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華陽ニュース
不定期配信 江戸ネタ 22
今年の大河ドラマ「べらぼう」の舞台、江戸。文化の担い手が特権階級から町民へと広がり、政治に与える経済の影響が拡大するこの時代には、様々な文化や風習が新しく生まれ、現代へとつながっているものもあります。
江戸時代の出版や紙、風習や様々な出来事などについて、小ネタをご紹介致します。
22 「画譜」
画を系統立てて模写・収集し、その画法などを解説した書物を「画譜」というそうですが、カタログとして、あるいは絵を描くための教材として、画譜もまた江戸時代には盛んに出版されていました。中国・明代に出版された画譜として日本に輸入された『芥子園画伝』は1753年に多色摺で復刻出版。大阪の絵師である大岡春卜が描いた『明朝紫硯』は1813年に多色摺りで出版されています。
尾形光琳に心酔していた酒井抱一は1815年、光琳没後百年の遺作展を上野で開催し、そのカタログを1826年に出版しています。『光琳百図』と題されたその画譜は光琳が描いた掛け軸や屏風など百点を集めたもので、落款の位置などまで正確に模写しているとのことです。