1. HOME
  2. KAYO NEWS
  3. 紙の市況(2025.4)詳細 4月10日更新分

KAYO NEWS

華陽ニュース

紙の市況(2025.4)詳細 4月10日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.王子・竹尾 木材パルプ由来の不織布シート販売開始

 王子ホールディングスは4月7日、同社グループの王子キノクロスが開発した不織布「キナリトLEAF」のシート販売を株式会社竹尾を窓口として開始すると発表しました。同社と竹尾のサイトに掲載された発表によると、

キナリトLEAF 木材由来のパルプを主原料とする不織布。
・素材の自然な風合いとあたたかみのある質感
・立体形状の成形加工が可能
・深い凹凸のエンボスが可能
が特徴。
箔押し、印刷、縫製、熱プレス成型などの加工と組み合わせることで、新しい表現が可能。
シート販売 竹尾より
545X788mm 116kg(270g/㎡)、160.5kg(374g/㎡)、247.5kg(576g/㎡) の規格品として販売。
少ロットのパッケージ、ラベル、タグなどに使用可能。
注意事項 ・紙としてリサイクルすることはできない
・オフセット印刷には不向き
販売開始日 2025年4月7日

 同社は「キナリトLEAF」活用による新たなデザイン表現を楽しんでほしいと呼びかけています。 
 
 
【その他の市況/状況】

1.2月末の古紙在庫が減少

 3月28日付の日本経済新聞紙上にて、2月末の古紙在庫が前月末比8.7%減少したと報じられています。関東製紙原料直納商工組合32社分のまとめ(32社分)によるもので、減少は2か月連続とのこと。紙・板紙製品は市場の縮小傾向が続いており、段ボール・新聞・雑誌のどの品種でも仕入量・出荷量ともに減少が続いていると記事では伝えられています。
 

2.ENEOS 高硫黄C重油5%値上げ

 3月29日付の日本経済新聞紙上にて、ENEOSと大口需要家の高硫黄C重油の1~3月期の価格が2024年10~12月期比5%上昇で決着したと報じられています。原油価格の上昇と円安進行を反映したと記事では値上げの背景について説明しています。
 

3.中パのCNFが化粧品原料に採用

 中越パルプ工業は4月3日、同社開発のセルロースナノファイバー「nanoforest🄬」が株式会社JIMOSの新製品「ノンケミカルUVミルク50+」の化粧品原料に採用されたと発表しました。同社竹由来CNFを化粧品原料として配合することで

・「なめらかな使い心地」「高い紫外線カット効果」「耐水性」「肌へのやさしさ」「長時間保湿」を実現
・日本国内の竹由来CNFであることから竹害など地域の環境問題解決や持続可能な社会の実現に一助

といったことが期待できるとして今回の採用につながったとのこと。
 同社は今後もCNFの実用化を推進し、環境にやさしい社会の実現に向けて取り組んでいくと表明しています。
 

【ESG、SDGs等関連】

1.日本製紙 「バイオコンポジットトレー」を田子の浦港漁協食堂へ寄贈

 日本製紙は3月27日、静岡県富士市及び田子の浦漁業協同組合と連携して、田子の浦漁協食堂へバイオコンポジットトレーを寄贈すると発表しました。同社サイトの発表によると、

バイオコンポジット 石油由来樹脂の一部をバイオマス素材に置き換えた新素材。温室効果ガス排出削減への貢献が期待されている。
日本製紙は同社独自のセルロースパウダー製造技術を活用し、三井化学と共同で、強度・成形性・リサイクル性に優れたバイオコンポジットを開発してきた。
取り組み概要 バイオコンポジットを使った食堂用のトレーを成形。2025年4月に田子の浦漁協食堂で使用を開始し、社会実装の実証実験を進めるとともに、シーズン終了後の12月に使用状況を調査、破損等がある場合はトレーを回収しマテリアルリサイクルで資源循環できるかを確認する。
今回の取り組みを「バイオコンポジットトレーを通じた資源循環と林業発展を目指す活動」と位置付け、プラスチック製品の低炭素化、温室効果ガス排出量削減、リサイクル、森林資源の活用を通じた林業の発展への貢献を目的として、バイオコンポジットトレーの普及を目指す。
富士市 2020年に「SDGs未来都市」に選定され、木質由来の新素材の活用にも積極的に取り組んでいる。今回の取り組みも富士市のSDGsプロジェクトの一環で、同市の持続可能な社会づくりに貢献する。

 同社は引き続き、地域社会と連携し、持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組んでいくとしています。
 

【印刷、製品、その他関連】

1.紙製人工芝を子供向けスペースに設置

 国際紙パルプ商事は3月28日、同社が販売する紙製の人工芝「OJO⁺ペーパーターフ」が埼玉県狭山市の商業施設「そよら入曽駅前」内に出店した子供向けアミューズメント空間「kininal ASOBLE(キニナル アソブル)」内に敷設され、3月21日に公開されたと発表しました。「kininal ASOBLE(キニナル アソブル)」は株式会社ワイドレジャーが出店した子育て家庭を対象とした遊び場で、「OJO⁺ペーパーターフ」の

・吸放湿性(湿気を吸いやすく、乾きやすい性質)に優れ、肌触りが優しい
・紙製ながら特殊な製法で防炎認証を取得
・優れた環境配慮性

が評価され、子どもたちが靴を脱いで遊ぶスペースに敷かれているとのこと。
 同社は、「OJO⁺ペーパーターフ」が民間の事業者に採用されるのは初めてだとしています。

※文中敬称略
※文章は2025年4月8日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。