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華陽ニュース

不定期配信 江戸ネタ 11

今年の大河ドラマ「べらぼう」の舞台、江戸。文化の担い手が特権階級から町民へと広がり、政治に与える経済の影響が拡大するこの時代には、様々な文化や風習が新しく生まれ、現代へとつながっているものもあります。
江戸時代の出版や紙、風習や様々な出来事などについて、小ネタをご紹介致します。

11 「洒落本」

 『吉原細見』『一目千本』『急戯花之名寄(にわかはなのなよせ)』など吉原のガイドブックやパンフレットで出版者としての経歴を歩み始めた蔦重が、初期に得意としていたジャンルのひとつが「洒落本」でした。「洒落本」は吉原を舞台に恋の駆け引きなどを描くジャンルの名称で、文章がメインの書籍でした。
 物事の本質をみようと掘り下げすぎてかえって本質から遠ざかってしまうことを「うがちすぎ」と言ったりしますが、この洒落本の特徴のひとつが「うがち」でした。洒落本の「うがち」とは吉原独特の言葉、風習、流行、人情などを描きだすことを言い、「洒落本」を出版し、ヒットさせることで、吉原に人を呼び込もうとする蔦重のプロデューサーぶりが発揮されたジャンルと言えるかもしれません。