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華陽ニュース

紙の市況(2025.6)詳細 6月10日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.特種東海 FAVINI社とのコラボ製品第二弾を発表

 特種東海製紙は6月5日、FAVINI社とのコラボレーションによる海外向け製品の第二弾として、「CLASSY COVERS EVO」の供給を開始したと発表しました。ファンシーペーパーの国内需要が減少を続けるなか、国外での販路拡大に積極的に取り組む同社が、同社規格製品のタントセレクトの一部アイテムを欧米仕様に適応させたもので、FAVINI社の製品ラインのひとつ「CLASSY COVERS」の新ブランドとして、高品質な書籍や高級パッケージの素材としての欧米市場での浸透を目指すとのこと。「EVO」は「進化」の意味を込めてFAVINI社が名づけたサブ・ブランド名で、用紙の独特な風合いや印刷加工との組み合わせによる豊かな表現力がFAVINI社を通じて新たな価値として見出だされることを期待すると同社は表明しています。

※「CLASSY COVERS」「CLASSY COVERS EVO」はFAVINI社の商標です。

 

【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.王子HD パームヤシ空果房パルプ混抄の段ボール原紙が採用

 王子ホールディングスは6月5日、パームヤシ空果房(EFB)パルプ混抄の段ボール原紙が、ユニ・チャーム株式会社インドネシア法人の生理用品の梱包用段ボール原紙として採用されたと発表しました。同原紙が採用されたユニ・チャーム製品は6月5日の世界環境デーに合わせた現地の新商品発表会で展示された後、インドネシア限定で発売の予定とのこと。
 パーム果実からパームオイルを生産する工程で発生するパームヤシ空果房(EFB)は、同過程で発生しバイオマス燃料としての利用が進むパームヤシ殻(PKS)と違い、未利用のまま廃棄されるものが大部分とのことですが、土壌汚染やメタンガス発生といった廃棄による環境負荷が懸念され、有効活用が課題となっているとのこと。今回の同社のパームヤシ空果房(EFB)パルプ混抄段ボール原紙はその課題の解決策のひとつとなり得るもので、同社は引き続き、様々な廃棄物の有効活用を通じ、環境負荷の低減に取り組んでいくとしています。
 
 
【その他の市況/状況】

1.4月の古紙在庫が減少

 5月29日付の日本経済新聞紙上にて、4月末の古紙在庫が前月末比1.3%減少したと報じられています。関東製紙原料直納商工組合(32社分)のまとめによるもので、主力の段ボール古紙が同4.3%減少しており、減少は2か月ぶりであると伝えられています。
 

2.王子エフテックス 「FOOMA JAPAN 2025」に出展

 王子ホールディングスは6月4日、同社グループの王子エフテックスが2025年6月10~13日開催の「FOOMA JAPAN 2025」に出展すると発表しました。同展は世界最大級の食品製造総合展で、同社は非フッ素耐油紙「O-hajiki」など、食品包材関連の環境対応製品等を展示するとのこと。
 同展は完全事前登録制であるため、同社は来場登録を呼びかけています。
 

【ESG、SDGs等関連】

1.ニチバンが日本製紙社有林で植林活動

 日本製紙は6月2日、広島県廿日市市の同社社有林において5月21日にニチバン株式会社が植林活動を行ったと発表しました。この活動は各種使用済み粘着テープの巻心を回収して資源として再利用するニチバンの環境活動「ニチバン巻心ECOプロジェクト」の一環として行われたもので、日本製紙社有林1ヘクタールにスギエリートツリー苗約200本を植林し、日本製紙による「森林及び森林資源の機能と価値」と題するニチバン社員勉強会が開催されたとのこと。
 ニチバンが「森のしずく保全活動」として行う「ニチバン巻心ECOプロジェクト」の一環の環境活動は、植林や間伐など適切な手入れを行うことで、持続可能な森林資源を育成するとともに、空気や水を綺麗にし、土砂災害を防ぐなど、森の本来の力を高める取り組みであると同社は説明しています。
 

【印刷、製品、その他関連】

1.王子HDの「PaPiLamp」が「iFデザインアワード2025」を受賞

 王子ホールディングスは5月29日、同社のパルプモールドブランド「PaPiPress」のランプシェード「PaPiLamp」が「iFデザインアワード2025」のプロダクト部門で受賞したと発表しました。同社サイトの発表によると

PaPiPress パルプを水に溶かして金型に入れ成型・乾燥させてつくるパルプモールドの紙製品の、同社のブランド名。パッケージや紙コップ、カトラリーなどが提案されている。
「PaPiPress」「パピプレス」は王子ホールディングス株式会社の登録商標。
PaPiLamp PaPiPressブランドのランプシェード。パルプ100%素材で生分解性を有し、軽量、自由に絵が描けるなど装飾が可能。
「PaPiLamp」「パピランプ」は王子ホールディングス株式会社の登録商標。
iFデザインアワード iF International Forum Designが主催する、国際的に権威のあるデザインアワードのひとつ。全世界の工業製品を対象に、優れたデザインを選定。本年は66か国・地域から約11,000件のデザインが応募され、PaPiLampはその持続可能性、創造性が評価されて受賞に至った。

 同社はこれまでに培った技術を活かし、今後も環境に配慮した製品の開発と提供に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献していくと表明しています。
 

※文中敬称略
※文章は2025年6月6日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。