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華陽ニュース
紙の市況(2025.4)詳細 4月30日更新分
【洋紙 国内の紙の市況/状況】
1.王子グループ、「【関西】サステナブルマテリアル展2025」出展 |
王子ホールディングスは4月17日、グループの王子エフテックスと王子キノクロスが5月14~16日にインテックス大阪で開催される「【関西】サステナブルマテリアル展2025」に合同出展すると発表しました。同社によると、同展は、高機能素材Week内で開かれる、関西で最大級のサーキュラーエコノミー・脱炭素社会実現に向けたサステナブル材料の総合展とのことで、非フッ素耐油紙「O-hajiki」やサステナブルな不織布の「キナリト」など、両社がそれぞれに独自技術を活かした、さまざまな用途でサステナビリティの実現に貢献する商材の数々を紹介するとのこと。同展は完全事前登録制とのことで、同社は事前の来場登録を呼びかけています。
【板紙・パッケージに関する市況/状況】
1.日本紙パルプ商事海外子会社がオセアニアで軟包装材事業譲受 |
日本紙パルプ商事は4月16日、同社連結子会社でオーストラリアに本社を置くBall & Doggett Pty Ltdが、同じくオーストラリアのCaspak Products Pty Ltdの事業を譲受したと発表しました。Caspakはオーストラリアで食品包装を中心とした軟包装材を製造・卸売する会社で、今回の事業譲受は軟包装材などの高付加価値商材の販売強化を掲げる日本紙パルプ商事グループの「中期経営計画2026」の方針に基づいたものとのこと。同社は今後もグループ全体での各事業分野の強化を推し進め、さらなる成長を目指すとしています。
【その他の市況/状況】
1.関東の3月末古紙在庫が増加 |
4月19日付の日本経済新聞紙上にて、関東の3月末の古紙在庫が前月末比6.3%増加したと報じられています。関東製紙原料直納商工組合のまとめによるもので、3か月ぶりの増加とのこと。年度末で企業や家庭からの古紙の発生量が増加したことが要因と記事では指摘されており、在庫率が30%前後と高水準の新聞古紙、雑誌古紙では製紙会社の生産調整による原料需要の停滞が影響していると伝えられています。
2.レンゴー バイオエタノール事業で住友林業と協業 |
レンゴーは4月23日、住友林業株式会社との間で、バイオエタノール事業における業務・資本提携を行うことについて基本合意したと発表しました。同社の発表や同日の日本経済新聞掲載の記事によると、
協業の目的 | バイオリファイナリー分野における新規事業展開加速のため。 |
今後の計画 | 2025年12月をめどに合弁会社を設立。再生航空燃料(SAF)の原料となるバイオエタノールを生産、販売する。 レンゴー子会社の大興製紙の工場敷地内に、パルプを糖化・発酵させてバイオエタノールを製造する新会社のプラントを建設する。 |
想定する流れ | ①住友林業が大興製紙に建築廃材や端材由来の木材チップを供給 ②大興製紙で木材チップをパルプに加工 ③新会社のプラントでパルプを糖化・発酵させ、バイオエタノールを製造 |
日本経済新聞の記事によると、製造されたバイオエタノールはSAFの原料として石油元売会社に販売、最終的に製造されたSAFは日本航空など国内の航空会社を中心に供給される見込みとのこと。
新会社のプラントは2027年までに年間2万キロリットルの生産を目指すと同社は発表しています。
【ESG、SDGs等関連】
1.日本製紙「International Sustainable Forestry Coalition」に加盟 |
日本製紙は4月17日、「International Sustainable Forestry Coalition(ISFC)」に加盟したと発表しました。同社サイトの発表によると、
ISFC | 森林所有者や森林投資事業者など、世界の森林関連企業によって2023年に設立された団体。2025年4月時点で日本製紙を含む17社が参加しており、加盟企業が管理する森林は、6大陸37か国、総面積約1,600万ヘクタールに上る。 |
団体の目的 | 持続可能な森林管理を基盤に、森林セクターの意見を集約・発信することで、気候変動、生物多様性の損失、森林面積の減少といった国際的課題に対応することを目的とする。 合わせて、森林の価値の最大化、自然資本会計基準の整備への貢献も目指している。 |
同社はISFCの活動に賛同し加盟することで、世界の森林関連企業とより一層の連携を図り、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化して、森林価値の最大化に貢献していくとしています。
【印刷、製品、その他関連】
1.日経BP、書店と直接取引 |
4月23日付の日本経済新聞紙上にて、日経BPが6月1日より書店との直接取引による書籍の販売を開始すると発表されています。直接取引を支援するブックセラーズ&カンパニーと契約し、店頭販売の活性化や返品抑制を狙うとのこと。出版業界では委託販売制度による返品率の高さが書店や出版社の売上・収益を低下させる一因との見方があり、出版社や書店、ECサイトなどによる、買い切り制や直接取引といった、返品を減らし利益を向上させる取り組みが伝えられています。
※文中敬称略
※文章は2025年4月25日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。