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華陽ニュース
不定期配信 江戸ネタ 16
今年の大河ドラマ「べらぼう」の舞台、江戸。文化の担い手が特権階級から町民へと広がり、政治に与える経済の影響が拡大するこの時代には、様々な文化や風習が新しく生まれ、現代へとつながっているものもあります。
江戸時代の出版や紙、風習や様々な出来事などについて、小ネタをご紹介致します。
16 「大錦・中錦・細判・柱絵」
墨一色摺りの初期の浮世絵に用いられたのは杉原紙や美濃紙などの薄い紙でしたが、多色摺りの錦絵の時代には何度も色を摺り重ねる技法に耐える強靭さが紙に求められるようになり、厚めの楮紙である奉書紙が使われるようになりました。浮世絵(主に錦絵)の版の大きさもこの奉書紙の大きさをベースにしており、「大判」とも呼ばれる「大錦」は大奉書の半分の約38センチX約26センチ、「中錦」は「大錦」の半分の約19センチX約26センチ、これは「中判」あるいは「四ツ切判」とも呼ばれています。大奉書ではなく小奉書を3分の1にしたのが「細判」で約32センチX約15センチ、丈長奉書と呼ばれる大きな奉書を細長く4分の1にした「柱絵」は約75センチX約13センチの大きさでした。柱絵はその名の通り柱にかけて飾ったもので、「柱掛け」「柱隠し」とも言われたそうです。