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紙の市況(2025.9)詳細 9月30日更新分

【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.王子HD パッケージングコンテスト入賞

 王子ホールディングスは9月18日、同社グループ関連のパッケージ作品5点が「2025日本パッケージングコンテスト」に入賞したと発表しました。ジャパンスター賞を受賞をしたのはそのうちの2点で、

海外向けインジェクター
集合包装改善
スズキと王子コンテナーの共同開発品。
海外向けインジェクターの集合包装において、プラスチック包装資材を全廃。段ボール固定材に製品を縦向きに差し込むだけの仕様にしたことで、梱包・開梱作業性を高め、収容数も96から120に増加した。
①充填率25%向上
②プラスチック使用量100%削減
③梱包作業時間65%削減
④包装材料費63%削減
を実現。ジャパンスター賞経済産業省製造産業局賞を受賞した。
梅酒700ml瓶
五角柱紙器箱12本用ケース
サントリー、王子コンテナー、王子パッケージングの共同開発品。
五角柱の梅酒用紙器箱が12本入る包装仕様を開発。
・紙器箱同士が安定して動かず、かつ、梱包効率が良くなるよう配列を工夫
・免税用の「輸送時の摩擦」、国内用の「保管時の強度」という異なる課題を共通のケース・固定材で解消し、保管・管理の負担を軽減
・固定材は単純な作業で容易に組立可能な形状で、梱包作業に配慮
を実現している。ジャパンスター賞日本パッケージデザイン協会賞を受賞。

 他の3点もそれぞれテクニカル包装賞、菓子包装部門賞、日用品・雑貨包装部門賞を受賞しており、同社は今後も王子グループで、サスティナブルパッケージの開発を推進し、持続可能な社会の実現に取り組んでいくとしています。
 

2.「JAPAN PACK2025」10月に開催

 国内外の包装機械、包装資材などの新製品を展示・公開し、産業の合理化と国民生活の向上に寄与するとともに、貿易の振興を図り業界の発展に資することを目的とする日本包装産業展「JAPAN PACK2025」が10月7~10日に東京ビッグサイトにて開催されます。日本紙パルプ商事が出展を発表しているほか、紙・紙製品業界からは王子エフテックス、株式会社イムラなども出展を予定しています。日本紙パルプ商事は各種環境貢献型商材の展示を行う予定とのことで、是非ご来場いただきたいと呼びかけています。
 

【その他の市況/状況】

1.古紙輸出価格が下落

 9月20日付の日本経済新聞紙上にて、9月積みの古紙輸出入札価格が前月比1%下落したと報じられています。関東製紙原料直納商工組合の入札価格によるもので、前月比下落は3か月ぶりとのこと。下落となったのはベトナム向け段ボール古紙で、段ボール需要の停滞感と米国古紙の輸出価格が弱含んでいることが影響と記事では分析しています。
 

【ESG、SDGs等関連】

1.王子HD CDP水セキュリティ分野で初の「Aリスト」

 王子ホールディングスは9月19日、企業や自治体の環境情報開示に取り組む国際的な非営利団体・CDPより、水セキュリティ分野においてその透明性とパフォーマンスにおけるリーダーシップが認められ、2024年の「Aリスト企業」に選定されたと発表しました。同社は木材分野では3年連続で「Aリスト企業」に選定されていますが、水セキュリティ分野において最高評価を受けるのは今回が初めてとのこと。王子グループは水分野において

・事業活動における水リスクの評価
・水資源の循環利用による取水量の削減
・排水の浄化による生態系の保全
・地域の水利用者との対話・協働

に取り組んでいますが、今回の選定はそれらの取り組みが評価されたものとし、今後も経営理念のひとつである「環境・社会との共生」のもと、事業場における水資源保全の取り組みや、王子の森の多面的な機能の発揮を促進し、持続可能な社会の実現に貢献していくとしています。
 

2.十山株式会社 井川の森を守るクラウドファンディング

 特種東海製紙グループの十山株式会社は9月19日、南アルプス・井川に広がる社有林を守り、次世代に引き継ぐためのクラウドファンディングを2025年10月1日に開始すると発表しました。今回のクラウドファンディングで得た支援は全て、井川の森の維持管理や保全活動に充てられるとのこと。同社は対象の社有林について

・約24,430ヘクタールの、日本最大規模の民有林
・標高3,000m級の高山帯から山地帯までを含む、豊かな生物多様性
・J‐クレジット制度で年間約1,400トンの二酸化炭素吸収量が認証されている、気候変動対策にも資する重要な資源

と説明しており、この森の価値を未来へと確実につなげていくために、クラウドファンディングという新しい挑戦に踏み出すとしています。
 

3.北越 「エコレールマーク優秀事業者賞」受賞

 北越コーポレーションは9月25日、第1回エコレールマーク表彰「エコレールマーク優秀事業者賞」を受賞することが決定したと発表しました。同賞は国土交通省の諮問機関である「エコレールマーク運営・審査委員会」が地球環境にやさしい鉄道貨物輸送を一定以上利用している企業、または商品を対象に審査・選考するもので、同社のトラック輸送からコンテナ輸送へのモーダルシフト推進の取り組みが評価されたとのこと。同社はさらに自社保有の20フィートコンテナを追加新造する計画で、異業種企業とのラウンド輸送にも取り組み、鉄道貨物輸送比率をさらに向上させ、サステナビリティの実現に貢献していくと表明しています。
 

※文中敬称略
※文章は2025年9月26日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。