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華陽ニュース
不定期配信 江戸ネタ 14
今年の大河ドラマ「べらぼう」の舞台、江戸。文化の担い手が特権階級から町民へと広がり、政治に与える経済の影響が拡大するこの時代には、様々な文化や風習が新しく生まれ、現代へとつながっているものもあります。
江戸時代の出版や紙、風習や様々な出来事などについて、小ネタをご紹介致します。
14 「袋綴じ」
源氏物語の時代、書籍は「粘葉装(でっちょうそう)」や「綴葉装(てつようそう)」と呼ばれる、二つ折りにした紙の、折った部分を糊付けしたり、糸で綴じたりする方法で製本されていました。これに対し、江戸時代の本は圧倒的に「袋綴じ」が多いそうです。「粘葉装」や「綴葉装」とは逆で、二つ折りにした紙の、折り目とは反対の方を重ねて糸や紙縒りで綴じる製本で、穴の位置や数、糸の通し方などで「大和綴じ」「四ツ目綴じ」「康熙綴じ」など、様々な綴じ方に分かれるとのこと。ちなみに「康熙綴じ」の「康熙」は清の第4代皇帝、康熙帝のことで、学問好きと伝わる一方、「文字の獄」でも知られるこの皇帝が由来とも伝えられています。