幕府は板木屋や問屋に次々に規制を申し渡すようになっており、出版物が市井に与える影響を重要視していた様子がうかがわれます。