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華陽ニュース
不定期配信 江戸ネタ 10
今年の大河ドラマ「べらぼう」の舞台、江戸。文化の担い手が特権階級から町民へと広がり、政治に与える経済の影響が拡大するこの時代には、様々な文化や風習が新しく生まれ、現代へとつながっているものもあります。
江戸時代の出版や紙、風習や様々な出来事などについて、小ネタをご紹介致します。
10 「大津絵」
一時期、当社で、個人旅行のお土産としてご当地クリップを贈り合うのが流行ったことがありました。軽くて小さくて安価、旅行で持ち歩いても負担にならないというのが理由ではないかと思います。旅行でお土産を買うなら軽いものが良い、というのは江戸時代でも変わらなかったようで、京都や大阪から江戸に行く、あるいは帰る時のお土産の定番が、現在の滋賀県大津市で売られていた「大津絵」でした。お土産需要のほか、道中の護符としても購入されていたそうですが、それに対して、江戸から上方へ、という時のお土産が「錦絵」でした。北斎の『画本東都遊』に描かれた、旅姿の2人の男性が錦絵を買う姿も、お土産品を求めた姿だったのかもしれません。