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華陽ニュース
紙の市況(2025.7)詳細 7月20日更新分
【洋紙 国内の紙の市況/状況】
1.7~9月 印刷用紙・段ボール価格は横ばいの見通しと報道 |
7月9日付の日本経済新聞紙上にて、2025年7~9月の印刷用紙・段ボール原紙の価格が横ばいの見通しだと報じられています。日本経済新聞がメーカーや商社に聞き取った四半期ごとの見通しをまとめたもので、
印刷用紙 | 4~6月の価格は上昇。 商業印刷等で需要減少が続き、7~9月は価格の維持に注力との取材。 |
段ボール原紙 | 7~9月は横ばいの見通し。 王子マテリア・レンゴー・大王製紙・北越・日本製紙グループなどが10月からの値上げ発表も、顧客の理解を得られるかどうかは不透明。 |
とのこと。
人件費などのコストが膨らむ一方、需要の弱さから価格転嫁は難しいと、担当記者は横ばい判断の要因を分析しています。
【板紙・パッケージに関する市況/状況】
1.大王製紙・北越コーポ 段ボール原紙価格改定 |
大王製紙が7月8日、北越コーポレーションは7月11日、段ボール原紙の価格改定を発表しました。
対象品種 | 段ボール原紙全般 |
改定幅 | 現行価格より+10円/kg以上 |
改定時期 | 2025年10月1日納入分より |
対象品種 | 段ボール原紙 |
改定幅 | 現行製品価格の10%以上 |
改定時期 | 2025年10月1日納入分より |
両社とも原燃料資材価格の高止まり、物流費高騰、人件費上昇等を理由に挙げており、顧客に理解を求めています。
2.日本東海IP 段ボール原紙・特板の価格改定 |
日本製紙グループの日本東海インダストリアルペーパーサプライは7月11日、段ボール原紙と特殊板紙の価格改定を発表しました。
対象品種 | 段ボール原紙全般 特殊板紙(チップ・色板、紙管原紙、石膏ボード原紙、シクラ原紙) |
値上げ幅 | 10円/kg以上 |
改定時期 | 2025年10月1日出荷分より |
生活消費財のパッケージに使われるコート白ボール、特殊板紙、段ボール原紙などで製造各社の値上げ発表が相次いでおり、いつ、どの程度の範囲に波及するかにも注目が集まりそうです。
【その他の市況/状況】
1.ENEOS C重油価格引き下げ |
7月10日付の日本経済新聞紙上にて、ENEOSと大口需要家が4~6月期の高硫黄C重油価格を2025年1~3月期比11%引き下げで決着したと報じられています。引き下げは2四半期ぶりとのこと。対象時期の原油価格の下落と外国為替相場の円高進行を反映したものと記事では分析されています。
【ESG、SDGs等関連】
1.中越パルプ 「エコシップマーク」優良事業者認定 |
中越パルプ工業は7月8日、同社川内工場と子会社の中越物産が令和6年度の「エコシップマーク」優良事業者に選ばれたと発表しました。「エコシップマーク認定制度」は環境負荷が少なく省エネ・二酸化炭素排出量削減に効果がある海上輸送への切り替えを積極的に推進する事業者にエコシップマークの使用を許可する制度で、同社川内工場と中越物産は早期から連携して川内工場から大消費地への輸送に内航船等を活用し、モーダルシフトの推進を積極的に進めているとのこと。同社は化石燃料由来の二酸化炭素排出量の削減に取り組んでおり、環境問題やトラックドライバーの不足といった社会課題の解決に向け、長距離輸送の最適化を追求していくと発表しています。
【印刷、製品、その他関連】
1.王子 期間限定カフェで資源循環体験イベント |
王子ホールディングスは7月10日、代官山で「ムーミン」とコラボレーションした期間限定カフェイベントを開催すると発表しました。
イベント名 | 「森する時間 TEA HOUSE」 |
期間 | 2025年8月1~7日 |
開催場所 | 代官山 T‐SITE GARDEN GALLERY |
内容 | 木材を使った什器や小道、音や香りなどで森の中にいるかのようなひとときを演出し、森の恵みを五感で味わう体験を提供するカフェ。 ・王子の森の木材を使用した特製ムーミン像がお出迎え ・グランドホテルニュー王子特製の、ハスカップジャムを使用した冷たいスイーツや、王子薬用植物研究所による国内栽培の甘草を使ったフレーバーティーなどを販売。 |
資源循環体験 | 王子の森の木と、同社製のセルロースナノファイバーで特製カプセルトイ装置を製作。 紙カップの返却で1回チャレンジでき、特製の木と紙でできたシールが当たる。 カプセルはパルプモールド製で、リサイクルできる。 |
同社は自然に対して共通する価値観を持つムーミンとコラボ―レーションして、全ての人に森を身近に感じてもらうことを目的とした、森の価値を発信する取り組み「WITH FOREST PROJECT」を2025年2月より開始しており、今回のイベントもその一環と位置付けています。
※文中敬称略
※文章は2025年7月12日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。