1. HOME
  2. KAYO NEWS
  3. 紙の市況(2025.3)詳細 3月31日更新分

KAYO NEWS

華陽ニュース

紙の市況(2025.3)詳細 3月31日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.王子HD 森林ファンドを設立

 王子ホールディングスは3月26日、海外植林地面積拡大を目的とし、グローバルに森林投資を行うコーポレートの森林投資ファンド「Future Forest Innovations ファンド」を設立したと発表しました。オーストラリアに本社を置くニューフォレスツ社と提携、当ファンドにおいて、東南アジア、北米、中南米、アフリカ地域で合計約7万haの植林地を取得し、その植林地で2030年までに年間150万トンの二酸化炭素を固定化することを目標としているとのこと。同社はこのファンドの運用を通して、森林管理のエキスパートであるニューフォレスツ社の多様な知見と王子HDの森林管理経営哲学を反映・融合させ、木質資源利用製品の開発、森林の公益的機能の可視化等を進め、次世代に向けた森林資源活用、森林の付加価値向上を行っていくとしています。
 

【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.レンゴー アラブ首長国連邦の重量物包装資材メーカーの持分を取得

 レンゴーは3月17日、グループ会社のトライウォール社がその100%出資子会社を通じてPronk Multiservice ME社(プロンク・ドバイ社)の持分100%を取得したと発表しました。プロンク・ドバイ社はアラブ首長国連邦のドバイに本社を置き、木材梱包を中心とした重量物包装資材の製造・販売、ラッシングサービスなどを行っている会社とのこと。レンゴーはプロンク・ドバイ社をグループに加えることで、さらなる供給体制の充実を図り、多種多様なニーズに応える包装並びにサービスを提供していくとしています。
 

【その他の市況/状況】

1.「入居者が捨てるゴミ」を「入居者が使うトイレットペーパー等」に再生するサービス

 日本紙パルプ商事は3月25日、同社グループ会社のコアレックス信栄と三井不動産レジデンシャルが共同で、「入居者が捨てるゴミ」を回収して「入居者が使うトイレットペーパー等」にリサイクルしマンション共有部分に納品するサービスを2025年3月14日に開始したと発表しました。レシートや空き箱など資源回収に出せない雑がみ類を専用回収袋に入れてマンションゴミ置き場に出しておくとコアレックス信栄が回収、同社の独自技術でトイレットペーパーやティッシュペーパーにリサイクルする仕組みで、同社算定によれば焼却する場合と比較して約6割の二酸化炭素排出量削減が見込まれるとのこと。この取り組みは三井不動産レジデンシャルグループが管理する豊洲エリアの2物件約800戸においてスタートし、今後は三井不動産レジデンス社が提供する新築分譲マンションや同社グループが管理する竣工済みマンション等に順次拡大していく予定であるとされています。
 

【ESG、SDGs等関連】

1.大王製紙「えがおにタッチPROJECT」で売上の一部を寄付

 大王製紙は3月24日、「えがおにタッチPROJECT」として2024年10月16日~12月15日に杏林堂薬局と協同で行ったキャンペーンの売上の一部、766,150円を「ふじのくに未来財団」に2025年3月21日に寄付したと発表しました。公式サイトの発表によると、「ふじのくに未来財団」は静岡県内の子どもの居場所づくりや貧困家庭、学習支援など様々な社会課題の解決に取り組んでいるNPOや各種団体と個人・企業の想いをつなぐ公益財団法人で、大王製紙と杏林堂の協働によるキャンペーン及び寄付は昨年に引き続き第二弾となるとのこと。寄付贈呈式に出席した大王製紙の小川氏は「第二弾を開催できたのは地域の皆様のご理解やご支援を頂いた結果」と感謝を述べています。
 

2.日本製紙 鳥取県における「新時代の森林資源造成及び循環利用」の取り組みに関する共同宣言に署名

 日本製紙は3月26日、鳥取県、鳥取県森林組合連合会、鳥取県山林樹苗協同組合、株式会社新日本海新聞社と共同で、「新時代の森林資源造成及び循環利用」の取り組みに関する共同宣言に署名したと発表しました。鳥取県の人工林の60%以上が50年生の伐期を迎え森林資源の有効利用と新たな森林づくりを進める必要があること、二酸化炭素排出削減・吸収源対策や花粉症対策が喫緊の社会的課題であることなどを背景に、

・森林の適正な管理・保全により、森林の持つ公益的機能の維持・増進と生物多様性の保全に努め、ネイチャーポジティブを実現
・国産材の利活用の促進で、林業の持続的発展と地域経済の活性化を実現
・成長、材質、強度などの特性に優れ、花粉症対策にも効果の高い品種の開発と、優良な苗木の安定的な生産及び供給
・持続的な林業経営が可能となるような施業の効率化、新技術の導入・開発

を目標に掲げて、『持続可能な森林資源の循環利用への転換』を目指す共同宣言であるとのこと。
 同社は共同宣言の趣旨に賛同し

・エリートツリーの安定供給
・社有林の持続可能な管理
・木質資源の利用拡大
・古紙リサイクルの推進

の取り組みを推進し、鳥取県における持続可能な森林経営と地域社会の発展に貢献するとともに、循環型社会の実現に向けた取組を引き続き進めていくとしています。
 

【印刷、製品、その他関連】

1.大日本印刷、5月より「DNP復刊支援サービス」の提供を開始

 大日本印刷(DNP)は3月21日、「DNP復刊支援サービス」の提供を開始すると発表しました。重版が未定の文庫のデータをDNPが出版社から収集して書店に提供、書店員がそのデータを参照して売りたい本を発掘し、DNPのデジタル製造による少部数印刷で復刊し販売する試みで、2025年5月1日からこのサービスを活用した文庫の復刊販売を複数の書店で実施し、生活者が名作文庫と出会う機会を創出するとのこと。
 この試みは、書店員が売りたい本を選ぶことで書店起点の戦略的な販促キャンペーンを可能とすると同時に、製造・流通の適正化を図る、”未来の出版流通プラットフォーム”の構築につながる第一弾の取り組みとのことで、同社は今後は文庫以外の出版物情報のデータベース化と、多くの書店や出版社が利用可能なオープンなインフラの構築を目指し、本に関係する多くの人々との「対話と協働」で「本が読まれ続ける未来」の実現に貢献していくとしています。

※文中敬称略
※文章は2025年3月27日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。