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紙の市況(2025.4)詳細 4月20日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.アジアで印刷用紙が下落の報道

 4月11日付の日本経済新聞紙上にて、アジアの印刷用紙価格が下落したと報じられています。4月の日本製の上質紙の輸出価格は3月比で5%程度、上質コート紙は同3%程度下落したとのこと。日本製の主な輸出先であるアジアにおいて、中国での経済全般のデフレ傾向、デジタル化による需要減、生産拡大などにより取引価格が低迷していることや原料パルプの値下がりなどが影響していると記事では指摘されており、トランプ政権の追加関税の影響も懸念されていると伝えられています。
 

【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.レンゴー関連作品が「iFデザイン賞」受賞

 レンゴーは4月9日、同社が関わったパッケージの1作品が、世界三大デザイン賞の一つである「iF DESIGN AWARD 2025」のパッケージ部門において「iFデザイン賞」を受賞したと発表しました。受賞したのは株式会社江戸屋の北海道物産品ギフトのパッケージで 

・「HOKKAIDO」の文字デザインの一部を取り扱う品物で表現し、北海道産をアピール
・無彩色のグレー地の段ボールに白インキで北国の雪空を想起させ、ギフトらしい特別感のあるデザインに
・段ボールのライナには同社の、古紙利用率100%、無漂白・無着色の環境配慮型再生紙「スマート エコ ホワイト」を使用

が特長とのこと。
 同社は今後もクリエイティブなデザインやパッケージの総合的な提案により、お客さまの商品開発、販売促進、イメージアップに貢献していくと表明しています。

2.東洋製缶 紙容器を水平リサイクル

 4月11日付の日本経済新聞紙上にて、東洋製缶グループホールディングスが紙容器の水平リサイクルを始めると報じられました。紙容器を成形後にフィルムを貼り付け、使用後フィルムを剥がして回収することで、剥がしたフィルムは燃やして熱エネルギーに変える「サーマルリサイクル」に、紙容器は日本製紙の専用設備や製紙設備で破砕・洗浄してからパルプに再生し、紙容器の原料として使用する「水平リサイクル」を実施するということ。従来、紙をフィルムでラミネートしてから成形していた方式を、成形後にフィルムを貼り付ける方式に変えることで、リサイクル可能な状態で、使用により紙部分が汚れないように保護すると同時に、フィルムを剥がしやすくして分別を促すというもので、同社はBリーグの会場などで分別回収の実証実験を始めていますが、今後家庭内での利用の段階へと進んだ場合、回収をどうするかといった課題があると記事は指摘しています。
 

3.王子 FDA対応の「O‐hajiki」販売開始

 王子ホールディングスは4月15日、非フッ素系耐油紙「O‐hajiki」シリーズの新製品として、米国食品医薬品局(FDA)の規格に適合した「O‐hajiki(W)FDA CoC」の販売を開始したと発表しました。「O‐hajiki」は

・フッ素系耐油剤を使用していない
・従来のフッ素系耐油紙と同等の耐油性能
・フライドポテトやドーナツなど油分を含む食品の包装や敷き紙に適している
・ポリエチレンラミネート紙の代替として使用した場合、包装資材の脱プラに貢献

を特長とする耐油紙ですが、新製品の「O‐hajiki(W)FDA CoC」は

・化学成分と製品安全性がFDAの規格に適合
・FDA基準適合の書面発行に対応

で、海外展開にも対応可能とのこと。
 同社は今後も環境配慮型の紙素材開発や木質由来の新素材開発を進め、持続可能な社会に貢献していくとしています。
 
 
【その他の市況/状況】

1.段ボール古紙輸出入札価格が上昇

 4月10日付の日本経済新聞紙上にて、4月積みの段ボール古紙輸出入札価格が前月積み比で14%上昇したと報じられています。関東製紙原料直納商工組合の実施によるもので、前回3月積みの入札では2月積み比13%下落していたことから、2か月ぶりの上昇となるとのこと。トルコや欧州での段ボール原紙生産設備の新稼働が需給を引き締め、アジア向け価格にも波及したと記事では分析しています。
 

2.家庭紙店頭価格が横ばい

 4月15日付の日本経済新聞紙上にて、家庭紙の3月の店頭価格が全品目で前月比横ばいとなったと報じられています。東京紙商家庭紙同業会の調べによるもので、横ばいは9か月連続とのこと。家庭紙大手各社はこの2月、4~5月頃の値上げを打ち出して交渉中ですが、値上げ時期にも対象品目にもばらつきがあると記事では伝えています。
 

3.輸入パルプ価格が上昇

 4月16日付の日本経済新聞紙上にて、製紙用パルプの3月積み対日価格が上昇したと報じられています。北米産N‐BKPは前月積み比2%、南米産L‐BKPはどう3%の上昇で、ともに3か月連続の上昇とのこと。北米のパルプメーカーが採算改善のため値上げを打ち出し、中国企業も購買を進めていることが背景にあると記事では分析していますが、景気減速や米中相互関税の影響への懸念など、先行きは不透明な状況が続いています。
 

【ESG、SDGs等関連】

1.レンゴー 今年も「国立極地研究所南極観測パートナー企業」に認定

 レンゴーは4月9日、昨年に引き続き「国立極地研究所南極観測パートナー企業」に認定されたと発表しました。同社は1956年の第1次南極地域観測隊から継続して物資輸送用段ボールを提供し、観測隊の調査・研究活動を支援し続けているとのことで、南極観測の活動の重要性が高まるなか、同社は段ボール提供を通して観測隊の活動を支え続けていくと表明しています。
 

【印刷、製品、その他関連】

1.万博会場内施設に紙製人工芝

 国際紙パルプ商事は4月11日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で株式会社ワイドレジャーが出展する「遊んでい館?」内に、同社が販売する紙製の人工芝「OJO⁺ペーパーターフ」が敷設されると発表しました。「遊んでい館?」の中心に75平方メートルの「OJO⁺ペーパーターフ」を敷き、「未来の公園」をイメージした遊具が設置されるとのこと。マニラ麻からつくった糸を原料とする「OJO⁺ペーパーターフ」は紙の持つ吸放湿性を備えており、肌触りが良く、安全で快適なあそび場を形成するのに適していることが採用につながったとのことで、来場者のだれでも遊ぶことができると同社は説明しています。

※文中敬称略
※文章は2025年4月17日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。